今年最初の読了本。
りかさん (新潮文庫)
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おばあちゃんにリカちゃん人形が欲しいと頼んだようこ。
届いたのはおばあちゃんの大切にしている
黒髪の市松人形。名前はりかさん。人と心を通わせることができる。
これじゃないと思いながらも、おばあちゃんの言葉のまま
りかさんを大切に扱うと、りかさんは語りかけてくれた…。
そんなりかさんに導かれ、ようこは古い人形たちの物語に触れる。
話しかける市松人形ときたらホラーの定番となってしまいましたが、
このりかさんは優しくて温かい人生の先輩。
いい画像がありましたwwりかさんのイメージぴったり。
ほんのりとほほ笑んでるような穏やか表情です。
りかさんとお食事して、りかさんと語り合い
りかさんにいろいろなことを教わるようこちゃんですが、
ようこちゃんの器の大きさ素直さにも心が安らぎます。
お人形は人の心を吸い取ってくれる。
その心が優しいと人形も優しくなる。
その言葉の通り、古い人形たちの優しい思い出、悲しい別れ、
ひどい扱いを受けた記憶が
人の世界にも影響を与え、
そしてりかさんとともにその思いを受け止めて昇華していく。
よいことも悪いことも世の中にはあって、
その心を人形は見守って、ともに分かち合ってくれる。
そして時にはその強すぎる心が人形をむしばんていく。
優しさも悲しさも、美しさも醜さもすべてを引き受けてくれる。
本当に本当に優しい、癒される小説でした。
小さなころに私のそばにいてくれた大きな人形を思い出しました。
ありがとうと言いたくなりました…。
お人形尊いです…。