参院議院運営委員会は8日の理事会で、10月31日の園遊会で天皇陛下へ手紙を手渡した山本太郎参院議員(38)に対し、山崎正昭参院議長による厳重注意と任期中の皇室行事への出席を禁止する処分を決めた。山本氏は国会内で、10分以上にわたる議長からの“おしかり”を神妙な表情で聞いた。直後の会見で「議長からは参院の品位をおとしめるものだと言われ、私もおっしゃる通りと思った」と反省。1日に「マスコミの皆さんが騒ぐことによって(天皇陛下の)政治利用にされてしまう」と発言したことについても「大人げなかった。みなさんに失礼だった」と謝罪した。議員辞職は、あらためて否定した(11月9日ネット版スポーツ報知引用)。
 
まず、憲法第1条で天皇の地位を「象徴」としており、同第4条1項で「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない」と規定していることから、日本国憲法は、天皇に象徴として行為のみを認め、天皇が国政に対して政治的に関与することを認めていない。したがって、国会議員である山本太郎氏が天皇に国政に対して政治的に関与することを求めるが如き行為は憲法上政治倫理的に問題があると言える。
 
しかしながら、ここで誤解してはならないのは、請願法第3条1項後段が「天皇に対する請願書は、内閣にこれを提出しなければならない」と規定しており、天皇に対する請願の提出そのものは禁止されていないことである。そこで、山本氏が天皇に対する請願を内閣経由で提出しても何ら違法ではない。ただし、山本氏は、園遊会で天皇に対する請願を直接に手渡していることから、請願法違反ではある。
 
もっとも、山本氏が内閣経由で天皇に国政に対して政治的に関与することを求めるが如き内容ではない請願を提出したとしたならば、憲法上政治倫理的にも、請願法上も、問題はないということになるだろう。