【読書】狂乱廿四考 北森鴻著【感想】 | 世界のすみっこで本と人生と祖国好きを叫ぶ
- 狂乱廿四孝 (角川文庫)/角川書店
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幕府が倒れ新政府になって間もない明治3年。
歌舞伎界の名女形・澤村田之助は脱疽により両足を切断、その復帰公演を行っていた。
ところがその公演中に主治医が惨殺。
そして新たな殺人が連続して起こるが、どうやらある幽霊画が関わっていた。
戯作者の河竹信七の弟子、峯は捜査に乗り出すが・・・。
明治初期の歌舞伎界を舞台に、命を懸けて舞台を勤め上げる女形の執念。
同じ殺され方で死んだ二人の謎が、謎かけを顰めた幽霊画によって明かされる。
もしくはその秘密により殺されていく。
結末より過程が面白かったです。
小道具を見てるともっと凄惨に、エゴを全面に出せるような気がしますが、
わりと控えめな印象。表だって悪い人はいないし、
それぞれ確かにエゴによって行動してますが、それほど怖さは感じません。
綺麗に仕上がってますが、少し物足りないです。
探偵役お峯ちゃんも認めてほしいという想いと
どの面下げて一人前だと言うのだと自重する気持ちが葛藤する
普通に聡明な子です。私は好きですがw
ほどほどに楽しめて、ほどほどにドラマチックでした。
歌舞伎の舞台を知っているともっと楽しめただろうな…。