先日行った一般質問④行政が行うアンケート手法についてです。
(正式な議事録、質問の動画配信は区議会HPからご覧ください。)


行政アンケート調査は、各種行政計画の策定段階において民意を把握するための、統計的な判断基準の一つとして用いられており、イベントなどにおける出口アンケート、利用者アンケート、インターネット、無作為抽出によるものなど、様々な手法があります。

練馬区でも、毎年実施する区民意識意向調査をはじめ、防災、福祉、産業、まちづくり、教育、子育て支援など様々な分野でアンケート調査が行われ、平成22年度および23年度には計35回実施しましたが、回答率が低い調査も散見され、回答率50%以下のものが18件ありました。
アンケート調査の場合、「無回答」の多寡もある意味で民意の反映であり、一つの指標ともいえますが、一方であまりにも回答率が低すぎる調査は、区民ニーズを把握する資料として十分とは思えず、信頼性に乏しいと言わざるを得ません。

そこでお聞きしますが、アンケート調査の回収率が著しく低い場合に、その結果から区はどのように民意を判断しているのでしょうか。また、正確に民意を把握し、有効的に施策に反映するためには、できるだけ多くの区民に回答していただくことが重要と考えますが、区はアンケートを実施するにあたり回収率の目標を定めているのでしょうか。
 さらに、現在、区のアンケート調査は民間のコンサルティング会社や研究所などに委託していますが、回収率を高めるために何らかの工夫がなされているのでしょうか。

厳しい財政状況が続く一方で区民ニーズは多様化しており、限りある財源を選択と集中の観点から有効に配分していくためには、民意を正確に捉えることがますます重要になっています。そのための重要なツールであるアンケート調査の精度を高めていくことについて、区としてどのようにお考えでしょうか。

 また、荒川区では従来の枠にとらわれない新たな発想で地域課題を解決する観点から公益社団法人荒川区自治総合研究所を設置し、多角的かつ中長期的な視点に立った実践的な調査研究が行われています。
区政の課題が複雑化・多様化していくなかで、区の特性を踏まえた独自の発想での施策展開や、そのために必要な情報やノウハウの集積といった観点から、第三者機関の設置を検討すべきと考えますがいかがでしょうか。


==区長室長==
はじめに、回収率が低い調査についてでありますが、より詳細な分析を行うことにより、基本資料として有効に活用できるようにしております。
また、回収率の目標設定についてであります。
抽出による標本調査の場合、一般的には、調査結果の信頼度である標本誤差の算出式により、回収数と回収率を設定し、それに応じて標本数を決定することとなります。アンケートにより対象者の抽出方法や調査手法が異なるため、区として一律の回収率を定めるというものではありません。

 次に、回収率を高めるための対応についてであります。
一例といたしましては、調査期間中に、お礼と回答へのお願いを兼ねたハガキの送付や訪問回収の実施など、調査の内容に応じて、回収率を高める工夫や取組みを行っております。
 次に、アンケート調査の精度を高めていくことについてであります。
アンケートは、正確な民意を把握するために実施しているものであります。調査内容に応じて、標本数や標本範囲、回収率などを十分精査し、統計的に不都合が生じないように行っております。

 次に、第三者機関の設置についてであります。当区で実施している各種のアンケート結果につきましては、その実施目的に応じて、各分野の専門調査機関等による分析を行うほか、審議会等の諮問機関における検討の基礎資料とするなど、区民ニーズを踏まえた政策立案に活用しているところであります。他の自治体における、いわゆる自治体シンクタンク等の政策研究機関につきましては、新たに設置される事例もある一方で、廃止される事例もあり、効果や必要性等について研究してまいります。