執行猶予の要件に関し ては刑法25条に規定 があります。(1)前 に禁錮以上の刑に処せ られたことがない者( 1項1号)、(2)前 に禁錮以上の刑に処せ られたことがあっても 、その執行を終わった 日又はその執行の免除 を得た日から五年以内 に禁錮以上の刑に処せ られたことがない者( 1項2号)、(3)前 に禁錮以上の刑に処せ られたことがあっても その執行を猶予された 者が一年以下の懲役又 は禁錮の言渡しを受け 、情状に特に酌量すべ きものがあるとき(2 項)、に三年以下の懲 役若しくは禁錮又は五 十万円以下の罰金の言 渡しを受けたときは、 執行猶予を付すること ができます。ここで「 前に禁錮以上の刑に処 せられたことがない者 」とは「(執行猶予付 を含む)禁錮以上の刑 の確定判決を受けたこ とのない者」という意 味です(最判昭24年 3月31日刑集三-三 -四〇六)。ただし、 実務上、執行猶予付の 罰金刑というのは滅多 にありません。
また、執行猶予期間を経過すると、刑の言渡しは効力を失うので(刑法27条)、資格制限もなくなります。例えば、弁護士法7条1号は弁護士の欠格事由として「禁錮以上の刑に処せられた者」を挙げていますが、執行猶予期間を経過すると当該事由には該当しないと解されます。ですから、弁護士法7条1号は司法試験の受験欠格事由ではないので、執行猶予期間に司法試験に合格し、執行猶予期間経過後に司法研修所に入所することも可能です(学生運動で公務執行妨害罪で逮捕・起訴され、執行猶予付き有期懲役判決を受け、執行猶予期間経過後に司法研修所に入り、弁護士になった実例もあります。もっとも、司法研修所に入所する際には逮捕歴も書かされますし、入所面談で逮捕理由も詳しく聞かれるそうです)。そして、他の士業に関しても同様の原則があてはまります。