ひさびさに村上春樹先生。
自殺した親友の恋人との逢瀬とその終焉。
女友達が連れてきた彼氏がふと漏らした話。
歳の離れた従兄弟の耳の治療に
病院に付き添いに来た時にふと浮かんだ思い出。
久しぶりに村上春樹先生。映画紹介サイトで原作になっているという
「納屋を焼く」が気になって読んでみました。
「納屋を焼く」意味があるのかないのか、
その情景が離れなくなった主人公の心情や
「女友達」の存在など、
考察させる、解釈させるヒントをそこかしこに
散らばし、そのまま広げたままで
不思議な余韻が残ります。
ほんのひと握りの不穏な空気が
水に混ぜられた絵の具のようにジワリと広がる。
「愛人」とか「性癖」とか野暮すぎる一言では
すませたくない空気感。
映画の方は(韓国映画)サスペンスになってるみたいですね。
解釈がどうなったのかはちょっと気になります。
他、一番わかりやすくて怖かったのは
「踊る小人」。
「革命後」の世界で革命軍に密かに捜索される
小人。それをみてしまった主人公の顛末。
予感される悲劇と、その通りに終わる物語。
でもそれだけじゃない、まだ終わってないけど
終わりそうだけど今はまだ違う。
この答えのない物語は
私は考える前に感じるのが好きです。
次は海外ドラマ
シャドウハンター シーズン3
第6話「天より強く」の感想です。