ネットフリックスにて。フランスアニメ映画。
パリの街の片隅で、切断された手が動き出す。
持ち主を求め危険な旅をつづけながら、
手は持ち主の人生を思い出す。
優しい両親との思い出、孤独な青春時代、
そして淡い恋を。
キャラクターデザインは「人狼」を思い出します。
青年ナウフェルの人生のうまくいかない雰囲気がリアル。
両親を突然失い、一人孤独に不器用に生きる姿。
もっと泣いてもいいよと思えるほどです…。
そんな彼が出会ったと言っていいのか。
知った女性はピザの配達先の女性。
彼女との会話が忘れられず、
彼は彼女がどんな人なのか知ろうとして
追いかけます。
追いかけられたことを知った彼女の反応は
冷酷とも言えますがすごい分かる;;
そんな記憶を思い浮かべながら手は
過酷な旅をする。
こちらは常に命がけでハラハラ・・・。
そしてたどり着いた持ち主のもとで、
魔法のような奇跡が起こるわけでもなくて…
ただ、ナウフェルがひとつだけ、行動します。
その行動が重く物悲しいこの映画に
すがすがしいラストを添えます。
彼は右手も何も持っていないけど、きっと強く生きていく。
手は彼のもとに戻れないけれど、
彼の人生のきっかけを見守ることができた。
人生いやなことばっかりだけど
きっと変えられる。
だいぶ胸に刺さってくるけど
最後は前を向ける温かい映画でした。
言葉少なく表情も乏しいけれど
伝わってくるものを感じ取る映画です。