恋心の機微

熊本から東京の大学に入学した小川三四郎。

見るもの聞くものを新鮮に感じ

時に反発も感じながら毎日を過ごす。

そんなある日、奔放な女性美禰子に出会い

彼女に惹かれるが・・・

久しぶりに夏目漱石御大の作品です。

「吾輩は猫である」の時からあまり合わないなあと

思いつつも、せっかく手元にあるので今回も挑戦。


まだ一本筋のある話があるので

だいぶ読みやすく感じました。


で、思うのは恋の表現の淡さ、さりげなさ。

彼女の行動と三四郎の受け答えが

なんとも不器用で奥手で。

意気地のないといった女性は

三四郎の自嘲の形なのかそれとも美禰子さんの姿なのか。


周りの目が今よりずっと厳しい世の中で

自分でも心の動きがわかりにくくなってしまう。

でも彼女の気のあるかのようなそぶりで右往左往。


ささやかな瞬間が丁寧に描かれてます。


ただ展開は結構急というか・・・


まあ、そうだろうねという気持ちにもなる終わり方。


成長していく前の青い青い未熟な、

恋になりそうな慕情の形。


今も昔も恋する心は不器用なものです。


次は海外ドラマ

ARROW シーズン4 第1話

「グリーンアロー」の感想です。