介護保険改定への対策について。

 今年8月、「社会保障制度改革国民会議」から、社会保障と税の一体改革に向けた「医療・介護・子育て・年金」について答申が出されました。

その内容は、70歳~74歳の医療費窓口負担率の引き上げや、2015年度から高所得者に介護保険料の利用者負担増を求めること、さらには、介護保険認定者の要支援1および2の方々について介護保険対象から切り離し、基礎自治体による施策対象に移管するなどですが、自治体にとっては、利用者負担のあり方やサービス提供のための財源確保など、移行後の具体像がつかめずに困惑しているのではないでしょうか。
その意味で、練馬区も例外ではないと推察しますが、まず、答申について区のご認識を伺います。

また、国は、この改定に向けて「自治体への負担を考え、段階的に移管していく」としていますが、第6期の改定まで1年半しかなく、どの程度「段階的」に行われるのかも定かではありません。
練馬区の平成26年度における要支援1と要支援2の介護認定者は、それぞれ2,137名、2,892名と見込まれていますが、その方々に「見捨てられた」感が広がらないよう、切れ目のないサービスの移行が不可欠と考えます。

介護保険制度導入後、介護サービスの提供は措置から契約になったことから、制度導入後10数年が経過した今、自治体の福祉対応力の低下が懸念されており、今回の答申に対応するためには、区独自による福祉施策の再構築が不可欠と考えます。このような条件の下で、介護軽度者・介護予防対象者を含む福祉施策をどのように構築されていくお考えか、現時点での準備状況も含めて区のご所見をお伺いいたします。

====答弁====

社会保障制度改革国民会議では「安定した財源確保と受益と負担の均衡がとれた持続可能な社会保障制度の確立」を目的に議論が進められてきたと承知しております。

 介護保険分野では、要支援者に対する介護給付の見直しや、地域包括ケアシステムの構築に向けた取組みの更なる推進、利用者負担の見直し、給付の重点化、低所得者の保険料の負担軽減など、様々な改革の方向性が示されたところであります。
 これからの、改革は、今後の介護保険事業全体に大きな影響を与えるものであり、これまでと同様に介護が必要になっても、住み慣れた地域で暮らし続けられる制度を目指し、適切な対応をしてまいります。


制度改正を踏まえた福祉施策の再構築への対応について。

 現在、区では、要支援認定者約5千人への介護予防給付とは別に、地域支援事業として、主に二次予防対象者である約2万人に対して介護予防事業を実施しております。
 国民会議の報告では、介護予防給付と地域支援事業を統合し、再構築する方向性が示されております。
これを受けて、自治体においては、住民主体の取組などを積極的に活用し、受け皿の整備を進める必要があります。

 今後、社会保障審議会等において具体的な制度設計に向けての議論が進められますが、区としましては、次期の第6期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定の中で、地域包括ケアシステムを念頭においた、サービスの提供体制について検討してまいります。