良い子なのです。

いつも笑顔。人に対しても優しい。人当たりも凄く良い。

美人で背も高くて聡明な感じ、っていうのかなぁ。

でも、「失敗する」事が怖くって、

小さく纏めてしまう事が多い。

ほんの少し、私と境遇が似ている、とある、大好きな子のお話。


何度かぶっ飛ばした事がある。

現場で叩きのめされて演じる事が怖くなった時期もある。

それでも、逃げてはいけない、逃げたらあなたは絶対に後悔するよ、と言い続けた。

そうなの、わかっている、とその子は言った。


それでも、何本か呼んだADの中で、

殻を破る事は出来なかった。

小さく纏める事で、キレイに創り上げられたオブジェみたいな。


今日ね。

泣かされたんですよわたし。

彼女の歌で。

「もっと心を解放してあげて?」って言っただけだったのに。


二廻し目で、

キレイにまとめられた小さな歌が、

荒っぽくてでも切なくて、本当に彼女の心の声を聞けたの。

久しぶりに鳥肌がたった位に。

涙が出た。


素直になる事は、酷く難しい。

大人になっていくうちにいろんな邪魔な鎧を着る。

それは自分を守るため。

でも、それが邪魔な錘になってしまう事になかなか気付けないでいる。


さぁ、殻は破られた。

鎧は脱がされた。

ううん、自分で脱いだ。

それがどんなに凄い事か、気付いてはいないと思う。


そんな彼女といつまでも歩いていけますように。


ありがとう。