先日行ってきた北海道視察のレポです。

やはり東京より空気がカラッとしていて少し涼しい感じでした!
まず、一日目は札幌市役所へ。

ここでは、まず
「歴史を活かしたまちづくり」
の説明を受けました。

まず、札幌市についての説明からはじまりました。
札幌市は東西42km
南北45kmという大変大きな面積で
昭和47年オリンピック開催の年に政令指定都市へ移行し当時人口110万人だったのが現在では
人口は約190万人だそうです(ちなみに練馬はおよそ70万人。)

札幌市は古くは馬鉄が通っていたり、レンガ造りの建造物が多く存在していたんだそうです。
札幌雪まつりの会場にもなっている大通り公園沿いにも洋風建築が多く立ち並んでいたそうですが、いまではその面影もない感じです。

建築物については、昭和48年に建築基準が容積率が基準となり、高さ制限がなくなったことで高さの異なる建築物が増加し、街並みがバラバラになってしまうという事態がおきてしまったそうです。


そこで、景観に配慮した建築のコツを市内の事例で紹介する本「歴史を活かした景観まちづくりガイド」を作成。

歴史的建造物を守ることだけが良好な景観を作るわけでなく、連続した街並みを作ることを目標としてつくりあげていくこととしているようです。

 ガイド本は3部構成で、1章では「歴史的景観資源とは何か。」について説明し年代やデザイン性等注目すべき具体的項目も挙げ、身近にある建物や樹木などを自己診断してもらう事で価値を再認識してもらう。 

2章では、角地に位置する場合や道路から離れている場合など立地別に建物の高さや色に統一感を持たせたり周囲の景観を建物からの眺望にうまく取り入れている例を紹介。 
3章では、地域全体で景観を保存し、観光資源として活用している取組みを解説。 ガイド本はA4判50ページ。
設計の際に依頼者への説明資料として活用してもらうほか、希望者にも無料配布するそうです。
市地域計画課は、「歴史的景観はほぞんするだけでなく生かしてほしい。ガイドがきいかけになれば」ということから、要望があれば出前講座を開いて市民に理解を深めてもらう方針だそうです。

そこで、歴史的建築物も見学してきました。
ガイドブックにも載っていた
観光スポットとしても有名な時計台です。
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これは明治初期の洋風建築で札幌農学校(現在の北海道大学)がこの場所にあったことを示す証でもあるそうです。
バルーンフレーム構造の2階の演舞場兼講堂は時台大ホールとして市民の人気も高いそうです。

ちなみにここで集合写真を撮りました。
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この時計台の前にはシャッターマンという方々が!
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完全ボランティアさんで、
もともとは役所で働いていて、退職後ここで一切の助成金などもなくほぼ毎日交代制で活動を行っているんだそうです。
ここでの活動も約6年だそうで、土日なんかは現役市役所の部長さんなんかも来て活動をみなさんでされているそうです。
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後の視察内容の中でも感じたのですが、
町をとてもみんながこよなく愛している!というんでしょうか。

個々の取組みがとても熱心で感動いたしました!

次に、こちらは札幌市資料館。
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全国の7控訴院のうち現存する2つのうちの一つだそうで、札幌軟石の重量感あるがいかんでレンガ造りと石造り、2階床、階段、柱を鉄筋コンクリート造とする混構造を採用しているんだそうです。



こちらは、北海道庁旧本庁舎(通称:赤レンガ庁舎)。
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これも札幌を代表する建築物ですよね。
昭和43年の復元改修で八角塔も再現されシンボル性も高まったそうです。


この写真は、レクチャーをうけているところです。
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次に、同じく札幌市役所で
「区民協議会」について話を伺ってきました。

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住民団体らが連携して自ら地域の課題に取り組む「区民協議会」を全区で設立する動きが本格化しているという情報があり視察に行くことになったのですが、
実は、この内容で視察にくるのは初めてという課長さん。

私たちの視察に合わせて資料など作成を急いで行ってくださったそうです!

さて、区民協議会についてですが、
3/26現在では4区にあり、市は市民自治推進の一環として2010年度中に10区に拡大する方針だそうです。(04~05年に厚別、西、手稲の3区で発足したほか今年2月には北でも設立。)
 区民協議会は市自治基本条例(19年4月1日施行)で掲げた区民の移行を把握し合意を形成する為の場として設置するもので、構成団体は連合町内会ほか福祉や防犯などの関係機関、市民団体、企業、NPO法人などであり、各団体が情報交換するとともに地域の課題について議論し住民が主体的に問題解決に取り組むとしています。

ちなみに、町会加入率は減少しているということですが、約71%。
(昭和53年では93%もあったそうです!)

そもそも、地域ごとに問題は異なっていたりして、団体活動の内容も様々だそうです。
しかし、既存団体を土台として全ての課題を対象とした総合型として設置にむけ行っているそうです。
 区役所が事務局を担うほか、運営費、事業費の補助などをして支援する。
市は、将来的には、協議会を市政の区民の意見を反映させる場にしたい考えで、市や区が施策などに関して諮問し意見を述べてもらうことも視野に入れるんだそうです。

ちなみに、札幌市では87カ所のまちづくりセンターがあります。
役割は
・地域課題に関する情報収集や提供
・地域のまちづくり活動の支援
・地域の各団体のネットワーク化支援
・地域における情報交流の促進
・諸証明の取り次ぎ
です。

この87カ所のうち
7か所については地域の自主運営でされているそうです。
そこで、私が質問してみたのですが、
諸証明の取り次ぎについては最近では特に注意が必要な個人情報の取り扱いについてです。
この自主運営については自ら名乗り出た地域が対象となっているそうで、それ以外の場所は課長級の職員1名と非常勤職員2名体制で行っているそうですが、
この自主運営の箇所についての取り扱い立場として第一種非常勤職員という扱いになるそうです。
これは諸証明のときだけ公務員という扱いになるものです。

ちなみにこのセンターにはもちろん運営費なんかもかかってきますので、適正に運営されているのか?等の評価基準みたいのはあるのかと尋ねたところ特にないそうです。

地域のことは地域で。
市民が主役となり市民がつくるまちづくり・・・
自治基本条例。
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素晴らしいですね!
平成19年に施行されていますが、既存団体へ配慮し市民の主体性を尊重しているんだそうです。
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大変参考になりました!
それにしても町会加入率にびっくり・・・!
私の同年代の友人で子育て組でさえもなかなか町会に加入していません・・。

時代の流れなのか。。。
お隣さんにお醤油借りてくる~といった時代ではないんですよねぇ。。


さて、次の日は道庁へ。

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ここでは、
「生活保護世帯における子供の教育支援について」です。

札幌市は10区によって構成されており、この地域には各区に福祉事務所が設置され、そのほかの市(34市)においてもそれぞれ福祉事務所が設置されています。

北海道は、市の他に145町村があるそうですが、この145町村については法律上、町村でも福祉事務所は設置できるのですが、道が14ブロックにわけ設置をしているんだそうです。

北海道の生活保護世帯の推移ですが昭和60年から全国平均の2倍で推移しており、現在は過去最高だそうです。


生活保護世帯の子供の高校進学率が低いなど、所得による教育格差を解消するのが狙いで、「生活保護世帯における子どもの健全育成支援事業」を行う予定だそうです。
生活保護世帯に対し、親のほうに定職につくよう促したりどちらかというと、子供に視点をおく考えはあまりないので、勉強させていただきました。

高校への進学率は保護世帯でなくても全体で約96%ということです。
町村によっては倍率が1倍を切っており、実質願書を出せば入学できてしまう・・というところもあるそうですが、ただ、問題なのは、行きたい高校へ行けているのか?ということだそうです。

学びたいことを学べる高校に入学→卒業→安定的な仕事に就き、収入を得るという流れを見込んでいるそうです。これで貧困が解消されれば・・とおしゃってました。

道は7月にも道内町村の生活保護世帯の中学生を対象に学習指導や進学相談を行うモデル事業を始める。
道は、二つの総合振興局・振興局管内で事業を始め、成果が上がれば来年度以降、全道で事業化する方針。
 (道保健福祉部によると道内町村の生活保護世帯の中学生は約700人。道内の生活保護世帯数は昨年過去最高の10万465世帯。)
事業自体は地元NPOや教育関係者に委託予定。しかし、広いエリアをくまなく回れる団体があるのかどうか・・ということも問題としてありそうです。
本年度事業費は1160万円(国の補助金を充てる)

保護世帯についてはケースワーカーさんがいますが、公務員のため日中のみです。
学生たちは日中は学業に励んでいる為なかなか会う事ができないということで、
この委託先が決まった際、ケースワーカーさんとの関係、連携について聞いたところ
ケースワーカーさんが家族へ支援についてのお話をして同意を得てから委託先の団体さんへとりつなぐという予定で考えているそうです。
この事業についても、やはり個人情報の取り扱いについてなんらかしらの担保を考えなければならないとお話してましたが、具体的にはこれからつめていくそうです。

生活保護については、私も一般質問したことがありますし、会派としても何度も質問をしているので、大変熱心に話を聞いていました。


今回も、多くの方に色々お世話になり無事視察を終了できました。
ありがとうございました!

学んできたことを議会の中でも活かせるよう頑張っていきたいと思います!