第二定例会での一般質問の内容です。


子どもを産みやすい環境整備について。


(正式な議事録は区議会HPからご覧になれます。)


我が国では、現在進む人口減少を放置すると、50年後に人口8,000万人に落ち込むと予想されており、政府の有識者委員会「選択する未来」では1億人を維持するように目標を設定し、高齢者対策中心から出産や子育て支援の財政支出を倍増するようにうながしています。そこで、区としても今後子育て環境のみならず出産しやすい環境の整備が重要と考え、以下質問をいたします。

まず、はじめに妊娠届について伺います。
現在練馬区では、妊娠届を健康推進課、保健相談所、区民事務所、出張所、のいずれかの窓口へ提出すると、母子手帳などを受け取ることができます。
受付においては月曜~金曜の午前8時30分から午後5時、区民事務所においては、午後7時まで、毎月第三土曜日においては受付をしていますが基本的には土日祝、年末年始は受付ができません。
また、区民事務所・出張所の窓口サービスの変更に伴い、平成26年7月18日をもって出張所の母子手帳交付の取り扱いは終了になります。
窓口の縮小により不便さが増し、更には、女性の社会進出が進んでいる中、核家族化により家族が代理申請しにくい背景から考えると、現在の社会性に合わせた受付方法を検討する必要があると考えます。
他の自治体の状況を見ますと、基本的には窓口受付を勧めていますが、品川区、墨田区、板橋区では電子申請による妊娠届の申請ができ、母子手帳等の郵送が可能となっております。
区では保健相談所での受付の際は、保健師が妊婦の様子を聞き、母子手帳を渡せるというメリットがありますが、今後の窓口縮小化や、利用しやすい環境に向け、妊娠届の電子申請と母子手帳等を郵送により受け取れる事も、可能とすべきと考えますが、区のご所見をお伺い致します。


次に、妊婦健診について伺います。
妊婦健診は自費診療のため、低所得世帯などでは、その負担感から、妊婦健診を受けない傾向があり、これまで妊婦健診未受診・飛び込み分娩は医学的にも、社会的にも、リスクが高くなると指摘されてきました。
区では平成20年9月に妊婦健診の回数を、14回に増やし、妊婦や胎児の健康の増進や、様々な妊娠に関わるリスク回避に対して、一定の役割を果たしてきたと考えますが、まず区のご所見をお聞かせ下さい。

現在区では、14回の、妊婦の健康診査費用と併せ、超音波検査費用負担を1回のみ行っていますが、23区内では超音波検査費用の、上乗せ分を、独自予算で組み、港区や足立区では2回、新宿区では3回分を負担しております。

妊娠・出産は、いつの時代も命がけであり、今日までは順調でも、明日どんな異常事態が発生するかわからず、できる限りトラブルにならないよう、子宮の中をリアルタイムに観察できる、超音波検査は、今や妊婦健診に欠かせない検査ツールとなっております。
検診のたびに、超音波検査を行う医師も増えていますが、追加料金は保険外の自費であるため、経済的負担がかかっているのが現状です。
国が示している妊婦健診の実施基準の中で、超音波検査においては、妊娠23週までの間に2回、24週から35週までの間に1回、36週以降に1回実施が望ましいとあり、公費負担の対象となる検査回数と実際の検査回数に乖離があると考えます。
そこで、練馬区としても超音波検査回数の増加をされてはいかがでしょうか。ご所見をお伺いいたします。
また、分娩費用について、以前までは、出産一時金内で分娩が可能でしたが、近年では、一時金の42万円を超える分娩施設が増加しています。
これに対し港区では、分娩費や出産にかかった入院費用の上限額60万円から、健康保険で支給される出産育児一時金を差し引いた額を助成し、経済的負担を軽くするといった取組みを行っております。そこで区として出産一時金との差を助成することについて、いかがお考えでしょうか。併せてご所見をお伺い致します。

練馬区の合計特殊出生率は全国平均を下回り続けており24年度も1.14となっています。政府は人口減少時代のいま(女性が生涯で産む子どもの数である)合計特殊出生率を現在の1.41から2.0程度に引き上げる事が必要であるとしています。
前川区長の政策の一つに子どもたちの笑顔輝く練馬!という項目で保育園の待機児童解消、学校教育の充実や青少年育成などを掲げていますが、少子化・人口減少時代に突入している今、出産しやすい環境をどのような方向性で取り組まれていくのか区長のご所見をお聞かせ下さい。



===答弁===
(健康部長)
 私から、子どもを産みやすい環境整備について。

 はじめに、妊娠届についてであります。現在の社会状況の変化に合わせた受付方法を導入することは、利便性向上の観点から、必要なことと認識しておりますが、電子申請については、費用対効果などの課題もあることから、先進事例を参考に、検討してまいります。また、母子健康手帳については、制度やサービスについて直接説明する必要があることから、郵送ではなく、窓口においてお渡ししております。今後もこの方法を継続してまいりたいと考えております。

 次に、妊婦健診についてであります。妊婦健診は、母体や胎児の健康管理を目的に行うものですが、未受診で出産に至るような、ハイリスク分娩の防止にも有効であります。
 また、超音波検査については、胎児の発育経過を把握するために実地するものですが、一方で、妊婦が安心感を得る効果もあります。検査における公費負担におきましては、今後、検討する必要があると考えております。
 次に、出産一時金との差額助成についてであります。出産の平均費用は約49万円であり、一時金と大きな乖離はないと認識しております。出産一時金については、経済的負担を軽減するためのものでありますので、出産費用の推移を注視しながら、今後も、適切に対応してまいります。

 次に、出産しやすい環境への取り組みについてであります。出産しやすい環境を作るためには、妊娠中から出産・育児に至るまで、様々な事業を充実させることによって、不安や負担を軽減することが必要です。中でも、妊娠中の不安を解消することが大切であり、そのために、出産準備にかかる区の事業の充実に努めてまいります。