12月3日に会派を代表して、今回は私が一般質問を行いました。

一般質問とその答弁を掲載します。
(正式な議事録は区議会HPに掲載されます)


今回は、オープンデータの推進について。



生活様式や価値観の多様化に伴い、区民の情報に対するニーズも多様化、高度化しています。そこで、情報提供については、社会情勢や情報通信技術の変化への対応が必要であり、近年ではオープンデータの推進が図られています。

オープンデータとは、国や地方自治体などの公的機関が保有する、公共データを広く民間に利活用できる形式で公開することで、ホームページ等でデータが公開されているだけではなく、多種多様なデータが利活用しやすく、二次利用が可能なデータ形式になっており、対象分野には、人口、地理、経済、健康、交通など多岐に渡ります。

これには、ビッグデータやスモールデータなども含まれ、地域課題や問題意識の共有することで、優れた知恵を出し合い、新たなビジネスや人々の利便性の向上を官民協働で進めていこうとするものです。


政府では、今年6月に『世界最先端IT国家創造宣言』が閣議決定され、総務省においては、本年4月に平成22~24年度版情報通信白書のオープンデータ化を行いました。誰でも複製、改変、頒布、公衆送信等のあらゆる二次利用が可能で、政府系白書では初の取り組みでした。

オープンデータの推進には以下3点のメリットが挙げられます。
まず1点目に経済活性化です。
 公共データをもとに、分析や加工等を通し新たなビジネスやサービスの創出、企業等の活動の効率化、更には経済の活性化が促されます。
また、オープンデータは数値情報だけでなく、画像や映像のコンテンツも含まれ、青森県の『あおもり映像コンテンツ・プロモーション事業』では、県内の観光名所や特産物、イベントなどの映像素材を県が自ら撮影、公開し、活用を促しています。県が著作権を持つことで県民、企業が自由に活用でき、学校教材としても利用が可能で、現在までに4000本あまりの映像データを保有し、地域プロモーションとして活用され、経済効果も表れているとのことです。

2点目に、住民参加、官民協働による公共サービスの実現です。
千葉市では、今年7月から地域課題の解決に向け、情報通信技術(ICT)を活用した『ちば市民協働レポート』の実証実験を行っております。これは、市民自らがスマートフォン等を使用し、位置情報つきの写真レポートをWEB上に投稿することで、市と情報を共有し、協働で課題の早期解決を図ることを目指し来年度以降の本格実施を予定しています。
このように、多種多様なデータの活用が可能となることで、官民協働で住民ニーズに対応した公共サービスの創出が可能となります。

3点目に区政の透明性、信頼性の向上です。
横浜市では、公開した公共データをもとに自分の納めた税金がどう使われているかを視覚化するウェブサイト『税金はどこへ行った?』が開発され、現在52の自治体に広がっています。
支出データなどの透明性を図ることは、区民に対する説明責任を果たすことや、事業分析が可能となる点においても有効であると考えます。

練馬区の長期計画においても、ICTを通じた行政サービスの向上とともに、区民と区、区民と区民の相互関係を重視した情報施策を推進するとしています。これまでも、保有するデータをホームページや、本庁舎の区民情報ひろば等での閲覧に供したり、刊行物等による提供も行われておりますが、多様な情報提供という観点からすれば一定の成果に留まっております。

区が保有しているデータは区民の財産とも言え、インターネットの普及、行政情報の電子化などを背景に二次利用が可能な形式で公開する情報資源の活用こそが課題解決にも繋がると考えます。そこでお伺い致しますが、二次利用が可能となるオープンデータ推進についていかがお考えでしょうか。
また、オープンデータを活用した区民、団体、企業等の活動の可能性についてどのようにお考えか、併せてご所見をお伺い致します

行政が保有するデータは信頼性の高い基礎データとして民間での利用ニーズが高いものの、現状はソフトウエアによる解析、処理が困難なデータが多く十分に利用されていません。

オープンデータの利活用可能な環境整備を図るためには全庁的な共通認識で取り組む体制と一定の方針が必要と考えます。そこで他自治体に習って専門チームを設置し、可能な所からデータの公表を行っていくべきと考えますが、いかがでしょうか。


===答弁===

国のIT戦略本部では、行政機関が保有する公共データを国民や企業等による二次利用が可能となるオープンデータとして、広く活用することは、国民生活の向上、企業活動の活性化等を促し、社会経済全体の発展に大きく寄与するものと位置づけております。

 また、オープンデータの活用が進み、将来的に官民の情報共有が図られる段階では、官民の協働による多様な公共サービスが迅速かつ効果的に提供されることが期待され、区民、団体、企業の活動も連動して、経済の活性化・行政の効率化が促進されると言われております。区といたしましては、区の保有する公共データについて、二次利用が可能な形で提供することは、行政の透明性の向上と区民の区政への信頼を高め、区民参加・官民協働を推進するうえでの、新たな情報戦略の基盤になり得るものと考えております。

 従いまして、区におきましても、現在のホームページ等による電子的な情報提供に加え、今後は、区の公共データをオープンデータとして広く活用されるように努めていく必要があると考えております。

 一方、公共データ活用のための環境整備には多くの課題があります。データ活用に対するニーズの把握、二次利用が可能なデータ形式の標準化、情報提供者と利用者との間におけるルールづくり、著作権問題の整理等についての対応と合わせて、個人情報保護に配慮した取扱いも必要となります。

 いずれにいたしましても、オープンデータの推進にあたりましては、区の進める練馬区情報化基本計画のもとで、総合的・戦略的に進めていく必要があります。

 国の検討内容も参考としつつ、一定の環境が整備された段階において、速やかに区の情報化基本計画の中に位置づけ、更なるICTの推進に計画的に取り組んで参りたいと考えております。