滅びた後の世界の中の世界から

地上世界が荒涼となった世界。

地下144階のサイロで、人類は生き続けていた。

カフェテリアのスクリーンからは外の荒れた世界が

毎日映されていた。外に出ることは口にしただけで

反乱と見なされ、防護服ひとつで外へ追放される。

追放されたものはスクリーンの映像を映すレンズを

磨く最期の仕事が与えられる・・・

前前から気になってましたSFサスペンス。

滅びた後の世界、細長いサイロに住む人々の社会、

反乱者の末路と本当の外の世界。


構築された世界観に魅せられながら、

サイロの中に潜む陰謀と秘密が徐々に出てきて

サスペンス色が・・・。


序盤、外の世界についての情報を得て追放された妻、

その妻を1年後に追っていく夫の話は

夫の視点と共に希望と絶望を叩きつけてきます。


この強烈な掴みからの

サイロの中の政治状況、上下関係、

上層部と現場の乖離と情報のずれなど

現代社会同様の人間の集団が必ずと言っていいほど

生み出す歪みがじっくりと書かれ・・・


後半、その秘密をつかみ変えた若き保安官が

陰謀に急激に巻き込まれ、しかしある真実をつかむ。


この流れは非常に面白く読めました。

語り手が次々と変わるのですが

後半での主人公ジュリエットがやはり1番好き。


全体を見る目を持つ仕事のできる女で

でも父に素直になれないところもあって・・・

まあわかりやすく好感が持てますね。


彼女を追い詰める陰謀ははっきりと

ある男の独断なんですが、

命懸けの行動でしっぺ返しを喰らわし、

ある場所へ・・・というところで下巻。


しかしサイロの過去から続くという

「協定」がどう関わってくるのかはまだ。

この言葉がわかりやすくフォントを変えてて

すごいキーワード感を出してますが・・・


世界の秘密にあと400ページほどで

どこまでたどり着けるのか・・・

かなり面白いです。


でも絶版になってるのか電子でも下巻見かけず;;

上巻だけ買ってたんですが下巻も買っておけばよかった。


紙で買うか、図書館で探します・・・


次は海外ドラマ

グッド・オーメンズ シーズン2

第1話「到着」の感想です。