親の心のキャパが、静かに溢れた。


何か大きな出来事があったわけではない。


成績も上がっている。

本人も前向きに取り組み、モチベーションを保っている。


傍から見れば、順調なのだと思う。


それでも、私の心は揺れている。


私はもともと、「子どもには今しかできないことを思い切り楽しんでほしい」と考えてきた。


子どものうちから必要以上のプレッシャーやストレスを背負わせたくない。


そんな思いでここまで子育てをしてきた。


けれど、受験という世界に足を踏み入れると、その価値観だけでは進めない現実がある。


マイペースでいることはこの先も変えるつもりはないがある程度の我慢は避けられない。


そして何より怖いのは、努力と結果が比例する世界ではないということだ。


どれだけ積み重ねても、最後はたった一問で明暗が分かれることがある。


その一問で届かなかったら。


そんな未来を想像してしまう自分がいる。


子どもではなく、私が。


もちろん、そんな不安を本人に見せるわけにはいかない。


だからこそ、自分の中だけで不安を抱え、平静を装う。


これが思っている何十倍も苦しい。


受験をするのは子どもなのに、親にもまた別の受験があるのだと思う。



期待を背負わせないように。

結果に振り回されないように。



本気で向き合い始めたのが受験半年前からの家庭でも

こんなにも心が消耗する。


何年も前からその日のために積み重ねてきたご家庭の心労は、きっと私にはまだ想像しきれない。


私が向き合うべき相手は、自分自身の心なのだと思う。


子どもが安心して挑戦できるように。


親である私が、最後まで穏やかでいられるように。


 

 

 

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