2006年夏 想い立ったように

ケンとふたりでバリ島へ行った



ホテルの屋上には小さなプールと

フランジパニの木がいっぱいあって

香りを風にのせながら 

雨のようにぽつりぽつりと地上へ花が降っていた



ホテルの真ん前は

一面の海が広がっていた



ある夜 夕食の帰りに初めて

そのビーチに入った



誰もいない夜のビーチ



お空に光る いくつもの金平糖が

海に降ってきて 波の音楽に合わせて踊っていた



ケンは そこで私を抱きしめた後

ガムランの鳴る街へと戻って行った



クタの神様がやってくる

皆が踊っている




Cocco「強く儚い者たち」



このPVのCoccoは キレイ



今のCoccoは 健康的でかわいい



Coccoが好き

彼女の歌に勝手に感動して 

泣いて 笑って

助けられる



歌声の力

歌は心を水の様に 穏やかにさせる



薬がそうさせたのか 歌がそうさせたのか

わからないけれど

今 薬を飲んで この歌を聴いて

私の心は穏やかになった



涙にはできても さみしさはぬぐえない 


私がもし死んだら 

薔薇の花でいっぱいの箱の中に 私を埋めてほしい

あなたからもらった お星様の指輪と

ほんのちょっとのあなたの一部と

そして

バレエの衣装もトウシューズも

ウエディングドレスも ティアラも

全部 私と一緒に薔薇の棺に埋めてください



薔薇の花の中には 

お母さんが ピンクのドレスにつけるようにと

つくってくれた 羽つきの薔薇も一緒に入れて下さい





バリでの結婚式の後

白い薔薇のブーケを持って海辺を歩いた



砂浜に立って 金平糖のような海をまっすぐ見ていた



波が寄せてきて 足の周りの砂をさらっていく

私は 足の指を丸めて足輪を作って砂をつかむ

だけど 足輪の中にも 波は流れて

砂をさらって 返って行く



でも 大丈夫

私の元にも また 波は寄せてくる



寄せては返る

どちらも同じ意味の不思議な海の言葉



どうか 愛もあなたも

波のように 寄せて

帰ってきますように・・・



ブーケを持った両手を重ねて祈る

白花の中で いっこの金平糖が甘く光った



大丈夫



遠く後ろには

カメラを構えたあなたが立っていて

わたしを見つめているから



キラキラしたひとつぶの灯火を 

口の中に入れたのなら 振り向いて



さあ 走り出そう!



寄せては返る 波に運ばれて、

私の行き先は 決まっているの



こんなこと 想い出しながら描いた



ある夜

おふとんの中でじゃれ合っていたら

ケンが木になりたいと言った



このまま 時間も止まって ごはんも食べなくて 何にもしなくて

ふたりで抱き合ったまま 大きな木になりたい

そして 何百年も何千年も そのまま生きるの



って



木になったら どこにも行けないし

おいしいものも食べられなくて

写真も撮れなくて 踊る事もできないし

お話することもできない



目も見えないし 音楽も聴けない

ただそこにいるだけで 自由も奪われる

無心で ただ土に根を張って お空にまっすぐ伸びるだけ



それって 死ぬのと同じこと?



私 死ぬのは怖いけれど

ケンと一緒なら 今すぐ木になってもいいかなって想った



ふたりでぎゅっと抱き合った

この 愛おしいぬくもりの瞬間で 木になれるなら

私も 木になりたい



嬉しいと感じないけど 悲しいとも感じなくていい

ぎゅっと抱き合った 愛おしいぬくもりの瞬間のまま

ただ ふたりで無心に お空にまっすぐ伸びるだけ



青いお空の下で 燦々と陽を浴びて

焦げないように 雨がしとしとと降る



夜になると

真っ黒なおふとんでおおわれたような 暗闇の中で

キラキラと輝く光が ふたりの木を照らしたら



手をまっすぐ伸ばして お星さまをいっこつかみたい





それでね 今日これを描きながら想ったの

ふたりでなるのは フランジパニの木がいいなって

だって 香りがよくて 白くて黄色いお花が次から次へと咲く





ぽろり ぽろり とお花を落として

少女がお耳に花をさして 踊る

ケンとレイのかけらで

少女が踊る

レイも踊れるから



フランジパニって 五枚の花びらの白と黄色のお花

お星さまに少し似てない?

甘い星のなる木

バリの夜風に手伝ってもらって 香りも運ぼう

『クワイエットルームにようこそ』0点(100点満点中)


!注意!

映画が良くなかったという文章なので、

読まない方がいい人もいるかもしれません。

ご自分でご判断ください。こちらは一切責任を追いません。







<本文>





ケンが初めて私をデートに誘ったのは

「恋の門」を観に行こうというお誘いだった



この監督:松尾スズキの新作映画

「クワイエットルームにようこそ」を 昨日観た



「恋の門」のイメージを期待して

きっとおもしろい作品に違いないと信じ込んでしまったのが大失敗




今まで観た映画の中で 一番最悪の映画だった



メンタル患者中心の物語だと知っていたら

こんな映画観なかった

途中で気分が悪くなって 薬を持ち歩いていなかった自分を恨んだ 



精神疾患を経験したことのない人には 何て事ない映画だったかもしれない

(でも ケンも気分の悪くなる映画だったと言っていた)



私は 主人公のさくらが自分と重なる部分がかなりあって

その さくらが痛々しくて さくらの行く末は

自分を否定されているような感覚に陥った



クドカン扮するさくらの同棲相手に

私が想いっきり 傷付けられた



感覚に陥ったというのは 監督はそんなつもり毛頭ないと想われるからだ

でも 自分の触れられたくない部分を 

ここぞとばかりに いじくり回されて

吐き気がした



自分の状況がなかったとしたら・・・

なかなか客観的に想像するのは難しいけれど



・蒼井優の演技がよかった

・ごはんを食べられないこが5年も生きていられるはずがない

 でも ごはんを完食したシーンは結構好き





全体的に 結局 何が言いたいのかわからなかった

何で クワイエットルームにようこそなんだか 余計なお世話だ



もしかしたら最後に 

「いい映画だった」って想えるような

何かどんでん返しがあるかもしれないと

吐き気を我慢して 観ていたけれど 

最後まで 最低の映画でした



喜劇と悲劇の狭間の偽善映画だと 正直想ってしまった



救いだったのは ケンが私と同じ価値観で

私が気分悪くなった理由をちゃんとわかってくれたこと

そして この映画を観たいと言い出したケン自身をケンが責めなかったこと



なんとか ケンに支えられておうちに帰って

忘れよう 忘れようとワインを飲んだ

だけど そう簡単には忘れられないよ



だから こうやって体の中にたまった言葉を排泄





映画:「ストロベリーショートケイクス」が、

ワースト1からワースト2にランクアップしました。