練馬区議会第二定例会での会派の一般質問の内容について掲載いたします。

 

 以下、質問内容です。(正式な議事録は練馬区議会サイトよりご覧になれます)

 

 

国民健康保険について。


 区の国民健康保険の加入者は減少傾向にありますが、被保険者1人の医療費は年々増加し、平成27年度以降には30万円を超える状況です。対前年比の伸び率では、概ね2%程度で毎年増加をしています。


 国民のすべての方が疾病や身体の状況に合わせて、適切な医療を安心して受けられるのが国民皆保険制度の目指すところであり、世界に誇れるわが国の社会保障制度であります。


 しかしながら、近年、がんの特効薬とも言われる「オプジーボ」や白血病治療薬である「キムリア」などの超高額医薬品が承認され、医療財政への影響がたびたび報道などで報じられております。例えば「キムリア」では、1回の治療で3,349万円と大変高額なことで知られております。


 厚生労働省は、「キムリア」について、現時点で投与が見込まれる患者数は、ピーク時で年間216人と多くはないため、影響は限定的だとしているものの、日進月歩の研究成果が実を結び、高い効果が期待できる新薬が今後も高額の保険適用薬となる可能性は大きく、既にいくつかの新薬が保険適用の候補となっているところであります。


 こうした高額の保険適用薬については、長期的な国保財政運営において、少なからず影響を及ぼすのではないかと懸念をしておりますが、超高額医薬品の保険適用における将来的な国保制度への影響について、区はどのような認識でいるのかお伺いをいたします。


 また、高額医薬品ではありませんが、ビタミン剤、うがい薬、湿布薬、保湿剤に関しては、医療費適正化の観点から、診療報酬改定でさまざまな対応を行ってきております。しかしながら、市販品類似薬の使用は、いまだ増加をしており、国保財政の負担の一因であると考えております。


 先日、健保連は、国民皆保険制度を堅持するためには、公的医療保険の給付範囲について、除外も含めて改めて見直しを検討することが課題であると声明を発表しております。


 このような動きを踏まえて、区としても適切な国保制度の運営に努めていただきたいと考えますが、区の意見を伺います。


 国保は、収入が不安定な非正規雇用の被保険者の割合が高い、被保険者の移動率、転出入が高いなどの特性があり、収納率の確保が難しいといった課題があると認識をしております。このような状況の中で、国民健康保険制度は被保険者間の相互扶助による社会保障制度であり、制度を維持していくうえでも、また被保険者間の負担の公平性の観点からも、財源となる保険料の収納確保は重要であり、保険料の収納対策にも更に力を入れていくべきであると考えます。


 練馬区の現在の国民健康保険料の収納率はどのような状況にあるのか、また今後どのように収納対策を講じていくか、考えをお伺いをいたします。 

 

 

区側の答弁

 

高額医薬品の国保制度への影響について


 平成27年度、抗がん剤「オプジーボ」など高額医薬品の使用が増えたため、医療費が大きく伸びました。これを受けて国は、平成28年度に年間の使用額が極めて大きい品目について、緊急的に薬価の見直しを行う特例措置を実施しました。更に、30年度の薬価制度の抜本改革では、市場規模の拡大に応じて、速やかに薬価を改定できる仕組みを導入し、医療費増大の抑制を図っています。
 また、ビタミン剤やうがい薬などの市販品類似薬の保険適用については、現在さまざまな立場から議論がなされています。


 いずれの課題についても、医療保険制度全体にかかわる課題と認識しており、区は国の動向を注視し、状況に応じて、特別区長会を通じ要望してまいります。

 


 保険料の収納対策について
 

平成27年度から29年度の区の収納率は、23区の順位ではいずれも4位でした。現年分は概ね87%台で横ばいですが、滞納繰り越し分が37%台から34%台へと減少しているため、全体としては下降傾向となっています。
 滞納繰り越しを増やさないように、平成30年度から現年分の滞納整理を強化しました。督促状の発送を1か月早めるとともに、電話、訪問、文書催告のほか、必要に応じて滞納処分を行いました。その結果、30年度の現年分収納率は88.87%と前年度より0.98ポイント向上する見込みです。
 口座振替の利用勧奨と併せて、今後、電子マネーの活用など、新たな納付方法の検討も行い、収納率の向上に努めてまいります。