父の作る檻の中で

ギリシャのある裕福な家庭。

父母は3人の子供たちを家から一切出さずに

世間から隔絶させて育てていた。

子供たちは名前もなく、世界は危険であると

教え込まれていた。

そんな日々の中、父は成人となった息子の性欲処理に

若い女性を雇うが・・・



こちらも映画紹介チャンネルにて拝見し

気にはなりつつ見られるかなと思いつつ・・・ついに挑戦。


はっきり言って。気持ち悪かったです。本当に。

へレディタリーの時も気持ち悪い、とは言いましたが

別の方向に天元突破する気持ち悪さ。


違う常識の中で育つと人間はこうなるのか。

しかしSF的な「全く違う世界」ではないので

帰って違和感が増しました。


状況を説明するようなセリフは一切ないのですが

それでもこの異常さ、際立ちます。

事件ともいうべき出来事がいくつか起こりますが

全てが淡々と描写され、

普通に異常なことが起こっていく。


序盤のあまりに作業的なセックスから

親子の奇妙な会話、子供達(成人ですが)の行う

妙なルールの遊び。


こういった隔絶された世界の物語は

いくつか見たことがありますが

(進撃の巨人の前半もそうですね)

ここまで生理的嫌悪は感じませんでした。

家族だけじゃなくて雇われた女も

頭おかしいことしてきますし・・・

長女にアレをしろと要求してきた時は

父親と同じくらい引きました。


父親が何を考えていたのか、

母親は何を思って従っているのか。

そんな背景も一切見えません。


ただ押し込まれたものは滲み出る時を待っていた。

最後の長女の行動はちょっと感動しました。


だけど、ラストが・・・


いや、きっと何かが動いたはず。


画面が終わった後にきっと。


気持ち悪い、けど確実に別世界を感じさせてくれる。

やべえ映画でした。


・・・困ったことに、嫌いじゃないなあこういうの。


次は海外ドラマ

クリミナル・マインド シーズン2 第16話

「見えない恐怖」の感想です。