昼間ちょちょっと自宅PCで作業しつつ、
夕方になってから3日ぶりに病院に行ってきました。
入院した時はどんなに忙しくても二日開けることはないので、かーなーりー待ちくたびれているんだろうなぁ、と思いつつ。
頼まれていたTシャツやら、麦茶やらわちゃわちゃもって。
部屋に入っても背中むけたままテレビ見てる…。
一段と聞こえなくなってる…?と思いながら、頭を小突いてみると、母ものすごく驚いて3センチくらい飛ぶ。
私がこれなかった3日間でいろんな検査をしてもらって、いろんな先生が来てくれたそうな。
そして、言われました。
「右の耳が全然聞こえていなくて、もう治らなくて、補聴器つけても聞こえないんだって…」
え…?
泣き出した母に、一気に血の気が下がる私。
「ごめんね、ごめんね、こんなになってごめんね、ごめんなさい」
「大丈夫大丈夫だよ、大丈夫、左の耳は聞こえるでしょ?」私は母の左に回る。
「でも左ももやってしてきて聞こえなくなる、もう嫌だ、ごめんね、れかちゃん、ごめんなさい…」
耐えろ。
泣くんじゃない私。
私より悲しい人の前で、泣いてはいけない、耐えるんだ。
母の話はとぎれとぎれで、それでいて聞こえていない分、つじつまが合っていないところがいくつかある。全部が事実なのかもわからない…。
そこに主治医が来てくれたので、主治医からお話を聞くことに。
聴力検査の結果、右耳の聴力がほぼない事が判明したそうです。6月に聴力の異変を感じた私が検査をしてもらった所異常はみられず、7月にも同じようにやったけれど、異常なし…。なぜ今になって…??何故??耳鼻科の先生は8月すぐに来てくれれば治しようがあったのに、と母に言ったそうで、その意味が分からない私は主治医を見つめる。
メニエールの酷い症状のひとつなのが「突発性難聴」で、
治す方法があるそうです。それは、ステロイドの投与。でもそれもその症状が出てから「2週間以内」でないと効果があまりないという事がわかっているそうです。ステロイド投与には、点滴、内服、耳に直接という3つのパターンがあるそうですが、点滴や内服薬にすると筋肉が落ちてきたり骨折しやすくなるといった全身症状が現れるとの事。やれるとしたらひとつ、耳に直接、薬を入れる事。
「効果は出ないかもしれません。トライしますか?」
「トライします」
補聴器についても、あくまでもほんの少しの助けにしかならないとの事。それでも私の答えは一つ。全部にトライします、です。
他にも脳腫瘍の手術跡が右後頭部の視覚をつかさどる部分であることから、左側の視界が狭くなっている事もわかった。脳腫瘍の後はてんかん発作を起こしやすいとの事でずっと飲み続けてきたてんかん防止の薬も副作用にめまいやふらつきが出ることもはっきりした。それらを断薬して、違う薬に変更する。それでどんな効果が出るかわからないけれど、すべてトライ。それしか、ない。
「お母さん、トライするよ」というと、
「わかった。」と頷いてくれる母。
それでもくじけそうになっている。
「私は何か悪いことしたのかな…なんで私ばっかりこんなになっちゃうのかな…」と泣く。
私は泣きそうになるのを必死にこらえて、
「悪い事をしたから病気になったんじゃないよ、病気は多かれ少なかれみんなあるんだよ。
…それに、お母さんが生きている中で特別だった事は、病気になった事じゃないでしょう?」と聞く。
色んな事があったよね?
娘さんを母子ともに危険な状態で出産したことも、残念ながらその娘さんと生き別れてしまった事も、それでもその後で私の叔父に出会って結婚したことも、そこに私がいたことも、
そして今、私と一緒にいてくれる事も、
お母さんの人生の中で最も重要で最も特別だった事なんじゃないのかな、そう思う。私がお母さんと会えたことを、そう思っているように…。
毎日がトライだった。
だから、また、トライする。
トライして悔やんだことなんて、一度もないのだから…。
泣くもんか。
今度は、私が守るんだ。