10年に一度の改定の年にあたる今年度。

厚労省の省令様式が改定されたため新しく改正した内容を盛り込むわけですが、
育児情報や行政情報などは区の独自で盛り込んでいい部分があり区に委ねられているので
改定にあたり
区が新たに独自情報を盛り込んだのかなど
今日の常任委員会(健康福祉委員会)で質問をしましたが、
特段、区の発信するほうでの改定というか更新内容はないようです。

以前行った会派での一般質問で母子手帳については
出産記録というよりは子育て記録としての役割が大きいことから
他の自治体ですでに取り組まれている、
中学生までや、20歳までといった青年期までの子育て記録もできるタイプや
母親だけでなく、父親、医療従事者も記録しやすいもの、
また励まし、癒し機能や色分けによる見やすい、読みやすいなどといった工夫を凝らしている新母子手帳の機能を盛り込んではどうかということで質問したのですが、
今回の改定に合わせて、新母子手帳の導入はされませんでした。
が、
・妊娠、分娩の際のリスクに関する情報の追記
・妊娠健康診査の記録欄の拡充
・妊産婦等の自由記載欄の拡充
さらに胆道閉鎖症等の早期発見につながるよう便色の異常を呈するカラーの表がつけられたなど改定された部分もありますが、

新母子手帳をすでの取り入れている自治体などでは、
子育て世代、子育て関連団体、医療従事者などとワークショップを行い
母子手帳の在り方を検討していたりしますので、
練馬区でも次回以降の改定の際にはぜひ区民の声を取り入れてほしいと思っています。

また、母子健康手帳の電子化についても引き続き実現するよう働きかけたいと思っています。


あと、これも以前に一般質問で会派からもしたのですが、
『分娩』のリスクのなかで
帝王切開についても触れてほしいと思っています。

区が発行している母親学級用のテキストには、帝王切開については触れられていますが、術後の健康障害などに関する情報はありません。これでは帝王切開についての情報としては十分とはいえず、健康障害の可能性についても記載すべきではないかと考えています。
少し前のデータですが、帝王切開は2008年の総出産数のうち18.4%にあたる20万人と推定され、過去20年で2倍に増えています。
帝王切開による開腹手術では、術後に90%以上が癒着を発生することが報告されています。癒着による腹痛や膀胱の機能障害をはじめ、中には10年以上たってから癒着によって腸閉塞が起き、根本的治療のために癒着剥離手術を行う例もあるなど、健康障害になる確率は自然分娩の2倍以上で、その後の不妊症の最大の原因とも言われています。

帝王切開には、出産前から事前準備して行われる予定帝王切開と、分娩中に自然分娩が困難と判断されて緊急に行われる緊急帝王切開がありますが、緊急帝王切開の場合は、術後癒着の可能性など、インフォームドコンセントが十分になされていないケースが考えられます。

そこで、例えば健康障害を軽減する方法として、術後癒着を防止する目的で開発された半透明シートの癒着防止材が有効であるとされ、術後の癒着率が6分の1程度に抑制されるとの研究結果も報告されています。こうした情報についても、区が安全性を確認したうえで、母子の健康のためにも情報提供をしていたいと思います。

まだまだ研究しなくてはならない課題があるとは思いますが、妊娠、出産、子育てと親御さん自身も成長記録として残る母子手帳の在り方は検討していきたいと思います。

私の母がぎっしりと書き込んでくれた母子手帳はとても親の愛情を感じ、母子手帳を開きながらあの時はあーだった、こーだったんだよとか話してくれたりします。
親子のツールとしても大事な一つのアイテムだと思っています。



以前の一般質問での「母子手帳について」の質問と答弁のブログはこちら