8月18日、天気 晴れ時々曇り。
別居後、俺は妻が嫌いな辛口カレーを好きなだけ食べられる! この喜びを感じている。穏やかな生活も戻ってきた。
だけど、これをまだ理解していないのが一人いる。妻との破綻した夫婦生活がどうだったのかを。
別居することになる去年、夫婦関係が破綻していく。
結婚前「私、泣き虫だから」とよく言っていた優しそうだった妻は、結婚末期には鋭い目つきで睨みつけ、低い声で威圧してくる。
「どうやら、好きなように自由にやらせ過ぎたのが、いけなかったようだな」
まるで俺のせいで夫婦関係が悪化したようなことを言ってくる。俺の行動をもっと制限していれば良かった。そんなふうにも聞こえる。
「自由にやらせ過ぎた」の言葉を聞いたとき、この女はさらに俺に何をすれば気が済むんだ。殺意に似た危険な視線にそう思った。
これまでも、夜遅くまで色々やって寝不足な俺に朝起きてきた妻が「1枚お皿が洗ってないじゃないか!」と怒鳴ってくることがあった。でも洗うと「音がうるさい!」と文句を言ってきたりする。
テーブルに置いていたコップを意図的に倒して俺のスマホを水浸しにすることがあった。だけど妻はこぼれた水を拭き取ろうとはせず、立ったまま「ざまーみろ。ざまーみろ。ハッハッハ!」と高笑いを始める。
休日には昼食にチャーハンをよく作ってくれた。一方で、平日に作り置きしてある俺の夕飯からは毎回悪臭がして食べられなかった。「だったら食うな!」と、なぜか怒鳴られる。我慢して少し食べるが明らかに身体に悪そう。その夕飯を妻が取り上げるとゴミ箱に投げ捨てられて、夕飯がなくなる。これが繰り返される毎日。
義母が作ったこの夕飯、そのニオイを妻は確認しようとはしない。二人掛かりでの嫌がらせだった。
そして、妻による睡眠妨害の数々、衣食住など俺の基本的な人間の生活を日々侵食してくる。
結婚前「私、泣き虫だから」と言っていたのは嘘だった。だまされた。
結婚末期にも、これら自分で言った文句や暴言をしばらくすると「言った覚えがない」と嘘をつく。
結婚直後でもあった。目覚ましのアラーム音量を最大にしないと起きられないと妻が言う。さらに、それを俺の耳元に置こうとする。「やめて欲しい」と言う俺の言葉は無視されて、朝になると突然静かな耳元で鳴る大音量。飛び上がる俺の上半身。妻はいつもそれを見て爆笑していた。毎朝それを楽しんでいたのだ。
その数カ月後、気象予報会社で働いていた俺は部署の異動があり、朝の天気予報の担当になったことで早く起きるようになると、妻は小さなアラーム音だけで起きてくる。
これも嘘だった。
一緒に暮らしていたから俺にはわかる。これらは本当の意味で妻の悪趣味だったことを。
攻撃的な妻とは対照的に、結婚末期の俺は棒立ちで無意識に独り言をよく言うようになっていた。ブツブツと……
「あのとき、こんなことを言ってきた。このとき、こんな嫌がらせをしてきた。きっとアイツはこうしてくる。あんなことを言ってくる、こうしてくる。子供も帰ってこさせない」……これが続く。
声も出さずに口だけ勝手に動く。それに気がつかない数十分間が、「あっ」と気がつくまで続く。キッチンでも、リビングでも、電車内でも、会社の事務所内でも。頭の中で渦巻く日ごろの不満に思考が覆われて支配されてしまう。
たまに周りの人が少し怖い人がいるような目で俺を見る。自分自身を失いかけていた。ちょっと壊れていたかもしれない。ちょっとノイローゼだったかもしれない。
「口がまた動いているよ〜」と妻が言ってくる。
たぶん、これだって、楽しんでいたのだろ?
これが結婚末期の夫婦。俺と妻はこうなった。
だけど、離婚調停の調停委員の中には、まだこれを理解していないのが一人いる。
妻に偏ることはやめてくれ。騙されているんだ。だったら試してみろ。
可能なら来月の離婚調停までは日数がある。
もし……
そんなに妻に偏るなら、一緒に暮らしてみろよ。あの女(妻)と。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
記事を『本』と同じ文章に差し替えました。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
