原田マハ先生代表作。

故郷の美術館でひっそりと働く早川織絵にある日

NY近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンの

ある申し出が伝えられた。

織絵の記憶は17年前にさかのぼる。

巨匠ルソーの名作「夢」の真贋をめぐっての

7日間の出来事を…。

 

アンリ・ルソーの絵に隠された

ルソーの人生の愛と驚愕の事実。

ダン・ブラウンとは違い、

静かで抒情的でありながら

美術界における陰謀あり、

そして密やかに生まれそうな恋模様ありと

なんとも贅沢な内容でした。

 

ルソーの恵まれない人生、

芸術への情熱と知られない天才。

その天才を感じ取れたごく数名の称賛者たち。

古書にかくされた謎とともに

マハ先生の書かれるアンリ・ルソーの人物像が

切なく辛く、でも魅力を持って描かれていて、

これが現代の状況に見事につながり

隠されていた謎が解明する。

 

この展開がまあ読ませる。

織絵さんとティム・ブラウンの

野心的でいて巨匠への敬愛に満ちた姿勢が

また好感…。

ホントに面白かったです。

 

是非二人には新たに関係を築いてほしい。

そして「彼女」には穏やかな幸せを。

そう願わずにはいられないラストでした。

 

あー菊地凛子とジェレミー・レナーで

映画化してほしーーー!!

次は海外ドラマ「The KILLING/キリング」

シーズン1 8話「ガレージ」

の感想です。