「奇」妙な運命をたどる「書」物たち。

かつては当たり前に読まれていた、今では非常識な読み物。

かつては非常識と捉えられていたが、今では芸術と捉えられる読み物。

長い時間を超えて評価を変え視点を変え、

多くの人が関わりながら歴史の中に名を残していく。

今私たちは、これらに何を思うのか。

かの有名な「魔女の鉄槌」や「非現実の王国で」を含め

エロティックな詩、

世界最初のSF長編小説など

大なり小なり歴史に軌跡や爪痕を残してきた本たち。


どんな背景の人が書き出し

どのような時代の偶然で広がっていったのか。

中身の突飛さもですが

当時の人々がなぜこれに熱狂したのかなど

書物が辿ってきた奇妙な運命に

注目して紹介されています。


一番を面白かったのは

ある詐欺師が書いた「台湾史」ですね。

まあ適当に聞き齧り情報だけで

「俺は台湾人だ」と騙しにいったもんです。

それだけ当時の世界は広かったw

出鱈目な「台湾語」まで作るとは

プロですねえ…。

もちろんばれた顛末まで。

「ジパング」以上に謎の国だったんだろうなあ。


あとちょっと読んで見たいと思ったのは

ビリティスの歌。

古代ギリシャ女流詩人が書いた、

赤裸々な愛と性の詩。というものだと嘘言って書かれた

フランスの詩人の作品。

一部抜粋されてますが

恋愛の機微や女性同士の性描写、

年老いて美から遠のいていく嘆きや

娼婦として男を落としていく手練手管、

最後はもう演歌かと思うくらい熱い嘆き。


気になったしまったじゃないですか。


ほか、「月世界旅行」から始まる

ロケットの開発の歴史なんかも面白いです。

米ソの争いも含めて。


人間の愚かしさや強かさを煽り

人々を翻弄していく。

書物の力の一端が感じられます。面白かった!


次は海外ドラマ

ブレイキング・バッド シーズン3 第6話

「追いつめられた2人」の感想です。