挑戦する気分で。久々にJホラー。

読者の体験談の連載を持つ小説家の「私」に
届いたある女子大生からの手紙。
一人暮らしを始めた部屋の和室で
畳を擦るような音が聞こえて来る。
二人はその部屋の、マンションの、そして
土地の過去の歴史を遡っていくが…。


これは…
ホラーとしてではなく
ミステリーとしてすごく面白かったです。
部屋にもマンションにも
いわくのある過去はなく、
しかし同じマンション内で
恐怖体験をしたひとが
「私」に過去届いた手紙に見つかり…。

そこからどんどん
過去へ遡り、関係ない話にも繋がり、
そして真相へ。
もしかしたらもっと過去でも何かあったのかも
と思わせる
終わりなき怨念。

なにがあったのだろう、
何故こうなったのだろうと
主人公たちと一緒に
どんどん知りたくなってきます。
過去の記事を見て
「これだ」と驚く瞬間、
謎がその深さをさらに見せる場面が
すごく好きです。

一番怖かったのは
幽霊らしい幽霊が出てくるところではなく、
なんの関係もないはずの「私」の新築の家の
センサーライトが誰もいないのに
ふっとつくシーンでした。
この何気ないシーンが予感させる恐怖…
終わりのなさを感じさせるラストでした。

佐々木蔵之介さんがいい味出してた…