勉強 1時間半
睡眠 9時間
塾の面談があった。
本人はいつも通りだった。
「勉強で困っていることはありません。」
志望校も変わらない。
だから、たくさん質問したのは私の方だった。
まず聞いたのは睡眠時間のこと。
私は、どんなに受験が近づいても九時間は寝てほしいと思っている。
そうすると、平日に勉強できる時間は一、二時間ほど。
「やっぱり少ないでしょうか。」
先生は「睡眠を削りましょう」とは言わなかった。
でも、その一瞬の表情で分かった。
"その時間で、本当にトップ校を目指しますか?"
言葉にならない問いを投げかけられた気がした。
次に併願について相談した。
返事は迷いなく「おすすめしません」。
その学校を目指すための塾なのだから、当然だ。
一つだけに集中した方がいい。
頭ではよく分かっている。
それでも心のどこかで思ってしまった。
先生は合格までを見てくれる。
でも、その先の子どもの人生まで背負ってくれるわけではない。
もしうまくいかなかったとき。
逃げ道のないプレッシャーに耐えられる子ばかりではない。正直に言えば、私も耐えられそうにない。
そして最後に聞いた。
「順調に伸びていますか?」
少しくらい褒めてもらえるだろう。
そんな期待は、見事に外れた。
「まだまだです。」
その一言だった。
悔しい、というよりも、妙に清々しかった。
今までの人生、我が子はありがたいことに褒められることが多かった。
でも、目指す場所が変われば、基準も変わる。
そこには「すごい」が当たり前の子たちが集まっている。
その世界で勝つには、まだ足りない。
現実をまっすぐ教えてもらえた気がした。
面談を終えて帰る道。
不思議なくらい気持ちは晴れていた。
厳しい話をたくさん聞いたのに、私の中でひとつだけ、何も変わらなかったものがある。
健やかな毎日を送ること。
睡眠は削らない。
追い詰めるような勉強もしない。
甘いと言われるかもしれない。
結果が出なければ、「だから言ったのに」と思われるかもしれない。
それでも、ここだけは譲れない。
受験はゴールではなく、人生の通過点だから。
勉強時間は誰かより少ないかもしれない。
だったら、その限られた時間でどう戦うかを考えよう。
それが親の仕事だと思う。
帰宅した息子は、いつもの調子で言った。
「理系はまだまだだけど、文系はいけてる気がする。このまま頑張るだけだね。」
その言葉を聞いて笑ってしまった。
私たち親子は似ている。
打たれても、前を向く。
勿論、先生のアドバイスを受け入れながら。
リスペクトの想いは忘れずに。
取り入れられることは取り入れながら。
それでも
我が家は我が家の戦い方で、
静かに、虎視眈々と狙っていく。
なにより大切なことは
我が子が健やかに生きていてくれることだから。
そう思った面談だった。
\植物性乳酸菌![]()
オススメです
/
