長いブランクを抜け、ついに復活です。

 これからも応援宜しく。

 現在。

 由香里の目の前には幸也が笑っている写真が静かにおかれていた。

 

 彼は江ノ島でのデートの数週間後、車にはねられ、この世を去った。頭を強打。この世のものとは思えないほどの血の海だった。

 葬式でも由香里は涙ひとつ流さなかった。

 何か、覚悟を決めていたような顔だった。


 由香里は写真の中で笑っている幸也を見つめながら呟いた。

 「幸也。あたしも、もうすぐそっちに行く。だから待ってて・・・」


 由香里はいつしか自分一人しかいない江ノ島のエスカレーターを、江ノ島の海を眺めながら上っていた。

 頂上に到着。江ノ島浪漫コースと呼ばれるコースの中にある、幸也と二人で鐘を鳴らした、思い出の恋人の丘を一人眺めていた。

 何も思い残すことが無くなったのか、ためらいも無くエスカーを降りて、今度はハーバープロムナードと呼ばれるコースを満喫。防波堤までたどり着いた。

 防波堤からゆっくり海を見つめていた由香里の表情が一変した。何か海から元気をもらうみたいで、悲しい顔がうれしそうな顔になった。

 そんなときだ。由香里の後ろで声がした。

 「大丈夫?」後ろを振り向いてみた。

 「ああ。彼方はあの時の」由香里はうれしそうな表情を変えずにライフセーバーのほうに近寄った。

 鵠沼智也だった。幸也が事故に遭った時にいち早く救急車を呼んでくれたライフセーバーで、幸也の友人でもあった。

 「あれからどうなの?幸也、いなくなってからさ」

 「どうなのかな・・・。自分でもさっぱり」少し笑いながら呟いた。それからまたこう続けた。「でも、来てくれてよかった」

 「えっ。どうして?」智也が由香里の方を見て聞き返した。

 「あたし・・・。実を言うと、さっきまで自殺しようって思ってたんです」

 「へえ、まあ、でも気持ちは分かるかな」由香里の言葉にはあまり驚いてる様子は無かった。「俺も何度かそんなことあったからさ」

 へえ、と由香里は智也を同じ仲間のように見ていた。

 「あたし・・・、死んだ幸也には悪いけど、智也君、あたしと付き合ってくれない?」

 「えっ・・・」智也は動揺するどころか、顔を真っ赤にさせながら返事をした。

 

 返事は・・・。「幸せにしてあげる」

 そういって由香里を静かに抱きしめた。

 海は絶え間なく波の音を出し続けている。



    第三章 完

 


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第三章、終わりましたね。

 四勝も期待してほしくはないですが、きたいしたければどうぞ~~~。(・∀・)

 「俺と?」

 目を丸くした幸也に向かって、由香里はわかりやすく頷いた。

 「でも、俺の部屋散らかってるぜ。二人で住めるかなぁ・・」

 「片付ければいいだけでしょ。だいたい、あんな広い部屋を一人で使うなんて、もったいなさすぎ~っ」

 無邪気な由香里を見て元気が出たのか、

 「ようし、片付けるか~」

 「そうそう、それでいいの」

 夕日を背に、二人は手をつなぎながら歩いた。

 

 江ノ島由香里。18歳。

 幸也の家に別居中。

 「おっはよ~」

 由香里の大きな声とともに、幸也の目に明るい光が差し込んできた。

 「わっ、まぶしっ」

 そんな幸也を笑いながら由香里は

 「早く、海、行こうよ」

 「わかったわかった、用意するから待っててよ」

 

 江ノ電に乗って、江ノ島に到着。

 水族館を満喫してから、海に行った。

 日差しで暖かくなった海水をはしゃぎながら、泳いだりしていた。

 「ねえ、あれ、上る?」

 幸也が指を指したのは、江ノ島の頂上までいける「江ノ島エスカー」だった。

 エスカーに乗りながら見た景色は最高だったようだ。


 


 あのときの幸せが今もこのエスカーに登ると蘇って来る。

 でも・・・。

 もう彼はいない・・・・。

 

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 意外な展開になりました。

 書いた自分でもびっくりでス。

 「ああ、まあね」幸也が申し訳なさそうに答えた。

 「何でそんなに仲悪いの?」 怒るように聞いてきた由香里に、

 「誰だってそんなことあるじゃんか」と言い返すように答えた。

 「ああ、まあ、それはそうだけど」

 「だろ?だからそこまで心配しなくていいんだよ」

 「そう?わかった」急に明るく答えた。

 しかし、彼にとっては何か違和感があったらしく、彼も思い切って聞いて見ることにした。

 「なんか今日の由香里、変じゃない?」

 「えっ?そうかな」なんとなく何かを我慢している感じだった。幸也がそこを指摘すると、急に何か申し訳なさそうな顔に変わった。

 「ごめん・・・。でもどうしても言いにくくて」

 「何?俺に出来ることだったら何でもしてやるからさなんでも言えよ」

 すると、由香里の顔はもっと暗くなった。

 その重そうにしていた口が数分後、やっと開いた。

 「あたし・・・、家、出ようと思って」

 幸也はやや驚いた顔になりながらも続けて話を聞いた。

 「ほら・・・、あたしの両親死んじゃったでしょ?だから今は代わりに母さんのいとこがあたしの面倒見てくれてるんだけど・・・」

 なんともいえぬ緊迫感に包まれながらも、由香里は話を続けた。

 「あたし・・・家じゃ空気みたいな奴で、ご飯何にも食べさせてもらってないんだ。だから、いっつも幸也の家で食べてるでしょ・・・」

 緊張した表情からまだ言葉が続けて出てきた。

 「それにね、いっつもあたし、殴られてばっかりなの。木刀みたいなのがあって、それでずっと殴られてんの。

だから、あたしの体にはいつもどこかに傷が出来てた」

 衝撃だった。

 自分の最愛の彼女が自分の知らない間にこんな目にあっていたとは、思いも寄らなかった。

 そんな自分の心のどこか奥に彼女を守れなかった無力さと悲しみと悔しさが、一気に湧き出てきた。

 そんなことも知らずに彼女と付き合っていたと思うと、自分が恥ずかしいという気持ちに一気に襲われた。

 「ごめん・・・。俺、守れなくて」

 そう言って由香里を心の底から抱きしめた。

 「ありがと。でもね、ぜんぜん悪くないよ、幸也は」

 「えっ?」

 「それに、家を出て、幸也と一緒に住もっかなって思ってて」

 

 続く

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はい、今日はここまで~~~。

 ではまた来週もよろしくお願いします。

 何かを思いつめた表情で、何も書かれていない黒板をずっと眺めていた。

 彼女の親は数年前に離婚。

 母親の元に行ったが、その数ヵ月後の事故でなくした。

 離婚した父親のほうには、いまだに連絡が取れず、音信普通の状態。

 

 そんな由香里を支えてくれたのが、由香里の彼氏である榎本幸也だった。彼もまた、良心を事故でいっぺんに亡くし、荒れた生活を送っていた。


 「由香里」

 幸也が由香里の名前を呼んだ。その声は静かな教室どころか、外の廊下全体に広まった。

 「待っててくれたの?」

 「当たり前でしょ。さ、帰ろ」

 由香里がそう言うと、幸也も小さく頷いた。

 由香里が帰る準備をしていると、幸也が小声で聞いてきた。

 「ねえ、例の旅行、どこ行く?」

 「それを帰りがけに決めるんでしょ」

 「ああ、そうだったな」

 「もう、しっかりしてよ。あたしの彼氏でしょ」

 そんな会話が続くうちに、先生が教室の前を通りかかった。

 「何してんだ?もう遅いから帰りなさい」低い声で二人に言った。

 はあい、という返事とともに、二人は教室を出た。

 すると、後ろからまた先生が話しかけてきた。

 「幸也もあいつとそれくらい仲良かったらいいのにな」

 由香里がそれを聞くと、すかさず幸也に聞いた。

 「ねえ、またあいつと喧嘩したの?」不機嫌そうな声だった。

 

 続く

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 こちらもよろしくお願いします。

                        第三章


 海は何か懐かしい。

 海を見るとどんな悲しいことでも忘れることができる。

 それはどうしてか。

 生物の全ての素が海にあるからだろうか。

 海が何か神秘的なものに包まれているからだろうか。



 波音にかき消されながらゆれるエスカレーター。

 江ノ島の参道をゆっくりと登っていく。そこに乗っているのはなぜかたった一人。

 この江ノ島と同じ苗字だった。

 

 江ノ島由香里。それが彼女の名前だった。

 家は埼玉だが、旅行で江ノ島まで来ていた。

 これも全てあの人のおかげだということを景色を眺めながら今までの出来事を思っていた。



 三ヶ月前。

 埼玉のある学校。

 ちょうど放課後だったらしく、誰もいなかった。

 その教室に一人誰かが座っていた。

 明らかに茶髪に染めたような髪型で、耳にはピアスで、誰から見ても、明らかにヤンキーという感じだった。

 


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いよいよ突入しました第三章!

 たっぷりかきますんで、応援よろしくお願いします。

 仕事は順調に進んでいった。だが、何かを思い残したように、部長に辞表を出した。
 (俺がやりたかったのは、こんなものじゃない)
 そう思いながら、家に走った。なぜかそのときはやれる気がしたのか、家に数分といなかった。
 ライフセーバーの面接があったためか、智也は面接会場へと足を運んでいった。

 見事、面接は成功した。
 前に一回だけ受けた面接がきいたのか、話すことをすべて話すと、その場で合格をもらった。
 こんなことは今まで無かったらしい。

 翌年、ライフセーバーとして活躍する日が来た。
 江ノ電に乗って、鎌倉まで行った。
 
 その途中のこと。
 智也は鵠沼駅から乗ったのだが、中に入ったそのときから気づいていた。
 勉がいた。
 何かを話しながら、江ノ電のドアは閉まり、ゆっくりと発進していった。


 夢は、見るだけのものではない。
 夢は、叶えられないことを最初に思う。
 夢は、絶対に叶うとはいえない。
 しかし、夢は、絶対に叶う。
 本人が真剣に何かを変えて、夢をかなえようとするのであれば。
 夢は、叶わないこともないのだ。


  ~第二章~
    完結

  ~第三章に続く~


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  いかがでしたか?
 第三章もお楽しみに。
 先週はサーバーダウンのため記事がかけませんでした。
 どうもすみませんでした。

 夢をなくした人たちが立ち直ることは難しい。

 自分の持っていた夢や理想は、必ずどこかで批判され、

 よほどのことがない限り、世間にはまったく通用しない。

 

 夢を無くしたも同然だった。 

 智也はそれからずっと部屋に閉じこもっていた。

 部屋を出るのは食事のときぐらいだった。

 さすがにこれには両親でもどうにもならなかった。


 そんなある日。一人でパソコンをしていた時だった。カーテンは締め切られて、部屋の中は真っ暗。

 パソコンの放つ光だけが異様にまぶしかった。

 携帯が鳴る。

 すぐに智也は電話に出た。

 相手は勉だった。自分の状況を知っていたらしい。

 「先輩。諦めちゃだめですよ。まだ始まったばかりでしょう。いくら就職活動がうまくいかないっつったって、まだ一つ目でしょう。ぐずぐずしてると、どんどん雇ってくれるところ、無くなりますよ。そんなことでいいんですか?」

 その言葉にはっと目を覚ましたみたいに智也は立ち上がった。すぐに部屋を出るなり、どこで働こうかと一生懸命に雇ってくれる所を探した。

 20件ぐらい回っただろうか。やっと就職先が決まったみたいで、飛び上がりながらその店を出た。

 気がつけば東京まで行っていた。

 江ノ電に乗りながら鵠沼まで帰って家に行く。こんななんでもないような出来事が、智也には幸せのように感じられた。


 初仕事の日。背広を着て、東京まで。

 遅刻はせず、会社の上司に教えられながら、仕事は順調に進んでいった。

 

続く

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こういう書き方って意外と難しいですよ。

 翌日。早くも面接の結果が届いた。

 結果は・・・・

 落選だった。

 この不景気だからだろうか、と、智也は思ったが、まったく違った。

 可能性はあったのだが、あまりにも応募者数が多いので、先着順で決まることになったという。

 智也の面接は、割と遅かったらしい。

 

 落ち込むまま、郵便受けから戻った。

 「面接、どうだった?」と母。

 すると、急に智也は笑い出し、笑いながら答えた。

 「落選だったよ。面接受ける時間が遅かったらしくてさ。」

 無理に笑い出す母は、智也に何言えなかった。

 落ち込みながら部屋に戻ると、突然携帯が鳴った。

 ポケットから取り出し、通話ボタンを押して、電話に出た。

 「はい」

 「俺ですよ」

 「ああ、勉か。どうだった?」

 「いや~、昨日はいいアドバイスももらえて、家族からも認められて、最高でしたよ。先輩のほうはどうでした?」

 後輩からの質問に、智也は戸惑った。

 「残念ながら、落ちたよ」

 「そうですか。まあ、そんなに気を落とさないでくださいよ。人生まだまだ始まったばかりですし」

 後輩にそんなことを言われるのが異様に悔しかった。

 電話を切り、ベッドに寝転んだ。

 智也の夢は、悲しさとともに消えてしまった。

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前の章についての質問ですが、あれは(つとむ)と読みます。

では、また。

                           第二章

 夢。それは誰もが持つものであり、それはみんな違う。
 しかし、夢というものはめったに叶う事ではない。
 だからこそ、人はみんな、いつの時代も夢を持つ。
 だがそれが叶わないという事を自分で悟ると、
 人はその夢を捨て、
 またほかの夢を探して持ち、
 新しく持った夢はどんどん現実に近づいていく。
 
 ここにいる一人の青年も同じようなものである。
 鵠沼智也。それが彼の名前だった。

 彼女なし、仕事なし、特技なし、の現役フリーターの21歳。

 8月まで湘南の海の家でバイトをしていたが、1月という寒さの中、海の家があいているはずもない。だから今は仕事がない。

 彼にももちろん夢はあった。

 水泳が得意なことから、ライフガードとして湘南の海岸で働こうと思っていた。

 しかし、冬はどうするんだ、という両親からの「口撃」に出くわし、そこからまったく立ち直れずにいた。

 

 そんな今日この頃。用事があり鵠沼から江ノ電で藤沢に行く途中のこと。用事が終わり、藤沢駅に行く途中のこと。ふと誰かが公園から出て行くのを見掛けた。智也はすぐに後をつけて、追いついたと同時にその人の肩を叩いた。振り返ると、第一章の主人公である、藤沢勉だった。

 「よう、勉。久しぶりだな」

 「何言ってんですか。昨日電話で話したばっかりじゃないですか」

 「まあそうだけどよ。ところでお前、これからどこに行くんだよ」

 「ああ、鎌倉まで行くんです。ちょっと先輩に相談したいことがあって」

 ふうん、と智也がつぶやいたが、勉は続けた。

 「先輩こそ何やってんですか。こんなとこで」

 「うん、ちょっとさ。面接で。」

 「面接。ですか」

 「ああ、ほら、俺さ、泳ぐの得意だろ。だからライフガードになろうと思って」

 「こんな冬にですか?」

 「ああ。温水プールのライフガードさ。ところで、さっきの話だけど、相談って、やっぱり・・・」

 「ええ。例の大学進学ですよ。家族の猛反対にあって」

 「そうか。まあ、落ちて俺みたいになるなよ」

 「あ、それはもうわかってます」後輩である勉に完全に馬鹿にされているようで、悔しくてたまらなかった。もちろん、彼に悪気はないのだが。

 

 続く

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第二章に突入しました。

ここで呼んでいる皆さんに一言。

この小説は、第一章から読むことをお勧めいたします。

どんどんややこしくなりますから。

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↑のブログも宜しくお願いいたします。