昨年の7月
私は甲状腺腫瘍の手術のために
都内の病院に入院していました。
そこは、おしゃれスポットの
ど真ん中にある病院で
窓の外では 明るい日射しの中を
たくさんの人たちが
楽しそうに行き交っている
私はその光景を眩しく眺めながら
来年の今ごろ 私は何をしているだろう
好きなところに行って
好きなことをして
幸せに笑っているのだろうか
なんてことを考えていました。
検査の結果しだいでは
長引く可能性もあったので
かなり気弱になっていたのです。
その後、無事に退院して
家の近くを散歩したり 電車に乗ったり
お気に入りのお店に行って
好きなものを食べられるようになったときは
涙が出るほどの嬉しさでした。
今年は長梅雨のせいか
7月になっても曇り空が多く
何だか気分も沈みがちで
些細なことが気になってしまうこともある
けれど 一年前のことを思い出してみると
当たり前の日常が
当たり前じゃないということ
ムカッとしたり 落ち込んだりできるのも
生きているからこそなのだということ
改めてそのことに気づくと
曇り空も 違う景色に見えてくるのです。