今定例会で26年度予算を審議する予算特別委員会が行われてきましたが、本日会派を代表して、
平成26年度一般会計予算ならびに各会計予算に賛成を表明し、意見表明を致しました。


各款ごとに意見ならびに要望です。

正式な議事録は後日アップされます。

●都区財調、財政計画について

・消費税増税に伴って行われる「法人住民税の一部国税化」は区の歳入の3分の1を占める都区財政調整交付金の減収をもたらし、平成27年度以降の区財政に大きな影響を与える。地方分権にも逆行するため、区として反対の意思を明確にされたい。

・向こう10年間で2100億円という施設改修・改築費、さらに扶助費の増大や保育所・介護施設等々の需要を考えると、持続可能な財政運営のためには事務事業の不断の見直しが必要である。総額100億円といわれる各種補助金のほか、子ども医療費など扶助費に関しても受益者負担の原則から例外を設けずに検証されたい。

・練馬区には学校や公園、区民事務所・出張所等々の区民施設が674も存在しており、人口減少社会に入った今日、将来にわたってすべての施設を区が運営していくことは困難である。練馬区が誕生して以来、人口も予算も拡大を続けてきたが、近い将来、縮小型の予算を編成せざるを得ないことを想定し、ハード、ソフト両面から準備をされたい。


●議会費、総務費について

・公共施設の台帳システムが構築されたことは評価するが、法令上の300施設だけではなく、区所有施設全てをデータベース化と管理が出来るよう構築されたい。

・災害時協力協定については実効力ある組織体制の構築と訓練の実施をさ
 れたい。

・新型インフルエンザ行動計画については策定の意義を区民に十分説明し関係自治体、指定公共機関と連携を図り取り組まれたい。

・災害時の農地活用については生産者・関係団体と連携を図り取り組まれたい。

・公共工事入札条件に社会保険の加入と下請けまで含めた設計労務単価の適用を必須条件とされたい。

・(仮称)区民討議会は、無作為抽出で行う意義は重要。子育て・介護・外国人の家庭も参加できるよう支援されたい。


●区民費、地域文化費、国民健康保険事業会計、後期高齢者医療会計について

・財政基盤がぜい弱な国民健康保険制度は、近年の高齢化、医療の高度化もあって保険料が上がり続け、特に低所得層には大きな負担になっている。もはや持続可能な制度とは言えず、今後の財政運営主体の都道府県化の動きを注視しつつ、これ以上の保険料負担を強いることがないように制度の抜本的な改革を関係各所に働きかけられたい。

・仮称ねりまシティマラソンについては、練馬区の魅力が伝わるよう東西を回るコース案を検討されたい。また、将来的にハーフ以外の種目の拡大をされたい。


●産業経済費について

・関係団体と連携を図り区都市農業発展に向けたイベントを開催されたい。

・都市農地保全について、営農しやすい環境の整備を進められると共に、小動物被害に対する対策を検討されたい。

・ねり丸の使用許諾制度の更なる推進を図られたい。


●保健福祉費、介護保険会計について

・健康づくりサポーター事業に検診受診率向上に向けた取り組みを追加されたい。

・高齢者生活保護受給者の検診受診率向上に向けた取り組みを実施されたい。

・咬傷事故防止に向けて積極的に取り組まれたい。

・先天性風疹症候群に対する区の取組の継続をされたい。また、麻疹が流行傾向にあることから予防接種の促進を図られたい。

・B型肝炎ワクチンの定期接種化について検討されたい。

・平成26年度から行われる生活困窮者支援モデル事業については、①対象者が不明確、②新たな水際作戦になる可能性がある、③任意事業が多すぎるなどの課題を念頭に置きつつ、27年度の本格実施に向けて万全の準備をされたい。
また、支援にあたっては、単に生活保護受給者を減らすことだけに着目するのではなく、SROI(社会的投資収益率)の観点から、社会の多面的な価値に着目し、トータルとして社会的コストを減らすことを目標とされたい。


●環境費、都市整備費、土木費、公共駐車場会計について

・エコライフチェック事業に光熱費や使用量比較を確認する省エネ対策を追加されたい。

・憩の森、まちかどの森については区民から親しみがもてるイベントを開催されたい。

・みどりバス南大泉ルートの保谷駅接着については早期実現に向けて取り組まれたい。

・保谷駅周辺のまちづくりについては、近隣区民の意見を十分踏まえて進められたい。

・大泉井頭公園の渇水対策については近隣住民に対して親切丁寧に説明されたい。

・ヒートアイランド化現象に効果のある遮熱性舗装の更なる推進をされたい。


●教育費について

・学校緊急一斉メールシステムについては土日、夜間、休祭日の運用方法について検討されたい。

・合唱コンクールの開催場所については区内大学と調整して取組まれたい。

・携帯電話等の使用モラル講習についてはグループディスカッションの導入を検討されたい。

・「わが街ねりま」を小、中学校の音楽教育の中で必須とされたい

・生活保護基準改定により就学援助に対する影響は大きい。義務教育の機会均等を保障する観点からも、引き続き丁寧な対応を実施されたい。

・校庭芝生化については、管理が不十分で良好に生育していないケースも少なくない。まずは、各学校の生育状況を数値化するなど正確に把握されたい。また、今後の整備計画を立てるにあたっては、持続可能な管理体制について学校とよく話し合われたい。


●こども家庭費について

・認証保育所・保育室等の認可外保育事業は、待機児童対策として区の補完的役割を担っている。認可保育所との保育料格差是正に向けた研究を求む。
子ども・子育て支援事業計画策定向け、待機児童対策だけではなく、家庭育児・従事者等、広く子どもの支援体制計画となるよう図られたい。

・医療費助成費においては、医師の繁忙を招かぬよう、情報・啓発に努められたい。第三子出産の育児に慣れている親にとっても、子どもの成長に戸惑い、不安になる時代背景を考え、第三子お祝い金のあり方を見直されたい。

・学童保育待機児童の解消に向けて取り組まれたい。

・障がい児の保育園、学童保育環境が不足している。実態把握に努め対策を講じられたい。

・短時間勤務者の保育入所については配慮されたい。


平成26年度予算案は、一般会計が2391億3100万円、前年度比3.1%、72億8000万円の増で過去最高規模となっています。
平成20年のリーマンショック以降、歳入が伸びず、厳しい財政運営が続いてきましたが、来年度予算に関する限り、主要財源である区民税および特別区交付金はそれぞれ前年度比3.3%、4.4%の増収を見込んでおり、ひとまず区財政は一息つけたといえるでしょう。
とはいえ、平成24年度決算における経常収支比率は89.8%まで悪化しており、その一因である社会保障関係経費は今後も増え続けることが予想されます。さらに、先に述べたように、平成27年度から平成36年度までの10年間に要する施設の改修・改築費用は2100億円に達すると試算されており、区財政を圧迫することになるでしょう。
区はリーマンショック以降の予算編成にあたっては、常に「選択と集中」を方針として掲げてきましたが、今後もその視点は重要と考えます。
また、わが国はすでに人口減少時代に突入しています。練馬区における人口のピークはまだ先と考えられていますが、そう遠くない将来、かつて経験したことがない、縮小型の予算編成を強いられることが予想され、場合によっては区民に痛みを伴う事業の縮小を迫られるかもしれません。
区としては、今後、区民の理解と協力を得ながら、持続可能な財政運営のために、事業の優先順位を明確にし、受益者負担の原則に基づいた施策を行っていく必要があります。

 今定例会中に志村区長が御逝去され、平成26年度予算は志村区長が手掛ける最後の予算になりました。改めてこれまでの区政に対するご尽力に敬意を表しますとともに、新しく区長となられる方には、より一層未来志向の財政運営を期待し、私たちとしても、それに向けて最大限の努力を払うことをお誓い申し上げます。