悪意の手記/中村 文則
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死病に侵され、生への希望を絶つことで恐怖から逃れようとした主人公。

しかし彼は病気から生還し、普通の生活に戻ることになる。

絶たれた希望はそのままに。

そして絶望の中で彼は親友を殺してしまう…。


希望でなく悪意を選んだ男の手記です。

絶対にない、とは言い切れない悪意に満ちた冷ややかな心。

殺人者であるという重みを常に持ち続ける毎日。

これが共感、ではないですがどこか引きつけられる文章であらわされています。



ラストにも救いはありません。

でもどこかすっきりとした読後感。


中村先生は「土の中の子供」以来二作目でした。

名前を最初に知ったのは久世番子先生の「暴れん坊本屋さん」。

番子先生の長きにわたる同級生だったそうです。


暴れん坊本屋さん(2) (ウンポコ・エッセイ・コミックス)/久世 番子
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中村先生は2巻登場。


凄い話を書かれる方です。わりかし好きです。