先日の一般質問です。
質問項目ごとに答弁とあわせてアップしていきたいと思います。

第一弾は練馬光が丘病院についてです。
以下質問内容です。
(正式な議事録は区議会HPにアップされます。)

新たな練馬光が丘病院のスタートから5か月が経過しました。
日本大学の突然の撤退表明は地域に大きな混乱と動揺を与え、後継主体の選定から病院開設に至るまでも紆余曲折がありましたが、練馬光が丘病院が一日も早く地域に浸透し、区民から信頼される病院に発展することを望んでおり、そのような思いを込めて、5ヶ月間の練馬光が丘病院の運営状況について何点か伺います。

 練馬区と地域医療振興協会の間で交わされた基本協定書には、
「重点医療として、救急医療、小児医療、周産期医療および災害時医療を行う。」
また、
「病床数および診療科目については、日大練馬光が丘病院が担っている病床数および診療科目を前提とする…」とあります。
 この中で、残念ながら周産期医療に関しては開設当初から分娩を扱うことができませんでしたが、今月中には産科病棟が開設され、10月から分娩が可能になると伺っています。
 8月1日現在、産婦人科の医師は常勤2名、非常勤2名とのことですが、分娩取扱開始時には何名の体制になるのか、また、合併症を抱える妊婦などリスクを伴う出産にはどの程度まで対応できるのかお答えください。

 病院の利用状況については、救急車受け入れ台数とそれに伴う救急患者数は当初から順調なものの、7月31日時点の入院患者数は病床数342に対し135人、外来患者数は日大練馬光が丘病院時代の1日あたり約700人に対して300人程度と聞いています。
中でも小児科については入院・外来ともに3分の1程度といった状況ですが、開設当初から力を入れたにも関わらず、患者数が伸びない原因を区として、どのように捉えているのでしょうか。
 また、このような状況から、せっかく集めた小児科の医師を減員して、現在は常勤6名、非常勤7名という体制で運営しているとのことです。待てど暮らせど患者が来ない状況は医師のモチベーションにも影響するでしょうし、他の病院が必要としていれば一時的に減員することはやむを得ませんが、これから冬に向かってインフルエンザなどが流行し、小児科の患者が急増したときに、直ちに十分な医師を確保する体制は整っているのでしょうか。

 練馬光が丘病院は、十分な引き継ぎ時間が与えられず、人的な継続性もほとんどない中でスタートしました。
また、マスコミ報道も含め、ネガティブな情報が飛び交う中で、地域は必ずしも諸手を挙げて歓迎という状況にはなく、時として、あたかも当初から日大と同等の医療を提供できるかのような区の説明が混乱に拍車をかけたことも否めません。
とはいえ、新たな経営主体で病院がスタートしたからには、未来志向に立って、一日も早く、高度な医療に裏打ちされた中核的な病院に成長してほしいと願っております。そのためには、できるだけ早く新病院の経営が安定することが望ましく、日大撤退の大き過ぎた代償を教訓に、黒字化に向けて区としても最大限協力すべきです。
区は3年目の黒字化を目指すとしていますが、具体的なスケジュールと見通しをお示しください。

さらに、日大に遜色のない高度な医療を実現するためには、老朽化した建物の修繕や設備の更新に加え、病院の新築移転を含めた検討を急ぐ必要があると考えます。以上の観点も含め、区として練馬光が丘病院の総合的な将来像をどのように考えておられるか、ご所見をお伺い致します。






==区長の答弁==
 本年4月1日に、公益社団法人地域医療振興協会練馬光が丘病院が開院してから、5か月が経過いたしました。
 開院以来、徐々に利用者が増えており、この間の入院患者数は1日平均約96人、外来患者数は土日を含め1日平均約229人となっております。
また、救急医療については、1日平均17台という高い水準で救急車を受け入れております。今後は、重点医療としている小児医療、周産期医療および災害時医療が充実され、区の中核病院として大きな役割を担っていただけるものと考えております。

 一方、同病院は、施設が狭隘であることに加え、老朽化も進んできていることから、近い将来における建替えが大きな課題になっております。特に、1床あたりの床面積は約50㎡と、一般的な急性期病院の3分の2程度であります。また、狭隘であるため、最新の医療機器の導入や医療機能を充実することが困難になっております。

 このため、平成22年1月に策定いたしました光が丘地域の学校跡施設活用基本計画を踏まえ、旧光が丘第7小学校跡施設を活用した病院の建替えについて協議を進めているところであります。
 また、今後、区内の高齢者人口の増加に伴い、急性期医療終了後の受け皿となる回復リハビリテーション病床や療養病床についても必要性がましていくものと考えております。
病院の建替えにあわせて、こうした課題にも適切に対応していくことが必要であると認識しております。
 私は、今後も練馬光が丘病院を積極的に支援して、区民の皆さまにより一層親しまれる病院となるよう取り組んでまいります。


==健康福祉事業本部長の答弁==

 産婦人科につきましては、この9月から分娩を行う体制を整えたところであります現在の医師数は、常勤医3名、非常勤医2名でありますが、今後、周産期医療を充実していくために、さらに医師を確保していく予定であります。

 合併症を抱える妊婦への対応につきましては、重度の合併症や、母体・胎児管理を要する重度の疾患があるハイリスクの場合は総合周産期センターや地域周産期センター等へ紹介し、比較的軽度の合併症等のミドルリスクの場合は、受け入れを行う予定であります。

 区内には、分娩を扱う医療機関が練馬光が丘病院を含めて7箇所しかないことから、産科の体制を整える事は重要な課題のひとつとなっております。区では、同病院において10月から周産期セミオープンシステム事業を開始する予定であります。このことにより、区民の方が安心して出産できる体制を整えてまいりたいと考えております。

 小児科における患者数につきましては、これまでに入院が延べ約1200人、外来が延べ3600人となっており、徐々に増えてきております。以前に比べて患者数が少ない原因としては、季節的な感染症の流行がないことや、病院の引継ぎに際し日大光が丘病院から他の医療機関へ患者の紹介があったことが推測されます。

 小児科の患者が増加した場合につきましては、関連病院からの支援等により医師を確保し、患者数の動向によっては、さらなる増員を検討することとしております。
 練馬光が丘病院では、今後、より地域に根差した親しまれる病院となるよ、区民向けの各種講座を開催するとともに、ホームページや広報誌等により病院情報を提供していくこととしております。

 病院に経営につきましては、企画提案書において、開院後4年目の平成27年度に黒字化することとしておりましたが、患者の増加に努めるとともに、各種施設基準を確保することなどにより、入院診療収益や外来診療収益などにより、入院診療収益や外来診療収益などの増収を図り、平成26年度中に経常損益をプラスすることを目標としております。
$倉田れいかBLOG
(登壇し発言中の写真)
区議会HPでは一般質問の動画配信もされています。
こちらから。