虚構と現実、その先の真相
結末がないまま終わっていた「カササギ殺人事件」の原稿。
スーザンは怪訝に思うが、翌日なんと
作者のアランが死んだというニュースが飛び込んでくる。
上司から遺書が届けられていたことを聞くが
彼は本当に自殺したのか?そして原稿の最終章は?
スーザンは探偵役を自らに課してアランの死の真相を
調べに行くが・・・
小説「カササギ殺人事件」の真相と作者アラン・コンウェイの死。
虚構と現実、二つの事件が
主人公の手により解けられていく…
上巻から考えるとびっくりする展開ですね。
そのままアティカス・ピュントの推理が
繰り広げられていくのかと思いきや
「現実」のアラン・コンウェイの死と
その人生が紐解かれていく。
両方の事件に繋がりはあるのか。
アラン・コンウェイという作家のこだわりは
結構面白く読めました。
自分では絶対見つけられないタイプのこだわり💦
小説のキャラと現実のキャラの名前が
入り混じるので、ちょっと混乱もしましたけど
そこまで気にならず。
個人的には早めのスピードで読めました。
スーザンの捜査は
「思い込みも入ってないかな?」と思うところもあり
やや不安に思いながら読んでいました。
正直みんなどこか怪しいけど
「だからって殺すか?」と思う程度の
現実的、日常的な諍いの域をそこまで出てなくて
小説という別の舞台を出すことで
余計に「殺すような人がいるのか」という疑惑が強かったです。
それがクライマックスでまさかの展開。
殺す理由って…結局はそういうことかな・・・。
「カササギ殺人事件」の結末も面白かったです。
上巻ではただただ嫌なおばさんだった被害者の印象が
真相で大きく変わりました。
嫌な人なのは変わらないけど、守り通そうとしたものが・・・
そっちだったとは。
二重構造のミステリー、面白かったです。
このシリーズ、もう一作あるようなので
また読んでみたいなと思いました。
今回の名台詞はこちら
「ジェイムズにとっては、
あまり嬉しい結果にはなるまい」
ここがまさかの伏線だった!
小説となると伏線になるキーワード
とかばっかり選んじゃいそうです😅
次は海外ドラマ
パーソン・オブ・インタレスト
シーズン5 第9話
「声の男」の感想です。
【過去感想】
カササギ殺人事件 上