マフィア映画の代名詞。

アメリカで権力をふるうシチリアーノマフィア、コルレオーネ。

首領のヴィトー・コルレオーネはファミリーを愛し信頼されながらも

権威を保ってきたが、麻薬の取引を断ったことから銃撃を受け、

コルレオーネは危機に立たされる…。

重厚な空気が画面からあふれ出ます。

象徴たるマーロン・ブランドの存在感は圧倒的でした。

ここから「マフィア」のイメージが作り上げられていったのですね。

そこに存在するだけで空気変える傑物であり

家族を愛する信頼される家長であり

義理人情を重んじ、裏切りには制裁を。

 

そしてそんな父へと近づいていく三男。

ごく普通の人生を選択していたマイケルが

父の危機と兄の死で変貌していく様を

演じる若きアル・パチーノ。

その表情や立ち居振る舞いの変化が素晴らしい。

 

そして70年代のおじさまたちのカッコよさ…。

人が多いし説明も少ないですが

誰が誰でどんな関係者なのかも

すんなりと入ってきます。

 

3時間という長い映画ですが、

時に起こる銃撃や殺人の他は

むしろ穏やかな映画で

その中で緩急がきっちりとつけられてて

あまり長さは感じません。

流石の名作です…。

 

しかしマフィアのボスたちを支える女性の

不安と哀しさがなんとも…今だと絶対に

もっと戦おうとするでしょうけど。

ラストで妻の前で扉を閉めるマイケルと

それを見つめるケイさんの表情が

すごく象徴的に感じました。

マイケルの選択はファミリーにとって

ケイさんにとって正しいのか。

それはまだわからないけど…。

 

 

濃厚で良質な文学作品を読み終えた気分です。

素晴らしかった。