12月3日に会派を代表して、今回は私が一般質問を行いました。

一般質問とその答弁を掲載します。
(正式な議事録は区議会HPに掲載されます)


今回は、在宅医療と介護の充実について。

区内の高齢者人口は、平成27年には約15万8千人、全人口に占める割合の約21%になると推計されています。

また、高齢者のみの世帯数は、平成12年以降5年毎に約9千世帯増加しており、練馬区高齢者基礎調査によると、高齢者人口の約20%の方々は、病気や障害などで自立した生活に対して支障をきたしている現状にあり、今後も増加していくことが予測されます。

このような状況の中、区内の高齢者に関わる医療体制については、回復期リハビリステーション病床がようやく練馬駅北口に計画されたものの、療養病床数については区内人口10万人あたり79床しかない状況にあり、今後さらなる不足が見込まれます。

特別養護老人ホームの施設状況については、現在までに1、724床が整備され、長期計画最終年の来年26年度には2、062床の整備を目指しています。とはいえ、将来的な高齢者人口の増加や自立困難な高齢者の推移状況から考えると、引き続き病床数や介護施設を確保していくことも重要ですが、各施設の受入困難な状況から考えると、在宅療養に関する普及啓発活動を今まで以上に進めていくことが重要であると考えます。区のご所見をお聞かせ下さい。

医療、介護施設を今後も充実させていくことも引き続き必要ですが、限られた財源と限られた施設状況の中では限界があり、これからの高齢者療養に対して、大変重要な役割を担うのが、在宅医療・介護の連携と充実だと考えます。

しかし、国内の在宅医療・介護従事者は不足傾向にあり、厚生労働省の調べによると全国で訪問診療を実施している病院、診療所、訪問看護ステーション等の医療機関は平成23年現在で約2万8000ヵ所。介護人材については、平成12年度に55万人だった数のが、約10年間で149万人と倍以上となったものの、団塊の世代が75歳を迎える2025年には249万人と、現在より100万人以上の介護職員の確保が必要とされています。

国としては診療報酬の引き上げや在宅医療推進プロジェクトチームを立ち上げ、労働環境の改善や潜在的有資格者の再就職促進や、人材マッチクング等の、様々な施策を実施し、担い手不足の解消に取組んでいますが、このような、在宅医療・介護の担い手不足の課題は、練馬区でも同様に潜在化しているものと考えられますがいかがでしょうか。

練馬区では、在宅療養推進協議会を本年6月に設置し、医療関係者と介護事業者が協力体制を構築し、従前より課題とされていた在宅療養に関わる、医師、看護師、介護事業者の負担を軽減させ、チームとして在宅療養者を支援していく取り組みが検討され始めました。

現在の、担い手不足の状況から考えると、このような連携については一部の関係者だけで組織構築をしていくのではなく、区内全体の医療関係者と介護事業者を巻き込んだ、幅広い協力体制の構築が不可欠であり、体制の構築と合わせて、医療・介護職を離職された潜在的有資格者や他分野からの新たな人材に対しても、担い手として確保していくことが重要と考えますが、区のご所見をお伺い致します。

今後の在宅医療、介護を充実させていくうえでは、第五期高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画で示されているとおり、地域の医療、介護、生活支援、介護予防事業を連携していく、地域包括ケアシステムの構築が大変重要であると考えますが、現在の第五期計画では将来的な具体像が見えづらい中、計画が進んでいるように感じます。区が考える将来的なケアシステムの具体像や目標時期に対する工程などについては、早期に示していく必要があると考えますが区のご所見をお伺い致します。


===答弁===

在宅療養に関する普及啓発活動について。
 急速な高齢社会の進行に伴い、医療や介護を必要とする高齢者は、今後ますます増加することが見込まれております。高齢者の方々が住み慣れた地域で安心して暮らせる地域社会を実現するためには、引き続き医療・介護施設の確保に努めるとともに、医療と介護の連携を図り、在宅療養ができる環境を整えていくことが必要であります。

 医療や介護が必要な状態となっても地域での生活を続けるためには、様々なサービスを受けながら在宅で療養生活が送れることを、区民の皆さまに広く知っていただくことが重要であります。そこで本年11月に、在宅療養の普及啓発のための在宅療養をテーマとした認知症フォーラムを開催したところであります。

 今後、さらなる普及啓発を図るため、リーフレットの作成など、様々な媒体を通じた普及啓発事業について、在宅療養推進協議会において具体的な検討を進めてまいります。
 次に、在宅療養の担い手不足についての状況及び人材確保についてであります。
 平成22年度に実地した介護サービス事業所調査では、約3割の事業所が、事業運営上の課題として、スタッフの確保を挙げており、ことに確保が困難な職種は看護師とホームヘルパーとされております。

 そのため区では、様々な理由により離職された看護師を確保するため、医療機関や訪問介護ステーションが参加する看護職員再就職相談会を実地しております。併せて、練馬介護人材育成・研修センターにおいて、ホームヘルパーの確保や離職中の看護師の再就職に向けた福祉の仕事セミナー、事業所見学会や就職面接会を実施しているところであります。
 今後とも、区内の在宅療養の担い手となる人材確保に向け、事業の充実について検討してまいります。


医療と介護の連携体制の構築について。

 在宅医療に関わる医師や看護師、介護事業者の協力体制を構築するためには、お互いの顔の見える関係づくりや、関係者間で情報を共有するための仕組みづくりが必要であります。
 このため、様々な職種の関係者が一堂に会し、事例の検討などを行う交流会を地域ごとに開催するとともに、多職種連携に向けた研修を実地し、関係者間のネットワークを構築してまいります。また、関係者間で在宅療養者の医療・介護情報を共有しやすくするための具体的な方法について、在宅療養推進協議会において検討を進めてまいります。


地域包括ケアシステムの具体像および目標時期に対する工程について。
 区は、団塊の世代がすべて後期高齢者となり、介護需要の急増が見込まれる平成37年度を見据え、住み慣れた地域で様々なサービスが切れ目なく提供される地域包括ケアシステムの構築に取り組んでいるところであります。第5期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画は、その実現に向けた最初の3年間と位置付けております。


 現在、次期計画の策定に向け、高齢者基礎調査を行っているところであります。今後、調査結果や国の動向等を踏まえ、次期計画を策定する中で中長期的なサービスや給付、保険料の水準を見据えた施策を検討してまいります。また、将来的な地域包括ケアシステムの具体像につきましては、次期計画の中で区民の皆さまによりわかりやすく示してまいります。