情報発信のあり方について
一般質問をした内容と答弁です。
(正式な議事録は後日、区議会HPにアップされます)


倉田:
首都圏でマグニチュード7以上の地震が
今後30年間のうちに起こる確率が70%と言われており、
災害時の行政による広報活動は、より一層重要であります。

そして、何よりも情報の受信者である区民にとっても、
情報の発信者である行政にとっても、
有効な手段が求められています。

そこで、3月11日の東日本大震災時、
練馬区から、区民、事業者、区外在住の帰宅困難者等に対する
情報発信をどう検証、評価されているのか、提案を含め、以下お伺いします。


一つ目は、携帯電話の活用です。
2011年の内閣府調査では、携帯電話世帯普及率は92.9%と、
情報伝達手段として最も有効なものの一つで、
とりわけ、一斉メールとエリアメールに注目しています。

一斉メールについては、例えば学校での活用が有効で、
近年では緊急時に
児童の安全を確認でき、なおかつ、
個人情報が流出しない学校向け連絡システムを活用する自治体が増加し、
全国の公立や私立学校など約700か所、23区では65%の自治体で導入され、
東日本大震災の際、これらの地域では全生徒の保護者に一斉メールが送信されました。

一方、練馬区では、各校ごとの対応や未だ従来の連絡網対応の所もある状態ですが、
費用面等を理由に導入を見送っている学校もあることから、
保護者の費用負担軽減等も視野に、区内で統一のメール送信システムを導入すべきと考えますが、
ご所見をお伺いいたします。

答弁:
携帯電話を活用した一斉メールについては、今日様々な企業や学校においてその有用性から導入が進み、とりわけ学校においては不審者情報や緊急時の連絡に使われているところであります。
本区の学校現場におきましても、学校と保護者との連絡を効率的に行うため、一斉メールの導入について、これまで検討を進めており、その中で解決すべき課題として個人情報の取り扱いや学校現場の負担、情報格差対策などが指摘されております。
また、このたびの東日本大震災を契機に、区内のおおむね半数の小学校でPTAが主体となり、一斉メールサービスを導入しておりますが、区で統一した送信システムを導入するためには、システムの変更による混乱は避けたいという意見もあり、関係者の理解と協力を得ながら進めていく必要があると考えております。

倉田:
エリアメールについては、大手携帯電話会社が運営するもので、
緊急地震速報と同じ仕組みのメール送信システムで、
各自治体が地震や大雨情報、避難準備や避難指示などの情報を行政区内にある対象携帯電話に送信が可能で、なおかつメールアドレスの事前登録が不要と利便性が高いのが特徴です。

東日本大震災前に導入していた自治体は、約50か所程度でしたが、
震災後は、導入予定の自治体を含めると200か所以上、
23区では足立区、江戸川区、葛飾区などが導入しており、
速報性と同報性が確保できたということです。

平成17年の総務省統計局では練馬区の流入人口は約81,000人おり、
区民のみならず区内にいる区外在住者に対しても、災害時などに、情報を伝えなくてはなりません。     
現在、区では『ねりメール』『安全安心メール』『防災気象配信メール』がありますが、
事前登録が必要であることや、さらに、防災無線の活用については、近年では建物の防音化や気象状況などの事情により音声が聞きにくいと指摘されております。

地域防災計画では、今後、速報方法等を検討していくとしていますが、このエリアメールについては、導入費用やランニングコストが無料であることから、即時に導入すべきではないでしょうか。

答弁:
「エリアメール」等の緊急災害・避難情報の配信サービスについてです。
このサービスは区内にいる方には、事前登録を行うことなく、緊急情報を伝えることができる大きな利点があり、
また、回線混乱の影響を受けづらいとも聞いており、災害時における有効な情報伝達手段になるものと認識しています。
しかし、区外にいる区民には伝わらないことや、携帯電話の会社や機種により使用が限定されているなどの課題があります。
今後さらに取扱い会社等の拡充が見込まれることから、これらの課題について十分に検討してまいります。


倉田:
二つ目は、総務省の2011年版情報通信白書で、
急速に普及し存在感が高まったとされるソーシャルメディアの活用です。

なかでも、ツイッターやフェイスブックに注目しており、
ツイッターについては、災害時に通話規制や停電により電話やテレビなどで情報を入手するのが困難になった際、
情報収集活動の一つとして活用でき、
現在では、首相官邸の災害情報、文科省の放射線モニタリングデータ、総務省消防庁の災害情報や、さらに在日米海軍司令部も日本語でツイートする等、直接的で詳細な情報を即時に伝達できるようになりました。
近隣の自治体では、文京区が区立保育園、幼稚園、小中学校など施設別にツイッターアカウントを取得し、それぞれ公式発信していますが、
練馬区は、本年3月24日に東日本大震災関連の情報発信の目的で公式ツイッターを始めるにとどまり、各園や学校ごとに公式ツイッターアカウントの開設を行っておりませんが、なぜ積極的ではないのかお聞かせください。
また、先進自治体では、平常時から区内イベント情報や地域の生活情報などを発信し、こうした情報をさらに有益にするために、『ハッシュタグ』をつけるなど工夫しています。
練馬区でも震災関連以外の情報発信や、さらにハッシュタグの活用をすべきと提案いたしますが、いかがでしょうか。

ツイッターを運営する以上、確実な情報をより広く発信するためには、読者であるフォロワーを事前に増やしておく必要があります。
いまだ練馬区公式ツイッターがあることを知らない区民も多く、効果的アピールするため、区HPのトップ画面にツイッターロゴのバナーを貼り付けることを提案いたしますが、あわせてご所見をお伺いします。
フェイスブックについては、震災発生後、岩手県が活用した事例が明らかになってから、災害時にHPのサーバーがダウンした場合に備えるためにも、多くの自治体がフェイスブックの開設をはじめています。練馬区で早期に導入しない理由と、区のソーシャルメディアの活用方針についてご所見をお伺いいたします。

答弁:
ソーシャルメディアの活用についてです。
ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアサービスは情報発信の即時性や情報収集の簡易性などにより、近年利用者が増加しております。
区におきましても、こうした状況を踏まえ、震災時における情報発信手段の多様化を図るため、ツイッターを活用し、東日本大震災の関連情報を3月24日から発信しております。

日常でのツイッター等を活用した情報発信については、これまでの区の運用状況、国や他の自治体の動向などを踏まえ、現在、区としての活用方針の策定を検討しているところであります。
保育園や学校等での活用については、この方針に基づき検討してまいります。

また、ツイッターにおいて、発言内容をグループ化し、情報の検索性を高める「ハッシュタグ」の利用についても活用方針を策定する中で検討してまいります。
合わせて、ツイッターのロゴをトップページに貼り付け、区民周知を図ることにつきましても同様に検討してまりいます。

フェイスブックの導入については、他自治体において、災害時にHPサーバーがダウンした際の対応策としてフェイスブックを活用する事例が見られております。
区では、非常時におけるHPサーバーダウン対策を検討しており、一般的にはシステムのクラウド化も有効であると伺っております。
フェイスブックについてもその一つの方法として検討してまいります。


倉田:
三つ目は、ラジオを使った情報発信のあり方です。
ある民間調査機関によると、東日本大震災時の情報入手手段についてのアンケートで、若年層はインターネットや携帯電話などデジタルメディア系のツールを活用したのに対し、高齢者になるとテレビやラジオを活用したという調査結果が出ています。
一方、「防災に関する調査」では、必要な防災グッズが非常食や非常水に続き、ラジオであると答えた方が約71%に上り、インフラの遮断による情報途絶状態を防ぐために、ラジオは必要不可欠であるという認識が高いことが明らかになっています。

ラジオに関する最近の国の動向は、阪神淡路大震災をきっかけに、1995年2月から、大規模災害が発生した場合、その被害を軽減する目的で臨時災害放送局を開設できる制度が始まり、これまで、新潟中越地震時などや、先般の東日本大震災においても設置されました。
しかし、臨時災害局を立ち上げた地域の一つである宮城県亘理町などでは、当初アナウンサーを確保できない、機材を揃えられないなど、立ち上げに相当な労力を要した地域や、運営面においても、広告収入が得られないためアンテナ増設などの整備がままならない地域もあるといいます。
 こうした教訓を踏まえ、練馬区は臨時災害局の立ち上げの必要性やこれらを迅速に開設運用するための準備等について、どのようにお考えなのかお伺いします。
さらに、臨時災害放送局の出力は、通常の2~5倍まで認められることもあり、近隣の既存コミュニティFMや都内放送局と連携、また専門的人材の支援を確保するなど、臨時災害局開設前から情報提供内容の調整が必要と考えますが、併せてご所見をお伺いします。 

答弁:
災害時における臨時の措置として開局が認められる臨時災害局は
災害や復旧・復興、地域の状況などの情報を迅速に放送できる
重要な情報手段と考えております。
区と親しましても、既設の放送局の活用を含め、災害時に速やかに開局できるう努めてまいります。

倉田:
ラジオは、東日本大震災の発生以降、被災地における細やかな情報伝達手段として活躍し、その価値は大きく見直されておりますが、日頃から住民に浸透し、一定の支持を得ながら経営していくことが必要です。
そうしたことから、災害放送のみならず、生活情報や区政情報など地域密着した情報発信が可能なコミュニティFMを「もしも」に備えるのではなく「いつも」備えておけるような環境が必要ではないでしょうか。
現在23区内では、
世田谷区、渋谷区、江戸川区、葛飾区、中央区、江東区でコミュニティFMが開設されており、世田谷区では、平常時から、区内在住外国人向けの区政情報提供番組や災害時の対処方法や備えなど防災情報提供番組等を放送、さらに東日本大震災時においては帰宅困難者向けの施設開放情報を発信しました。

練馬区では、コミュニティFMの可能性として19年度に周波数割り当て調査を行った結果、周波数の割り当てが難しいとされておりましたが、本年に地デジ化へ移行になったことで電波の使用可能範囲ができると聞いております。
コミュニティFMの必要性の認識と、練馬区で開局する場合、出資など、どのような開設および運営をお考えでしょうか。


答弁:
コミュニティFMの開設、運営についてです。
災害時のラジオによる情報発信については、このたびの東日本大震災において
その有用性を改めて認識したところであります。
コミュニティFM局の開局にあたっては、制度上区が運営事業者になることができないため、民間事業者による開局や、区も出資し運営事業者を立ち上げることなどが考えられます。が、安定的な運営を図るためには番組制作にかかるスポンサーの確保などの課題があります。
現時点においては、地上デジタル放送への移行に伴う周波数帯の活用に関する国の方針が明らかにされていないことから、引き続き国の動向を注視しながら検討を進めてまります。



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質問と違う答弁があったりと
検討、検討・・・ばかりな答弁でした。
現在、決算特別委員会が行われていますが
機会をみて更に追及して区の方針や考えを聞いてまいりたいと考えております。


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