平成27年1月11日に長崎百合野病院の理学療法士、下田真太郎先生をお招きして勉強会を開催しました。
妊婦さんが腰痛に苦しむことは少なくありません。そしてそれは出産前だけでなく、出産後も腰痛に苦しむ方がいます。
私の経験では出産後の腰痛症に悩み、外来に訪れた方を見たことがあります。育児や家事に追われ病院に通う暇がない、治療中子供を見てくれる人がいない等の理由で来なくなるケースが多いように感じます。
下田先生やその仲間たちの活動はそんなお母さんの苦しむ因子を減らす目的があります。そして理学療法はそんなお母さんを助ける治療技術を持っていると啓蒙しているのです。
周囲の産婦人科の先生やスタッフ、助産師さんたちに働きかけ、信頼関係を築いています。結婚して子供が生まれて、社会の中でお母さんがいかに大変な状況にあるのかを知り、この活動がスタートしています。
長崎でこのような活動をしている理学療法士は彼らの他に見当たりません。男女が等しく社会活動するためにはお互いの特殊性を思いやることが大事です。
彼らがこの特殊な事情に目が向いて、なおかつ活動をスタートさせるところに、ヒューマニズムと理学療法士としてのプロフェッショナルを感じます。
今さらながらに、「医は仁術」だなぁと思いました。
実技はとても分かりやすく、客観性に優れた内容で、経験の浅いセラピストにとってボーナスのような勉強会となりました。
基本的な脊柱の動き、姿勢、痛み、筋、筋膜、様々な因子によって起こる腰痛の話しから、妊婦さん特有の問題など、余すことなくお話し頂きました。
評価についても同様でした。彼が勉強会の前に「全て、お話しします。」と言われた通り、予定の時間を大幅に超えてお話し頂きました。
女性の社会進出を後押しする世の中になっているはずの我が国ですが、ソフトの分野ではまだまだ未熟な途上国です。
女性の社会進出を後押しする世の中になっているはずの我が国ですが、ソフトの分野ではまだまだ未熟な途上国です。
出生率の減少は草食系の人が増えたせいだけではないと思います。
働きながら子育てしていける社会を構築する為にも、この分野の発展を願わずにはいられません。
活躍する場が増えて、理学療法士が社会貢献できる職種だと知って欲しいものです。