再生医療が描く未来 -iPS細胞とES細胞- -4ページ目

iPS細胞、倫理面から課題探る 京大研究所が26日にシンポ

京都大iPS細胞研究所は26日午後1時から、来年にも臨床研究が始まるiPS(人工多能性幹)細胞について倫理面から課題を探るシンポジウム「iPS細胞から考える生命へのまなざし」を京都市左京区の京都大時計台記念館で開く。山中伸弥教授らが講演、研究者と社会の協調を考える。
iPS細胞を用いて目や心臓、神経細胞の機能回復をめざす治療に向けて研究が進んでいる。動物の体内でiPS細胞から臓器を作る研究を政府の調査会が容認する一方で、人のiPS細胞から作った精子と卵子を受精させる研究は認められていないなど、研究をどこまで進めるべきか議論になっている。
シンポは山中教授が「iPS細胞研究の進展と生命倫理」と題して研究最前線を説明。研究所倫理研究部門の八代嘉美准教授や藤田みさお准教授がiPS細胞研究の課題について語り、iPS細胞由来生殖細胞の研究を進める林克彦准教授らとパネル討論する。
八代准教授は「iPS細胞を使った医療が市民に届くようになるには、技術や費用の問題だけでなく、法整備や倫理問題の解決などさまざまな課題がある。研究と社会の協調を図るきっかけにしたい」と話している。無料。同研究所のホームページから申し込む。
(京都新聞)
http://www.kyoto-np.co.jp/education/article/20130708000140

iPS細胞:横浜市大が肝臓のもと作製 マウス体内で機能

さまざまな種類の細胞になりうるヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、肝臓のもととなる「小さな肝臓」を作り、マウスの体内で機能させることに世界で初めて成功したと、横浜市立大の谷口英樹教授(再生医学)の研究チームが発表した。臓器移植に代わる新たな治療法として応用できる可能性があるという。4日付の英科学誌ネイチャー電子版に掲載される。
これまでiPS細胞から肝臓の細胞は作られているが、体内で機能させるには立体構造を作ることが必要だった。
谷口教授らは、ヒトのiPS細胞を肝臓の細胞になる直前の「内胚葉(ないはいよう)細胞」に成長させ、血管を作る細胞や細胞同士をつなぐ細胞と一緒に培養した。その結果、培養皿の中で細胞が自然に5ミリほどの球状に集まり、血管がある小さな肝臓ができたという。
この肝臓をマウスの体内に移植したところ、ヒトの肝臓でしか作られないたんぱく質などがマウスの血液から確認された。さらに、薬剤で肝不全にしたマウスに移植した結果、30日後の生存率は、移植しない場合の約30%から90%以上に高まったという。
今後、大人より必要な細胞が少なくてすむ子どもの肝臓病治療に向けた研究を進め、10年以内に臨床研究を目指すという。谷口教授は「小さな肝臓を大量に作って移植し、体内で成熟させる方法で臨床応用したい。それにはiPS細胞の安全性の評価も必要だ」と話す。
(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20130704k0000m040136000c.html

iPS細胞から人工肝臓 マウス体内で機能 横浜市大
ヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)から直径5ミリ程度のミニ人工肝臓を作り、マウスの体内で機能させることに横浜市立大の谷口英樹教授、武部貴則助手らのグループが成功した。ヒトiPS細胞からヒトの「臓器」ができたのは初めて。再生医療への応用が期待される成果で、4日付英科学誌ネイチャーに発表した。
グループは、iPS細胞から肝臓の細胞のもとになる前駆細胞を作製。これに、血管を作る「血管内皮細胞」と、細胞同士をつなぐ接着剤役の「間葉系細胞」を加えて培養した。すると、48時間程度で3種類の細胞が自然にボール状に集まり、5ミリほどの立体的なミニ人工肝臓ができた。
このミニ肝臓を、顕微鏡で観察しやすいマウスの頭に移植したら、血管が発達して血管網を作り、たんぱく質の合成や薬物の代謝など、肝臓の働きを持っていることを確認した。
次にミニ肝臓を肝不全のマウスのおなかに移植して治療効果を調べたら、無治療だと3割ほどの1カ月生存率が、移植により9割に上がった。
グループは今回の技術を、重い肝臓病の赤ちゃんの治療に応用することを考えている。へその緒の血液(臍帯血(さいたいけつ))からiPS細胞を作り、必要な2種類の細胞も採取。ミニ肝臓を血管に注射し、肝臓に送り込んでその働きを代替させる。ミニ肝臓をさらに小さくする必要があるが、7~10年後の実用化を目指す。
同じ手法は、腎臓や膵臓(すいぞう)にも応用できそうだという。今後の課題は大量培養技術の確立で、iPS細胞が残っているとがん化の恐れがあるため、安全性を確保する手法の開発も必要になる。
これまでiPS細胞を変化させて心筋や神経の細胞が作られたことはあるが、立体構造がある臓器の作製は難しい。文部科学省が2月に発表したロードマップでは、膵島や肝臓など立体器官は5年以内に技術を確立するとしている。
谷口教授は「大きな臓器を作るのはむずかしいが、発想を変えて、小さい均質なものを多数作って移植する方法を考えた」と話す。
横浜市大は、再生医療の実現をめざす研究拠点として、東京医科歯科大、理化学研究所、京都大、東京大とともに2日、科学技術振興機構が選んだ。拠点は、最長10年間に年間1億円程度の支援を受ける。
(朝日新聞)
http://digital.asahi.com/articles/TKY201307030596.html?ref=comkiji_txt_end_kjid_TKY201307030596

ヒトiPSから肝臓作製 横浜市大、動物実験で機能確認
横浜市立大の谷口英樹教授らはあらゆる細胞に成長できるヒトのiPS細胞を使って小さな肝臓を作り、マウスの体内で働くことを確かめた。医療に応用できれば、提供者不足が深刻な現在の肝臓移植に代わる新たな治療法になる可能性がある。子供の肝臓病治療などに役立てる考えで10年以内の実用化を目指す。
研究成果は英科学誌ネイチャー(電子版)に4日掲載される。
研究チームはまずiPS細胞を肝細胞の一歩手前の段階まで育てた。これに血管を作る細胞と、細胞同士をつなぐ働きを持つ細胞を混ぜて培養した。体内で肝臓が成長する環境をまねた。
2、3日後には3種類の細胞が直径5ミリメートルの塊になった。この「肝臓の種」を肝不全のマウスの腹部に複数移植した。肝不全マウスは何もしないと1カ月後は約3割しか生存できないが、移植すると9割が生き残った。たんぱく質の合成や薬の分解など肝臓が本来持つ役割を果たしていた。
iPS細胞を再生医療に役立てる研究は目の網膜や心臓の筋肉などで進んでいる。臨床研究の第1弾として理化学研究所などが2014年夏をめどに始める事業も網膜の難病が対象だ。iPS細胞からシート状の組織を作るのに比べ、肝臓のような立体的な構造を作るのは難しい。今回の技術は腎臓など他の臓器にも応用できるとみている。
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0305I_T00C13A7CR8000/

ヒトiPS細胞で肝臓作製 マウス移植、生存率大幅向上 横浜市大、世界初
ヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って小さな肝臓を作り、肝不全のマウスに移植して生存率を大幅に向上させることに横浜市立大の谷口英樹教授らのチームが成功し、3日付の英科学誌ネイチャーに発表した。ヒトのiPS細胞から機能的な臓器を作製したのは世界初。10年以内の臨床応用を目指しており、肝臓移植を代替する新たな再生医療として実用化が期待される。
iPS細胞から肝臓の細胞はすでに作られていたが、臓器として機能する立体的な構造を作るのは難しかった。
肝臓移植は臓器提供者(ドナー)の不足などの課題を抱えており、この技術を使って治療できれば意義は大きい。大人と比べて細胞が少なくてすむ子供の治療に向けた研究から取り組み、大人の治療にも応用を目指す。
チームはヒトのiPS細胞から、肝細胞に変わる手前の前駆細胞を作った後、細胞同士をつなぐ働きを持つ「間葉系細胞」や血管のもとになる「血管内皮細胞」と一緒に培養。すると数日後、細胞が自然に球状に集まり、直径5ミリほどの肝臓の“種”ができた。
これをマウスの腹部に移植すると、血管がつながって血流も生まれ、タンパク質の合成や薬剤の代謝などの働きを持つ小さな肝臓に成長することが分かった。
この肝臓の種を肝不全マウスに移植したところ、1カ月後でも9割以上が生存。移植しない場合の生存率3割と比べて高いことから、体内で肝臓として機能して治療効果を発揮したとみられる。
患者の治療に使う場合は、均質な種を大量に作って肝臓の血管から注入する方法を想定しており、量産技術やコスト削減、がん化を防ぐための安全性の確立などが課題になる。
(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/science/news/130704/scn13070407100001-n1.htm

「非常に興味深い結果だ」
熊本大の粂昭苑教授(発生生物学)の話「従来はiPS細胞だけを培養し肝臓の細胞を作ろうとしていたが、今回は構造を作る間葉系細胞と血管を作り出す細胞を混ぜれば、細胞が勝手に組織を作るということを示した。3次元の構造も血管もでき、移植したマウスの体ともつながるという非常に興味深い結果だ。肝臓を治すのには大量の細胞が必要なので、安全な細胞をどう準備するか、どんな手順で治療すべきかなどを今後の研究で示していく必要がある」
(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/science/news/130704/scn13070409320004-n1.htm

治療応用に道筋 戦略さまざま研究進む
体を構成するさまざまな細胞を作り出せるiPS細胞だが、作った細胞をばらばらのまま体内に入れても目標の臓器にはほとんど定着せず、臓器移植のような治療効果は望めない。横浜市立大チームが開発した小さな肝臓の作製法は、解決に向け一つの道筋を示した。細胞を大量、安価に作る技術の開発が課題だが、肝臓だけでなく腎臓の作製も「同様の発想でできる可能性がある」(谷口英樹教授)という。
細胞をまとめて移植する方法は各地で研究が進む。iPS細胞を使った初の臨床研究を年内にも始める理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーは、加齢黄斑変性という目の病気を治療するため、網膜の細胞をシート状に成形して移植する戦略を採っている。
理研の笹井芳樹グループディレクターは、胎児期に現れる目のもとの「眼杯」を作るのに成功した。網膜色素変性という病気の治療への応用を目指す。
(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/science/news/130704/scn13070409340005-n1.htm

「iPSで肝臓」臨床研究へ…横浜市大チーム
あらゆる細胞に変化できるiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使い、人間の肝臓を作る研究を進める横浜市立大学の谷口英樹教授らの研究チームが3日、この技術の臨床研究を7~10年後をめどに行う構想を明らかにした。
研究チームは昨年6月、iPS細胞で作った肝細胞などを混ぜて培養する手法で人の肝臓を作製、これをマウスに移植し、正常に働くことを確かめたと学会で発表。この成果をまとめた論文が4日の英科学誌ネイチャー電子版に掲載されるのに合わせて、構想を公表した。
構想によると、臨床研究の対象は、重い肝臓の病気を持つ赤ちゃん。へその緒の血液から、肝臓の培養に必要な細胞を採り、iPS細胞から作った正常な肝細胞と混ぜて、試験管内で小さな肝臓を大量に作る。肝臓が正常に働くことを確認した上で、生後数か月以内の赤ちゃんの体に移植する。
(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20130703-OYT1T01532.htm

ヒトiPSからミニ肝臓=肝不全マウスに移植、生存率向上-横浜市大
ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)や血管のもとの細胞などから小さな肝臓を作り、肝不全のマウスに移植して生存率を大幅に向上させたと、横浜市立大の谷口英樹教授(49)らが3日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
ヒトの万能細胞から十分に機能する臓器が作られたのは世界初。移植外科医で肝臓のドナー(提供者)不足に悩んできた谷口教授は、「肝臓はもともと再生能力が高く、10年以内に患者に応用できると思う。特に劇症肝炎の新生児の命を救える効果が大きい」と話している。
万能細胞は試験管内でさまざまな種類の細胞に変えることができるが、血管網がある立体的な臓器を作ることは難しかった。谷口教授や武部貴則助手(26)らは、胎児の臓器が形成される過程をまねる技術を開発した。
ヒトiPS細胞を肝細胞の前段階まで変えた後、血管を生み出す「血管内皮細胞」や細胞同士をつなぐ「間葉系細胞」と一緒に培養すると、数日で直径5ミリ程度の肝臓ができた。これを肝不全マウスの腹に移植すると、血管がつながって機能するようになり、1カ月後の生存率が大幅に向上した。
試験管内で肝臓をこれ以上大きくするのは難しい。肝機能が低下した患者に応用する場合は、門脈(太い静脈)に質の高いミニ肝臓を多数注入し、肝臓に送り込んで成長させる方法が有力で、コスト削減が課題という。
培養段階で肝細胞に変化しないiPS細胞が交ざっているとがんの原因になるため、安全性を確保する技術開発にも取り組んでいる。マウス実験では移植後2カ月で発がんはみられなかった。
(時事ドットコム)
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%a3%e9%a3%d0%a3%d3%ba%d9%cb%a6&k=201307/2013070400044

世界初、iPSから立体の肝臓 横浜市大チーム
人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使い、マウスの体内で働く小さな肝臓を作ることに成功したとする世界初の成果を、横浜市立大の谷口英樹教授、武部貴則助手らのチームが3日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。今後、子どもの肝臓病治療に向けた研究を進め、10年以内に患者に届けたいとしている。
iPS細胞から肝臓の細胞はできていたが、体内で機能させるために必要な立体的な構造を作るのは難しかった。
チームは、人のiPS細胞から肝臓の細胞になる手前の細胞を作り、細胞同士をつなぐ「間葉系細胞」と、血管のもとになる細胞と混ぜて培養した。
(47NEWS)
http://www.47news.jp/CN/201307/CN2013070301001800.html

iPSから肝臓作製 高い治療効果確認、横浜市大グループが10年以内に臨床応用へ/神奈川
横浜市立大学の谷口英樹教授(再生医学)らの研究グループは3日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から人間と同じ機能を発揮する肝臓の作製に成功し、肝疾患に対し極めて高い治療効果を確認したと発表した。世界初の研究成果で、今後、国が示したiPS細胞実用化へ向けた工程表などを踏まえ、7~10年後の臨床応用を目指す。再生医療技術や新薬の開発研究が大きく前進することになる。
今回の研究成果は、英科学誌ネイチャーに掲載。臓器移植に対するニーズが世界的に高まる一方で、ドナー臓器が絶対的に不足しており、あらゆる細胞に分化できる多能性幹(ES、iPS)細胞を活用した再生医療研究が活発化している。しかし、肝疾患で従来行われていた幹細胞移植の治療効果は限定的だった上、肝臓に成長させるまでに必要な100億個近くの細胞培養は多大なコストがかかるなど、課題が指摘されていた。
こうした状況を踏まえ、研究グループは、iPS細胞から肝細胞ではなく、臓器そのものを作製する方法に発想を転換。胎児の体中で器官形成期に起こる過程を再現する独自の技術を開発し、肝臓の基になる立体的な組織(肝芽)を作り出した。
肝芽をマウスに移植したところ、薬物代謝など人間と同じ機能を持つ肝臓に成長。さらに、肝不全を発症させたマウスを使った移植実験では、移植したマウスの30日後生存率は9割以上に上ったのに対し、移植しなかったマウスは3割にとどまった。谷口教授は「移植した臓器が総合的な肝機能を発揮し、治療効果が発現していることを確認した」としている。
研究グループは今回の研究成果によって、▽臓器移植のドナー臓器としての活用が可能になる▽創薬プロセスの早い段階でヒト臓器を使用することにより、医薬品の開発研究が加速する-といった効果を見込んでいる。今後、乳児の肝疾患を対象にした再生治療の実現を見据え、肝芽の大量培養技術の確立などに取り組む。
(神奈川新聞)
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1307040024/

iPS細胞から肝臓作製、横浜市大チーム
すべての体細胞への分化が可能な人工多能性幹細胞(iPS細胞)から初めて人間の成人の肝臓に似た組織を作製し、研究用マウスに移植したと、横浜市立大大学院医学研究科(Yokohama City University Graduate School of Medicine)のチームが3日付の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表した。提供される臓器の深刻な不足を解消する可能性に期待がかかる。
同大チームは最初にiPS細胞を異なる種類の細胞と一緒に培養し、肝臓の初期段階である5ミリ大の「肝芽」を作製。これをマウスに移植したところ、血管がつながり「機能的なヒト肝臓」に成長したという。
グループは報告で「世界で初めてヒトiPS細胞から血管構造を持つ機能的なヒト臓器を創り出すことに成功した」と述べている。「たんぱく質の合成や薬物の代謝などヒトの肝臓に特徴的な機能」を持っており、肝不全になった人の生存率改善に貢献できるとしている。
同グループの武部貴則(Takanori Takebe)助手は、すい臓や腎臓、肺といった他の臓器にも同様の手法は有効だろうとしながらも、ヒトで試験を行うまでには10年ほどかかるだろうと述べている。
(AFPBB News)
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2954237/11003717

「iPS細胞」からヒトの立体的な臓器の作成に成功 世界初
横浜市立大学などの研究グループは、世界で初めて、ヒトの「iPS細胞」から立体的な臓器をつくることに成功したと発表した。
ヒトのiPS細胞を肝細胞になる前の状態に変化させたものと、血管をつくる細胞、細胞同士をつなぐ細胞の3つをあわせたものを、この状態で72時間培養すると、自律的に肝臓のもととなる組織に変化するのがわかる。
さらに、この肝臓のもととなる組織を、マウスの体内に移植したところ、マウスの血管とつながり、ヒトの肝臓と同じような働きを持つ、小型の肝臓へと成長することがわかった。
iPS細胞から臓器の一部の細胞を作成することは、これまでにも多くの成果が出ているが、立体構造を持ち、血液が流れる臓器の作成は、世界で初めてだという。
横浜市立大学の武部貴則助手は「膵臓(すいぞう)ですとか、そういったほかの臓器への展開というのは、強く期待できると思います」と話した。
肝移植を待つ患者への新たな治療法として期待されており、研究グループは、7年後の臨床試験を目指し、研究を続けることにしている。
(FNNニュース)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00249220.html

iPS細胞からヒトの肝臓作製 横浜市立大が発表
iPS細胞技術を使い、ヒトの肝臓を作ることに成功したと横浜市立大学の研究グループが発表しました。
映像は、iPS細胞で作ったヒトの肝細胞の前段階となる細胞と、赤ちゃんのへその緒などから取った2種類の細胞を一緒にシャーレの中に入れ、72時間培養した様子を早送りで再生したものです。徐々に中央に細胞が集まり、最終的には一つの塊となります。これがヒトの肝臓のもととなる組織です。研究チームがこの組織を肝不全の状態にしたマウスの腹の中に入れたところ、血液の通ったヒトの肝臓になったほか、肝機能も改善したということです。研究チームは今後、安全性などについて研究を進め、10年以内をめどにヒトの治療に応用したいとしています。
(テレ朝news)
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000008168.html

iPS細胞からヒト肝臓作製 横浜市大
横浜市立大学の研究グループがiPS細胞(=人工多能性幹細胞)などから血管構造を持つヒトの肝臓を作り出すことに成功し、その研究成果が3日、イギリスの科学誌「Nature」に掲載された。
横浜市立大学の谷口英樹教授らの研究グループは、ヒトのiPS細胞など3種類の細胞を合わせて培養し、血管を持つ数ミリ程度の肝臓の“もと”を作り出すことに成功したという。さらにそれをマウスの体内に移植したところ、血の流れを伴う「ヒトの肝臓」に成長し、機能することが確認されたという。iPS細胞などから血管のあるヒトの臓器ができたのは世界で初めて。
研究グループは今後、動物での研究を続け、7年から10年以内にはヒトへの臨床研究を開始したいとしている。
(日テレNEWS24)
http://news24.jp/articles/2013/07/04/07231657.html




随分前にISSCRでアクセプト前なのにNatureに投稿していると堂々と発表していて大丈夫かなと思っていたんですが、無事通ったようですね。
おめでとうございます。

再生医療5機関選定 科技振興機構、実用化へ支援

独立行政法人の科学技術振興機構(JST)は2日、事故や病気で失った臓器などの機能を取り戻す再生医療の臨床研究を進めて実用化につなげる拠点に、東京医科歯科大や横浜市立大など5つの研究機関を選んだと発表した。
様々な組織に育つiPS細胞を使い、移植できる臓器の作製やがんの免疫治療の実現を目指す。研究期間は最長10年で、年1億円の助成が受けられる。
京都大と横浜市立大、東京大がiPS細胞を使って臓器の再生を目指す研究を実施する。東京医科歯科大は炎症などで傷ついた腸の粘膜の再生、理化学研究所は病原体から身を守る免疫の働きを使ったがん治療技術の研究に取り組む。
JSTは3月に再生医療用iPS細胞を作製する拠点に京大を選定。今後5年以内で再生医療の実現を目指す拠点に慶応義塾大など他の4機関を選んだ。今回の5機関は、中長期的な研究課題を採択した。
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0204C_S3A700C1CR8000/

iPS実用化を目指す5拠点 横浜市立大、京都大など
科学技術振興機構(JST)は2日、体を構成する多様な細胞に成長させられる人工多能性幹細胞(iPS細胞)などを使った再生医療の実用化を目指す拠点に、横浜市立大や京都大など五つの研究機関を選んだと発表した。
ほかの研究機関は東京医科歯科大、東京大、理化学研究所。最長10年間で年1億円の支援を受ける。
東京大、横浜市立大、京都大がiPS細胞を使った臓器や組織などの再生医療につながる研究を担当。医科歯科大は腸の粘膜の再生、理研ががん免疫治療法の研究開発を実施する。
(47NEWS)
http://www.47news.jp/CN/201307/CN2013070201002088.html

京大、初のiPS臨床へ パーキンソン病で移植

京都大iPS細胞研究所の高橋淳教授は29日、iPS(人工多能性幹)細胞から作った神経細胞をパーキンソン病患者に移植する臨床研究を、2015年度内に実施を目指すことを明らかにした。安全性を高めた手法の計画を来年度にも国に申請する予定で、医療応用への期待がさらに高まりそうだ。
■15年度実施目指す
同日、大阪市内で開かれた日本弁理士会近畿支部主催のiPS細胞に関する講演会で述べた。実施されれば、京大で初のiPS細胞の臨床研究になる。
パーキンソン病は、神経伝達物質ドーパミンを作る神経細胞が減ることで発症する。国内に約14万人の患者がいるが、根本的な治療法はない。
高橋教授のグループの計画は、iPS細胞からドーパミンを作る神経細胞を作製、患者の脳に移植して機能の回復を図る。病気を再現したカニクイザルへの移植実験で症状の改善を確認している。
高橋教授は「臨床研究のためのプロトコル(手順)はほぼ確立、来年度中に(研究所や国への)申請したい」と述べた。安全で効果的な治療には良質のドーパミン神経細胞を選んで移植する必要があるが、「(細胞を)純化する技術はほぼ完成しつつある」とした。
iPS細胞を使った世界初の臨床研究として、理化学研究所(神戸市)が滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性という目の病気への移植治療を計画。厚生労働省の審査委員会で承認され、来年夏にも実施される見込み。
(京都新聞)
http://kyoto-np.co.jp/top/article/20130629000116




iPSでパーキンソン病治療 来年度にも臨床研究申請へ」の続報です。

移植の効果「視力0.1程度」=過剰な期待懸念、将来は向上-iPS臨床

目の難病患者を対象に、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った世界初の臨床研究を目指す理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の高橋政代プロジェクトリーダー(52)が30日までに時事通信のインタビューに応じ、臨床研究では症状が進行した患者から移植を始める考えを示した。iPS細胞を使った再生医療への期待が高まる中、高橋リーダーは「視力は回復しても0.1以下」と冷静に受け止めるよう求めた。
臨床研究は、年を重ねるに従い網膜の色素上皮などに異常な血管が生じ、視力が低下する「滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性」の患者が対象。患者自身の皮膚からiPS細胞を作って色素上皮細胞に変え、傷んだ色素上皮と取り換えて安全性を検証する。7月中に厚生労働省が計画を承認する見通しで、研究チームが患者を選定し、来年夏にも移植を実施する。
高橋リーダーは、最初は症状の進んだ患者を2人ほど選び、安全性が確認されれば、より回復の見込みのある患者への移植も検討すると述べた。
その上で、将来の話として「早期の患者は視力が非常に上がる可能性がある」との見通しを示した。大半は視力0.1以下にとどまるが、「数十人に1人は0.5程度まで回復することも考えられる」と語った。
一方で高橋リーダーは「移植で元通りになると思っている患者が多い」と述べ、過剰な期待を持たないよう求めた。症状が進行した患者に移植した場合、視野が少し広がって明るく見えるようになる効果が期待できる程度だが、患者にとっては非常に意味があるという。
(時事ドットコム)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201306/2013063000102

再生医療、実用化へ一歩 iPS細胞、初の臨床研究
iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った再生医療が、加齢黄斑変性という目の難病から始まることになった。これに続き、パーキンソン病や脊髄(せきずい)損傷などさまざまな病気について臨床応用を目指す研究が進む。病気の仕組みの解明や創薬などへの応用も期待されている。国を挙げた支援の機運も高まるが、実用化に向けた第一歩をようやく踏み出した段階だ。
iPS細胞による初の臨床研究計画に問題はないか審議する厚生労働省の審査委員会は当初、7月下旬に開かれる予定だった。前回(5月)、委員から出された安全面についての質問に対する理化学研究所からの回答が早かったため、前倒ししたという。「応用への期待は大きい。審査は慎重に進めるが、事務的な都合で審議を先送りするわけにはいかない」と厚労省の担当者は話す。
再生医療の国内の市場規模は2030年には1・6兆円に達すると見込まれ、安倍政権が6月に閣議決定した成長戦略には支援策が並んだ。政府はiPS細胞の研究に今後10年間で1100億円を投じる方針だ。
昨年、山中伸弥・京都大教授がノーベル賞を受賞したことで、支援策に弾みがついた。今年4月には「世界に先駆けて」実用化を目指す再生医療推進法が議員立法により全会一致で成立。政府も安全面の具体的なルールの検討を早め、5月に関連法案を提出した。
目の病気のほかにも、臨床研究を目指す研究は進んでいる。高橋淳・京都大教授は、パーキンソン病を対象に、iPS細胞から神経の細胞をつくり、脳に移植する臨床研究を、早ければ来年度にも国に申請する。中内啓光・東京大教授と江藤浩之・京都大教授は血小板を止血剤として使う治験を2015年にも日米で始める計画だ。
■日本初の技術で勝負
文部科学省は今年2月、iPS細胞を使った再生医療の実用化のめどを示したロードマップ(目標時期)を公表した。臨床研究の開始を、重症心不全を対象にする心筋が3~5年▽脊髄損傷を対象にする神経幹細胞が5年以内▽角膜が4年以内――などと明示した。
iPS細胞を、病気の解明や薬の開発に使う研究も進む。井上治久・京都大准教授は、全身の運動神経が衰える筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者のiPS細胞から運動神経の細胞をつくり、薬の候補となる化合物を見つけている。
ただ、再生医療の研究は、欧米の方が蓄積がある。ES細胞(胚〈はい〉性幹細胞)は、既に脊髄損傷や目の病気で臨床試験に使われている。皮膚の細胞シートや軟骨などの再生医療製品についても、米国で9品、欧州で20品、韓国で13品が製品化されたが、日本の承認は2品だけだ。
iPS細胞を使った脊髄損傷の治療に取り組む慶応大の岡野栄之教授は「日本発の技術で世界をリードしたい。細胞の安全性のチェックをどこまでやるかなど、最初の例は非常に参考になる。他の研究者や医療を受ける側のためになるよう、情報を公開して進めて欲しい」と話す。
■腕の皮膚からシート、移植は来年
iPS細胞を使った初の臨床研究の対象となる加齢黄斑変性は網膜の中心部にある「黄斑」で、色素上皮という層に不要な血管が生え、網膜を圧迫して視野がゆがむなどする病気だ。臨床研究では患者のiPS細胞から新しい色素上皮を作り、古いものと交換する。
まず患者の腕から直径4ミリ程度の皮膚を採取。この細胞からiPS細胞を作り、シート状の色素上皮に成長させる。ここまで約10カ月かかるため、手術が行われるのは来年とみられる。傷んだ組織を取り除き、シートを移植する。
移植後には、定期的な検査でがんができていないか調べる。安全性が確認できれば、iPS細胞による次の再生医療につながる。
大幅な視力改善は臨床研究の目的とされていないが、大阪大の西田幸二教授は「ダメージを受けた(光を感じる)視細胞が、ある程度は活性化されるのではという期待はある」と話す。
(朝日新聞)
http://digital.asahi.com/articles/TKY201306260548.html?ref=comkiji_txt_end_kjid_TKY201306260548

iPS細胞 日本発の最新医療を育め
iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使う再生医療が、実用化に向けて動き出した。
理化学研究所などが申請していた臨床研究の計画が、厚生労働省の審査委員会で了承された。「加齢黄斑(おうはん)変性」という目の難病を対象に、来年夏にも世界初となるiPS細胞による治療が始まる見通しだ。
人類にとって「新しい医療」の第一歩である。
iPS細胞を開発した京都大学の山中伸弥教授は「難病に苦しむ多くの患者を救いたい」という思いで臨床医から研究者に転じた。多くの患者が、実用化を待ち望んでいる。その思いを私たちも共有し、日本生まれの医療技術を大きく健全に育てたい。
どんな細胞にもなるiPS細胞は、医療の概念を大転換させる可能性がある。病気や事故で機能を失った臓器や組織を「修理・補強」するのではなく、新しい細胞で「生まれ変わらせる」ことができるからだ。
ただ、iPS細胞の持つ増殖能力は「がん化」の危険と背中合わせでもある。安全性の確立が臨床段階での最大の課題だ。
網膜に障害が生じる加齢黄斑変性が最初の臨床応用の対象になったのは、網膜細胞はがんになりにくく、がん化した場合でも正常な組織との区別が容易で、レーザー治療で対処できるからだ。治療によって症状の劇的改善までは期待できないため、リスクを回避しやすいケースで安全性を確認することが臨床研究の主眼となる。
厚労省の審査委は、iPS細胞の安全性や移植した場合のリスクについて患者に十分説明することなどを実施の条件とした。再生医療を着実に前進させるためには妥当な判断といえる。
iPS細胞による再生医療研究では熾烈(しれつ)な国際競争が展開されている。政府は再生医療を成長分野の一つとして、今後10年間で1100億円を投じる方針を打ち出し、平成42年には1兆円規模の市場創出という目標も掲げる。
一方、臓器移植や生殖医療に応用される場合、iPS細胞は重い倫理的問題をはらむ。他の臓器や組織への応用では、より高い安全性の確立が求められる。
日本経済の再生につなげることは大切だが、実利面の期待ばかりが先行し、倫理や安全面の課題が疎(おろそ)かになってはならない。
(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/science/news/130628/scn13062803070000-n1.htm

iPS臨床研究は患者の安全を最優先に
世界の先陣を切って取り組むことは大事だが、何よりも患者の安全を最優先に臨床研究を進めてほしい。理化学研究所などのチームがiPS細胞を使った世界初の臨床研究を計画し、厚生労働省の審査委員会が承認した。
治療の対象となるのは物がゆがんで見え、失明の恐れがある「加齢黄斑変性」という目の難病だ。国内の患者数は70万人にのぼり、いまは根本的な治療法がない。
理研などの計画では、患者の腕の皮膚から細胞を採り、人のあらゆる組織になるiPS細胞を作る。それをシート状の網膜細胞に育て、傷んだ網膜と入れ替える。今夏にも患者6人を選び、順調なら来年夏にも移植するという。
iPS細胞は山中伸弥京都大教授が6年前、世界で初めて人の細胞から作り、昨年のノーベル生理学・医学賞を受けた。再生医療の切り札として世界の医療機関が臨床応用を計画し、競争は激しい。
日本発の成果を一日でも早く臨床につなげ、難病に悩む患者を救うとともに、新たな医療産業を育てることは重要だ。厚労省が申請を通常より短期間で重点的に審査した姿勢は評価してよい。
一方で、臨床研究は成果を焦らず、安全性に十分配慮する必要がある。iPS細胞を人に移植すると、がんになる恐れが指摘されている。目の細胞はがんになりにくく、もしなっても診断や治療は容易とされる。だが移植した細胞が組織になじんできちんと働くかなど、なお未知の点も残る。
過去の心臓移植のように最初の治療でつまずき、治療法やその手続きに国民が不信を抱けば、再生医療の研究全体が長期間停滞しかねない。研究チームは安全性に少しでも懸念があれば、治療を中止するぐらいの勇気もほしい。
iPS細胞は神経や心臓などの再生でも期待が膨らむ一方、実用化まではまだ年月がかかる。今回の治療でも研究チームは「安全確認が第一で、視力の劇的な回復は期待していない」という。過大な期待を寄せるのではなく、長い目で研究の進展を見守りたい。
将来の再生医療の普及をにらみ、いまから考えておくべきこともある。多くの患者が最新の医療を受けられることは大切だが、高額な医療費が公的な健康保険を圧迫しかねない。再生医療を公的保険の適用対象としてどこまで認めるかや、民間保険の拡充なども課題になる。
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO56771090Z20C13A6EA1000/

iPS細胞の医療応用 創薬・難病解明に期待
▽…様々な細胞に成長する能力があるiPS細胞を患者の病気治療や医薬品の開発に役立てる応用が進む。人の皮膚などから作ったiPS細胞で神経細胞などを作製し、傷ついた部分や臓器に移植して機能の回復を狙う。再生医療と呼ばれ、京都大学はあらかじめiPS細胞を作って保管する「バンク」の構築に取り組む。
▽…創薬にも威力を発揮することが期待される。新薬の候補物質の毒性を調べる際、iPS細胞を使えば短時間で分かる。動物実験で課題となるマウスと人間という生物種の差の問題解消にもつながる。これまではマウスなどで動物実験を繰り返す必要があり、時間がかかった。
▽…ALS(筋萎縮性側索硬化症)など難病の解明にも威力を発揮する。難病の患者から皮膚細胞を採取してiPS細胞を作った後、神経細胞に成長させて正常な人と比較することで発症メカニズムを解明、治療法の開発につなげる。
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXDASGG26049_W3A620C1EA2000/

iPS臨床-理研が先陣、医学・工学駆使して実用化へ
厚生労働省の審査委員会で世界初となるiPS細胞を使った臨床研究が26日承認されたことを受け、2014年夏にもiPS細胞を網膜色素上皮細胞に分化した細胞シートを患者に移植する手術が始まる。理化学研究所の発生・再生科学総合研究センターの高橋政代プロジェクトリーダーらと先端医療振興財団先端医療センターの研究グループが、先陣を切ることになる。
「慎重かつ迅速に審査していただいた。条件については詳細を確認した上で対応したい」。審査申請から約4カ月を経て承認を受けた理研の高橋プロジェクトリーダーはこうコメントした。
山中伸弥京都大学教授がヒトの細胞で初めてiPS細胞の作製を発表したのが2007年。わずか6年で臨床研究が開始される見込みになったことは、驚くべきスピードと言えそうだ。
目の網膜治療に続くとみられているのが、京大iPS細胞研究所でiPS細胞を使ったパーキンソン病の治療に取り組む高橋淳教授。
(日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1020130628aaat.html

iPS細胞の臨床研究を承認、厚労省 世界初
厚生労働省の審査委員会は26日、患者本人の細胞から作った人工多能性幹細胞(iPS細胞)を目の病気、加齢黄斑変性(AMD)の治療に使う臨床研究の実施を世界で初めて承認した。
AMDは加齢と共に起こりやすく、失明に至る危険がある病気で、国内だけで約70万人の患者がいる。現段階では完治は不可能とされる。
承認を受け、理化学研究所(Riken)発生・再生科学総合研究センター(Center for Developmental Biology、CDB)は、来年夏にも臨床研究を開始すると発表した。
対象となるのは50歳以上のAMD患者6人。これらの患者から皮膚細胞を採取し、遺伝子を組み直してiPS細胞を作製。その細胞を網膜細胞に分化させ、約10か月かけてできた網膜色素上皮の細胞シートを患者の目に移植する。
移植後、患者を4年間観察し、拒絶反応やがん化の有無についての検証を行う。
(AFPBB News)
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2953040/10973115




iPS臨床研究を了承 厚労省審査委 来夏にも世界初の移植へ
iPS臨床承認:「過度の期待避けて」研究チームリーダー」の追加情報です。

iPS臨床承認:「過度の期待避けて」研究チームリーダー

人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った初の臨床研究が26日、厚生労働省の審査委員会で承認された。臨床研究を率いる高橋政代・理化学研究所発生・再生科学総合研究センタープロジェクトリーダー(52)は、審査委員会を前に毎日新聞の単独インタビューに応じた。今回の手法による治療が将来実現したとしても「視力0.05とか0.06の方が対象になった場合、ほとんどの人は0.1くらいにしか回復しないだろう。過度の期待は絶対に避けてほしい」と強調。一方で、治療で網膜が正常になれば、視野のゆがみが減り、視野も明るくなるなど、全体としての「見る」機能は改善すると話した。
iPS細胞を使った臨床研究の計画が米国でも進むなど、国際的な競争が激しくなる中、「世界中で誰も、iPS細胞を治療で使うための基準を持っていない。私たちがやっていることや考え方が(世界の)基準作りに反映されルールになっていく。大変さもあるが楽しい」と、「世界初」の意義を語った。また政府が再生医療を強力に推進していることについて「『世界初』でないと、今受けている支援が全部なくなるのではないかという危機感はある」とプレッシャーを認めた上で、「米国は企業主導なのに対し日本は(大学などの)アカデミア主導。ビジネスで突っ走るのではなく、(新しい)治療を作ろうと頑張る日本の姿勢は大事にしたい」と語った。
再生医療の将来については「臨床医として、20年たてば医療は全く変わると実感している。目以外の臓器や組織では安全な細胞を大量に作製しなければならない点でハードルが高いが、30年後には問題が解決され、市場も膨らむだろう」との見通しを示した。
(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20130627k0000m040135000c.html

iPS網膜治療初の臨床へ…厚労委了承
厚生労働省の「ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会」(委員長=永井良三・自治医科大学長)は26日、理化学研究所などが申請していた、目の網膜に異常が生ずる難病「加齢黄斑変性」をiPS細胞(人工多能性幹細胞)で治療する臨床研究の実施を条件付きで了承した。今後は厚労相の正式承認を得た後、iPS細胞から網膜を作製し、患者に移植する治療が来年夏にも始まる。山中伸弥・京都大教授が2007年に人のiPS細胞の開発を発表してから約6年で、世界初の再生医療の実施に向け、大きく前進した。
申請書によると、50歳以上で薬など既存の治療法が効かない滲出しんしゅつ型の加齢黄斑変性の患者6人が対象になる。理研の高橋政代・プロジェクトリーダーらは、8~10か月かけて各患者の皮膚の細胞からiPS細胞を作製し、網膜色素上皮の細胞シートに加工。特殊な注射針を使って患者の目に移植する。4年間経過を観察して、安全性と有効性を確かめる。先端医療センター(神戸市)とともに2月末、厚労省に臨床研究の承認を申請した。
審査委員会は同日を含め計3回開かれた。厚労省の指針に沿って、iPS細胞から作った網膜の細胞が、移植後にがん化しないかなどを重点的に審議した。
理研などによる動物実験の結果などを踏まえ、「十分に時間をかけて審議した。前に進めるのが科学的に妥当と判断した」(永井委員長)として、最新の技術を使って移植に使う細胞シートの安全性の確認を行うことや患者への丁寧な説明などを条件に了承した。
高橋リーダーは「慎重かつ迅速に審査していただいたと考えている。条件については、詳細を確認して対応する」とのコメントを公表した。
iPS細胞を使った臨床研究は、今後、重症心不全やパーキンソン病、角膜障害などの治療が計画されている。
(読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20130627-OYO1T00298.htm?from=top

iPS治療、先陣争い激しく 欧米も実用化急ぐ
iPS細胞を使った初の臨床研究の審査が終わり、2014年夏をメドに人への治療が始まる。同細胞は病気や事故で失った体の機能を取り戻す再生医療の切り札とされ、世界中の研究機関や企業が治療への応用を計画している。不治の病の治療を目指す「究極の移植医療」を巡り、先陣争いが激しさを増してきた。
再生医療は患者の細胞を培養して人工的に増やした後、移植して病気やケガで失われた臓器や組織の機能を修復する。患者の体の細胞から作るiPS細胞は拒絶反応がほとんど起きない。文部科学省の工程表によると、臨床研究はがんになりにくい目の難病から始め、血液の病気、心臓や神経系の難病などと続く。
今回認められたのは目の網膜の移植。このほか角膜の移植も期待を集める。大阪大学の西田幸二教授らは3~4年後を目標に治療を試みる臨床研究を始める。今は死亡した人の角膜を使うが、提供者は不足し、国内で移植を待つ患者は約2600人いるとされる。
事故や病気で角膜が傷んだ患者の血液からiPS細胞を作製。角膜の細胞に育ててシート状にした後、患者の目に貼って視力の回復を目指す。
理化学研究所は別の難病「網膜色素変性症」への応用も計画している。加齢黄斑変性での研究を生かし、5年後の臨床研究開始を目指している。
海外でも目をターゲットに応用が進む。米国立衛生研究所(NIH)はiPS細胞から網膜細胞を作り、目の難病患者を治療する試みを2年以内に始める。
がんになりにくい血液の血小板では、国内外のベンチャー企業が実用化を競っている。米バイオベンチャーのアドバンスト・セル・テクノロジーは今年中にも、iPS細胞から血小板を作って患者に使って実用化を目指す臨床試験(治験)を申請する。血小板が不足して止血できなくなる難病患者に止血剤として使う。メガカリオン(東京・港)も同様の止血剤で15年に治験を始める準備を進めており、18年にも販売する計画だ。
京都大学のiPS細胞の特許を管理するiPSアカデミアジャパン(京都市)によると、英国で赤血球を作って治療する計画があるという。
究極の目標は今は治療法のない病気やケガを治すことだ。慶応義塾大学が先行しており、4年後にも事故などで背中を走る太い神経が傷ついて下半身などが動かなくなる「脊髄損傷」を治療する臨床研究を始める。
脊髄損傷は今の医学では治療できない。国内に約10万人いる患者が待ち望む治療法だ。途切れた神経をつなげられれば、治療への道が開ける。
一方でiPS細胞を使う再生医療を早期に実現するため、国際協力を模索する動きも出てきた。世界で例のない技術で、治療中に様々な問題が出る可能性もある。京大再生医科学研究所は昨年6月、NIH再生医療センターと協定を結んだ。バイオ研究が盛んな米国との共同歩調が必要だとの判断だ。岩田博夫所長は「日本に閉じこもっていても仕方ない」と強調する。
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG2604L_W3A620C1EA2000/

「早く実用化して」 患者もiPS治療心待ち
目の難病「加齢黄斑変性」の治療でiPS細胞を使った初の臨床研究が始まることになり、患者からは早期の実用化と安全性の確立を求める声が上がった。
「気持ちが明るくなった。早く実用化してほしい」。さいたま市の女性会社員(68)は17年前に右目、7年前には左目が加齢黄斑変性になり、物がゆがんで見えたり視野が狭くなったりする。現在は目に治療薬を注射し進行を抑えている状態で「孫の姿がよく見えるようになりたい」と新たな治療法に期待する。
東京都中野区の女性(80)は約20年前に右目が加齢黄斑変性となり、視野の中心付近が黒く見える。「私の年齢ではiPS細胞による治療は難しいかもしれない」としつつも「これからは治療の可能性が広がる。安全性をしっかり確認してほしい」と話した。
国内の推計患者は約70万人。駿河台日本大学病院(東京・千代田)の森隆三郎診療准教授は「iPS細胞を使えば視機能の維持や改善が期待できる」と説明する。ただ「医療現場で使えるようになるには時間がかかる」と指摘。患者には「臨床研究を見守ってほしい」と伝えているという。
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO56678780X20C13A6CR8000/?nbm=DGXNASGG2604L_W3A620C1EA2000

日本発の先進医療、総力戦 研究と臨床が連携
日本発のiPS細胞がいよいよ治療に使われる。日本は先進医療で優れた研究成果を出しても臨床応用への橋渡しに手間取り、新薬開発などで米欧勢に先を越されがちだ。iPS細胞技術は研究と臨床の現場が連携、総力戦で実用化を目指している。理化学研究所の臨床研究は、そうした取り組みが実を結ぶ第1弾となる。
厚生労働省の審査委員会は比較的短期間で理研の臨床研究を実質的に承認した。再生医療や倫理だけでなく遺伝子治療などの専門家も加わり細胞の作り方、集めるデータの種類などに細かく注文を付けた。一方、動物実験のやり直しなどは避け効率を重視した。他の臨床研究計画を審査するモデルケースになる。
「患者さんから毎週のように、すぐにでも治療してほしいと言われる」(理研の高橋政代プロジェクトリーダー)。だが今回の臨床研究は副作用がないか、医療としての安全性を見極めるのが目的だ。高橋プロジェクトリーダーは現状を、わずかしか飛べなかった「ライト兄弟の初飛行」に例える。魔法のような視力の劇的な回復は期待しておらず、慎重に進める。
先端医療を成長産業に位置付ける安倍政権にとってiPS細胞医療への期待は大きい。経済産業省は再生医療関連市場が2012年の260億円から30年に1兆6千億円、50年には3兆8千億円に膨らむと予測する。
しかし最初の治療でつまずくと過去の心臓移植や遺伝子治療のように、長年にわたりブレーキがかかりかねない。そうした事態は避けたいとの思いはiPS細胞の生みの親である京都大学の山中伸弥教授ら研究者、医師、患者に共通する。
山中教授はiPS細胞を使った再生医療の普及に10年単位の時間が必要との見方を示す。日本発の先進医療として着実に育むためにも、今後を長い目で見守りたい。
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG2604W_W3A620C1EA2000/?nbm=DGXNASGG2604L_W3A620C1EA2000

厚労省、iPS細胞臨床を承認-網膜移植は来夏めど
厚生労働省の「ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会」が26日、iPS細胞(万能細胞)を利用した臨床研究の実施計画を条件付きだが初めて承認した。これを受け理化学研究所の研究グループは正式承認を待ち、臨床研究を始める。(1面参照)
臨床研究を計画しているのは理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市中央区)の高橋政代プロジェクトリーダーらのグループ。「滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性」という網膜の病気の患者を対象に、患者由来のiPS細胞から網膜色素上皮細胞シートを作り、移植する臨床研究の実施計画を厚労省に2月に申請していた。同審査会では幹細胞治療や遺伝子治療、生命倫理などの専門家が参加して計画の妥当性を評価していた。
臨床研究開始後、患者の選定や移植細胞の作製には1年程度必要。7月にも国が正式承認したら、患者への移植手術が実施されるのは2014年夏ごろとなる見通し。
(日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1520130627abbg.html?news-t0627

実用化でも日本が世界リード iPS細胞 1兆円市場へ安全性確立が課題
京都大の山中伸弥教授が開発しノーベル賞に輝いたiPS細胞が、いよいよ病気の治療に向けた研究に応用される見通しとなった。基礎研究で先行した日本が実用化でも世界をリードする意義は大きい。正式に承認されれば、夢の再生医療への大きな一歩となる。
山中教授がマウスでiPS細胞を開発したのは平成18年。病気やけがで損傷した組織を復元する再生医療の切り札として注目された。研究は予想以上のペースで進展しており、開発からわずか8年後の来年にも患者への移植が実現する。
文部科学省の工程表によると、iPS細胞の臨床研究は28年度に心不全、29年度には脊髄損傷やパーキンソン病でも始まる見込みだ。国は今後10年間で1千億円を超える予算を投じて後押しする方針で、42年には再生医療で1兆円規模の市場創出を目指している。
ただ、安全性の確立など実用化への課題は多い。今回の加齢黄斑変性は移植後のがん化を回避しやすいまれなケースで、他の病気ではさらに慎重な検討が求められる。患者の皮膚からiPS細胞を作るメカニズムの解明など基礎研究を強化することも重要だ。
再生医療が広く普及するには10年以上かかるとみられ、移植用の細胞を備蓄してコストを下げるなど長期的な視野に立った戦略が欠かせない。日本の優位性を維持して患者の切実な願いに応えていくため、国は人材の育成や規制・指針の見直しなど研究環境の整備を急ぐ必要がある。
(SankeiBiz)
http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/130627/cpc1306270050000-n1.htm

iPS臨床国が承認 網膜再生 世界初、年内にも開始
厚生労働省の審査委員会は二十六日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って目の網膜を再生する世界初の臨床研究を承認した。国での審査は実質的に終了、上部の部会と厚労相の了承を得て、理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらが先端医療センター病院(神戸市)で実施する。対象患者六人の募集が年内にも始まる見込み。 
審査は、移植した細胞が腫瘍になる危険をできるだけ減らす手順を示すことや、移植する細胞の感染検査を工夫することなどを求め、終了した。
永井良三審査委員長は「十分に時間をかけて審議できた」と述べ、議論を尽くしたことを強調した。上部の科学技術部会は七月中旬に予定されている。
対象は滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性という難病。網膜の下部にある色素上皮が、下から生えてきた異常な血管によって傷つき、視界がゆがんだり、視力が急激に落ちたりする。国内では高齢者を中心に推定七十万人の患者がいる。
研究では患者の腕から直径約四ミリの皮膚組織を採取しiPS細胞を作り、色素上皮細胞に育て、シート状に成形、網膜に移植する。主な目的は安全性の確認で腫瘍を作らず定着するかなどを確認する。
(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013062702000116.html

iPS世界初臨床へ 網膜再生神戸で開始 患者6人想定
厚生労働省の審査委員会は26日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って目の網膜を再生する世界初の臨床研究を承認した。国での審査は実質的に終了、上部の部会と厚労相の了承を得て、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市中央区)の高橋政代プロジェクトリーダーらが先端医療センター病院(同)で実施する。対象患者6人の募集が年内にも始まる見込み。
審査は、移植した細胞が腫瘍になる危険をできるだけ減らす手順を示すことや、移植する細胞の感染検査を工夫することなどを求め、終了した。
永井良三審査委員長は「十分に時間をかけて審議できた」と述べ、議論を尽くしたことを強調した。上部の科学技術部会は7月中旬に予定されている。
対象は滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性という難病。網膜の下部にある色素上皮が、下から生えてきた異常な血管によって傷つき、視界がゆがんだり、視力が急激に落ちたりする。国内では高齢者を中心に推定70万人の患者がいる。
研究では、患者の腕から直径約4ミリの皮膚組織を採取してiPS細胞を作り、色素上皮細胞に育て、シート状に成形し網膜に移植する。主な目的は安全性の確認で、腫瘍を作らず定着するかなどを確認する。視力回復の効果を本格的に評価するのは次の段階となる。
参加する患者は、既存の治療法が効かないことなどの条件がある。細胞の安全性が未解明で、移植手術にも失明につながる合併症の危険性が数%あることなどを説明し、同意を得る。シート作製まで10カ月ほどかかるため、移植は早くて来年になる見通しだ。
高橋さんらはラットやサルでデータをそろえ、細胞を扱う理研と、手術を実施する病院のある先端医療センターの倫理委員会に研究計画を提出。承認を受け、2月28日に厚労省に申請、今回は3回目の審議だった。
【人工多能性幹細胞(iPS細胞)】皮膚や血液など、特定の機能を持つ細胞に数種類の遺伝子を導入して、受精卵に近い状態にした細胞。ほぼ無限に増殖させることができ、培養の条件を変えることで心臓や神経など目的の細胞に変化させることができる。病気やけがで機能を失った部分を修復する再生医療や薬の開発への応用が期待されている。心不全や脊髄損傷、パーキンソン病、筋ジストロフィーなどの臨床研究が構想されている。2006~07年に山中伸弥京都大教授が開発、12年にノーベル医学生理学賞を受賞した。
(神戸新聞)
http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201306/0006109548.shtml

iPS臨床研究了承で研究加速
iPS細胞を使って目の網膜の一部を再生し、病気で失われた患者の視力を回復させる臨床研究について厚生労働省の審査委員会は26日夜、計画の内容は妥当だとして実施を了承しました。
世界初となる臨床研究の実施に見通しがついたことで、今後、iPS細胞を実際の患者の治療に生かすさまざまな研究が加速するとみられています。
厚生労働省の審査委員会は、26日夜開いた会合で、「加齢黄斑変性」という重い病気のため傷ついた患者の目の網膜を、iPS細胞を使って再生する臨床研究について、計画の内容は妥当だとして、計画書の一部修正を条件に実施を了承しました。
この研究は神戸の理化学研究所などが申請していたもので今後、厚生労働大臣の了承を得て、来年夏にも、iPS細胞から作った網膜の組織を患者に移植し、視力を回復させる世界初の手術が行われる見通しとなりました。
これを受け、iPS細胞を実際の医療に生かすさまざまな研究が加速するとみられています。
このうち、大阪大学の研究チームは、病気やけがなどで目の角膜に傷がつき、視力の落ちた患者にiPS細胞から作った角膜を移植する臨床研究を今後3年程度で始める計画です。
一方、東京大学医科学研究所と明治大学の研究チームは、iPS細胞を使ってブタの体内で移植用のヒトの臓器を作る研究を進めています。
研究チームでは、iPS細胞と同じような能力を持つ動物の細胞を使い、ブタの体内で人工的にすい臓を作ることに成功していて、iPS細胞を使えば、ヒトの臓器を作ることも可能になるとみています。
東京大学医科学研究所の中内啓光教授は「世界初の臨床研究が了承され突破口が開かれたという思いだ。実用化まで時間はかかるが、患者自身のiPS細胞を使って人工的に臓器を作り、治療を待つ人たちに提供できるようになれば」と話しています。
(NHKニュース)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130627/k10015615871000.html




iPS臨床研究を了承 厚労省審査委 来夏にも世界初の移植へ」の追加情報です。

iPS臨床研究を了承 厚労省審査委 来夏にも世界初の移植へ

理化学研究所などが計画しているiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った「加齢黄斑(おうはん)変性」という目の病気治療の臨床研究について厚生労働省の審査委員会は26日、計画を妥当と認め、条件付きで了承した。国の審議は実質的にこれで終了し、来月にも正式承認される見込み。iPS細胞を使った再生医療の実現に向け、世界初の臨床応用が来年夏にも始まる見通しとなった。
臨床研究は理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の高橋政代プロジェクトリーダーらが計画。審査委は、iPS細胞の作製に使う材料の安全性の明示や、移植の危険性について患者に十分な説明を行うことなど4項目の条件付きで認めた。
7月中旬に厚生科学審議会科学技術部会でさらに審議し、妥当と認められれば、同月下旬にも厚労相が了承意見を出して正式に実施が承認される見込み。
加齢黄斑変性は、光を受け取る目の網膜の中心にある黄斑部が老化により障害を受け、視力が落ちる難病。計画では、日本人に多い「滲出(しんしゅつ)型」というタイプの患者6人を今年度中にも選定。採取した皮膚からiPS細胞を作り、網膜の働きを助ける網膜色素上皮細胞に分化させ、来夏にも移植して安全性などを確認する。研究は経過観察を含め約5年間行う。
理研と先端医療センター(神戸市)は今年2月に計画を申請。審査委は今回が3回目で、当初は7月の開催予定だったが、社会的期待が大きいことなどから前倒しで審議した。
高橋氏は「慎重かつ迅速に審査していただいた。条件については詳細を確認して対応し、厚労省からの最終回答を待ちたい」とのコメントを出した。
(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/science/news/130626/scn13062620070000-n1.htm

患者に大きな一歩 iPS臨床研究の加齢黄斑変性、症状改善へ 安全上の懸念が少なく
理化学研究所などによるiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った加齢黄斑(おうはん)変性の臨床研究が26日、厚生労働省の審査委員会で条件付きで了承された。治療はやや視力が改善する程度で、劇的な効果は期待できないが、現状の治療法では症状の進行を抑えることしかできないため、患者にとっては大きな一歩になる。
加齢黄斑変性は、網膜のうち感度が高い黄斑部の機能が老化により低下する病気で、国内患者数は数十万人に上る。臨床研究の対象となる「滲出(しんしゅつ)型」は異常発生した血管で網膜や網膜色素上皮細胞が傷つき、ものがゆがんで見えたりして進行すると失明する。
計画では患者の上腕部から皮膚を採取してiPS細胞を作製。網膜色素上皮細胞に分化させ、薄いシート状に培養する。病変部の異常な血管や上皮細胞を除去した後、シートを直径2ミリに切り取って網膜の下に注射針で移植する。
初の臨床応用でこの病気が選ばれたのは、安全上の懸念が少ないからだ。iPS細胞は目的の細胞になりきれていない未分化細胞が残っていると、移植後に腫瘍ができる恐れがある。しかし、網膜色素上皮細胞は茶褐色のため他の細胞と区別が容易で、未分化細胞の混入を防げる。万一、腫瘍ができてもレーザー治療で簡単に除去できる。
マウスやサルなどを使った実験で腫瘍はみられなかった。ただ、今後のモデルケースとなるだけに慎重な確認が必要で、移植から1年間は詳細に経過を観察。さらに3年間、追跡調査して安全性を検証する。
(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/science/news/130626/scn13062621560002-n1.htm

iPS細胞、初の臨床研究へ 厚労省審査委が了承
厚生労働省の審査委員会は26日、理化学研究所などが申請していたiPS細胞を使う臨床研究計画を了承した。臨床研究は失明の恐れがある「加齢黄斑変性」という目の難病が対象で、2014年夏をメドにiPS細胞を使った世界初の治療が始まる。京都大学の山中伸弥教授が人のiPS細胞を開発してから6年あまりで、同細胞を使う再生医療が実現に向けて大きく動き出した。
臨床研究は理研の高橋政代プロジェクトリーダーと先端医療振興財団(神戸市)などが計画し、2月に厚労省へ申請していた。
同委員会はiPS細胞の安全性などを確認することを条件に了承した。7月上旬にも審査の結果を厚生科学審議会(厚生労働相の諮問機関)の部会に報告した後、正式に治療が認められることになる。
患者の治療では、既存の薬が効かないなどの条件を満たした50歳以上の6人が対象となる見込み。まず患者自身の皮膚などの細胞からiPS細胞を作製。これをもとに網膜の細胞を作り、病気で傷んだ患者の網膜の一部と入れ替える。
臨床研究は安全性を最優先して確かめる。移植後1年間は1~2カ月に1度の頻度で検査し、その後も3年間は経過を観察する。各地の病院で多くの人が受けられるようになるには、10年ほどかかる見通し。
加齢黄斑変性は国内に70万人の患者がいるとされ、進行を抑える薬がある程度で有効な治療法はない。
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG2601J_W3A620C1000000/

iPS細胞、初の患者治療 14年夏にも
厚生労働省の審査委員会は26日、理化学研究所などが申請していたiPS細胞を使う臨床研究計画を承認した。目の難病になった患者が対象で、2014年夏をメドにiPS細胞を使った初の治療が国内で始まる。京都大学の山中伸弥教授が人のiPS細胞を開発してから6年あまりで、同細胞を使う再生医療が実現に向けて大きく動き出した。
臨床研究は理研の高橋政代プロジェクトリーダーと先端医療振興財団(神戸市)などが計画し、今年2月に厚労省へ申請した。目の網膜の病気で失明の恐れもある「加齢黄斑変性」という難病が対象で、日本人に多い「滲出(しんしゅつ)型」の患者に実施する。物がゆがんで見えたり視野の中心部が暗く見えたりする。国内に70万人の患者がいるとされ、根本的な治療法はない。
同日開いた厚労省の審査委員会は国の指針に基づいて審査し、安全性や倫理面で問題はないと結論づけた。ただしiPS細胞ががんを起こさないことなどを確認するとの条件を付けた。7月中旬に厚生科学審議会(厚生労働相の諮問機関)の科学技術部会で審議に諮って厚労相に答申。理研などが臨床研究を実施する。実質的な審査は今回で終わった。iPS細胞の臨床研究が承認されたのは世界で初めて。
高橋プロジェクトリーダーは「正式な通知を受けていないので詳細は分かりませんが、慎重かつ迅速に審査していただいた。(委員会から出た)条件については詳細を確認した上で対応したい」とのコメントを発表した。
研究は同財団の先端医療センター病院(同市)と神戸市立医療センター中央市民病院が連携して手がけ、8月にも患者の治療に向けた準備を始める。患者の中から50歳以上で既存の薬が効かず、眼鏡などで矯正しても視力0.3未満などの条件を満たした6人を選ぶ。
患者自身の皮膚などの細胞からiPS細胞を作った後、シート状の網膜細胞に育て患者の網膜の傷んだ部分と入れ替える。皮膚細胞からシートを作るには約10カ月かかるため患者の目に移植する治療は来夏になる見込み。治療を受けた患者は視力の大幅な回復は難しいものの、病気の進行は抑えられ、失明は避けられると期待される。
今回の臨床研究は安全性を最優先して進める。移植してから1年間は1~2カ月に1度の頻度で検査し、その後も3年間は経過を観察する。iPS細胞はがん細胞になる可能性が指摘されているが、目はがんになりにくいとされている。万が一、がんになってもすぐに診断できるうえ、治療も比較的容易であることなど患者の安全面を配慮した。
全国の病院で多くの患者が治療を受けられるようになるには、今回の臨床研究が成功するかどうかを慎重に見極める必要があるため、時間がかかる見通し。
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG2601T_W3A620C1MM8000/

iPS細胞:「目の病気」臨床承認 厚労省審査委
厚生労働省のヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会(委員長・永井良三自治医大学長)は26日、理化学研究所などが申請していた、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を目の病気「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)」の治療に使う臨床研究の実施計画を承認した。iPS細胞の臨床応用では世界初の承認となる。早ければ来年夏にも患者へ移植される見通し。
審査委は、移植する細胞の染色体が大きく傷ついていないことなどを確認し、がん化のリスクを可能な限り減らすことを条件に審議を終えた。来月予定される厚生科学審議会科学技術部会と厚労相の了承を経て、正式に実施が認められる。
iPS細胞は、山中伸弥・京都大教授が、体細胞に遺伝子を入れる方法で開発した。2006年にマウスでの作製成功を発表、翌年にはヒトでの作製にも成功し、昨年のノーベル医学生理学賞を受賞した。
臨床研究は、理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の高橋政代プロジェクトリーダーらが計画した。網膜の中心にある「黄斑」が傷ついて視野がゆがんだり暗くなったりし、重症の場合は失明に至る「加齢黄斑変性」の患者が対象。網膜の裏側に余分な血管が生える「滲出型(しんしゅつがた)」の患者のうち、既存の薬が効かず、矯正視力が0.3未満の50歳以上の6人を選ぶ。研究では、治療効果ではなく拒絶反応やがん化など、安全性を調べる。
移植する細胞は、患者自身のiPS細胞から作る。患者の上腕部の皮膚(直径約4ミリ)を採取し、皮膚細胞に遺伝子を組み込み、iPS細胞にする。そのiPS細胞から網膜色素上皮細胞を作り、培養して移植用の網膜色素上皮細胞シート(縦1.3ミリ、横3ミリ)を作る。このシートを患者の黄斑の傷んだ部分に移植する。手術は、同センターに隣接する先端医療センター病院で専用の器具を使って実施する。仮にがんになった場合は、レーザーで焼くなどの方法で除去することにしている。
今年2月28日に理研などが計画を申請した。審議は3回開かれ、iPS細胞を作る際に使う遺伝子などの影響で、移植後に細胞ががん化したり、網膜以外の細胞が交ざる可能性がないかどうかを議論した。
【ことば】齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)
目の奥にある網膜中心部の「黄斑」が年齢とともに異常をきたす病気。視野の真ん中がゆがんだり暗くなったりし、悪化すると失明につながる。日本の患者は推定約70万人。日本人に多いのは、網膜の裏にできる余分な血管からの出血が原因となる「滲出型(しんしゅつがた)」。近年承認された「抗VEGF薬」などが有効だが、症状がよくならない人が2~3割いる。
(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20130627k0000m040073000c.html

iPS臨床承認:患者は期待 医療関係者「冷静に見守る」
人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った初の臨床研究が、厚生労働省の審査委員会で承認された。「夢の医療」の実現へ向けてゴーサインが出たことで、対象疾患の加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)の患者は期待の声を上げた。一方、今回の研究の主な目的は、治療でなく安全性の確認であることなどから、医療関係者は「冷静に見守る必要がある」と指摘する。
「目の不自由な人にとって、希望の光だ」。左目に加齢黄斑変性を患う東京都大田区の無職、東海林(しょうじ)義平さん(77)は歓迎する。3年前に診断され、進行を抑えるために注射を打つなどの治療をしている。普段は太陽がまぶしくて、あまり、出歩けない。「目が不自由だと人生の楽しみの多くが失われる。患者の多くは高齢者。早く一般も利用できる治療法になれば」と願った。
右目が加齢黄斑変性の東京都葛飾区、自営業、吉川優子さん(63)は「承認されたことは大きな喜び」と声を弾ませた。右目では緑色のものが灰色に見えたり、ものの形がゆがんで見えたりする。両目に症状が出たら、と常に不安を抱く。「医学の進歩は早い。左目にも症状が出た場合、治療方法の一つになれば」と話すが、「自分が治療を受けるなら、少し不安」とも漏らした。
住友病院(大阪市北区)の五味文・眼科診療部長によると、臨床研究を受けることができるか、質問する患者がいるなど、iPS細胞に対する患者側の関心は高いという。五味さんは今回の承認を「治療法の選択肢が増えるなら患者と医師にとって非常に助けになる」とした上で、「目の機能がどこまで回復するのか、(今回の手法は)どのような病態に最もふさわしいのかなど、今後、詰めるべきことが多い」と指摘した。
(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20130627k0000m040087000c.html

iPS細胞、世界初の臨床応用へ 目の難病向け、国了承
iPS細胞(人工多能性幹細胞)が世界で初めて、人の病気の治療研究に使われることになった。26日、目の難病・加齢黄斑変性の臨床研究計画についての国の審査が実質的に終わり、来夏にも移植手術が行われる。人での作製発表から6年で、iPS細胞は、再生医療への応用に向けて大きく動き出した。
iPS細胞のような新しい幹細胞技術は人体への影響がわからないことが多く、厚生労働省の指針で国が審査することになっている。理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の高橋政代プロジェクトリーダーらのチームが2月、審査委に申請した。
審査委は、iPS細胞が移植後に異常な振る舞いをしないかなど今回の研究の第一の目的である安全性の確認について集中的に議論した。
(朝日新聞)
http://www.asahi.com/tech_science/update/0626/TKY201306260423.html

再生医療への第一歩、iPS臨床研究に期待-きょう3回目の厚労省審査
理化学研究所などが申請しているiPS細胞(万能細胞)を利用した臨床研究の実施計画について、厚生労働省の審査会が26日に3回目の審議を実施する。同審査会では計画の倫理面や安全性を専門家が審査する。
今回の審査会で計画内容が了承された場合でも、国の審査はその後も続く。しかし、iPS細胞由来の細胞を患者に移植するという世界初の臨床研究の実現に向けた大きな一歩となるだけに、審議の行方が注目されている。計画を審議しているのは、「厚生科学審議会科学技術部会」の作業部会となる「ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会」。
専門家によるここでの審査で「倫理的・科学的に妥当」という判断がなされれば、同審査会は7月にも開かれる科学技術部会に報告。
同部会での了承を経て、厚労相が申請者に回答し、国の正式な承認となる流れ。研究グループは正式な承認を受け、具体的な作業を始める。
(日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1520130626abas.html?news-t0626

iPS臨床を承認、網膜再生 世界初、年内にも開始
厚生労働省の審査委員会は26日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って目の網膜を再生する臨床研究を承認した。がん化の可能性を減らすなどの条件を付けたが、国での審査は実質的に終了した。上部の部会と厚労相の了承を得て、理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらが先端医療センター病院(神戸市)で実施する。患者は6人を想定しており、募集は年内にも始まる見込み。
体のさまざまな細胞に成長させられるiPS細胞を患者に適用する世界初の臨床研究となる見通し。今後の臨床応用を占うものとしても注目される。
対象は滲出型加齢黄斑変性という難病。
(47NEWS)
http://www.47news.jp/CN/201306/CN2013062601002010.html

iPS世界初の臨床へ=来夏にも移植、目の難病研究-審査委が計画了承・厚労省
人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った目の難病患者への臨床研究計画について、厚生労働省の審査委員会は26日、実施を認めた。科学的な審査はこれで実質的に終了した。7月中旬に開かれる厚生科学審議会科学技術部会で了承が得られれば、厚労相が正式に承認し、世界初の臨床研究が始まる。
患者の募集や決定を経て、来夏にもiPS細胞から作った網膜の細胞の移植が行われる見通し。
臨床研究計画を申請したのは、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の高橋政代プロジェクトリーダーらの研究チーム。
研究は、年を取るに従って網膜の色素上皮などに異常な血管が生じて視力が低下する「滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性」の患者6人を対象に行う。患者の皮膚からiPS細胞を作製し、色素上皮細胞に変えた上で移植して、安全性と効果を調べる。
(時事ドットコム)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013062600917

初のiPS臨床研究 国審査委が了承
iPS細胞を使って目の網膜の一部を再生し、病気で失われた患者の視力を回復させる臨床研究について、厚生労働省の審査委員会は、計画の内容に妥当だとして実施を了承しました。
来年夏にも、iPS細胞から作った網膜の組織を患者に移植する世界で初めての手術が行われる見通しになりました。
この臨床研究は、「加齢黄斑変性」という重い目の病気の患者の網膜の一部をiPS細胞を使って再生し、失われた視力を回復させようというもので、神戸市にある理化学研究所などの研究チームが、ことし2月、厚生労働省に実施を申請しました。
厚生労働省の審査委員会は、26日、非公開で3回目の審議を行い、追加で提出を受けた安全性のデータも含め、倫理面や技術面から研究計画の妥当性を検討しました。
その結果、計画の内容は妥当だとして計画書の一部修正を条件に臨床研究の実施を了承しました。
26日で、国による研究計画の実質的な審査は終了し、研究チームは今後、厚生労働大臣の了承を得て、臨床研究に参加する患者を選ぶ作業に入ります。
そして、来年夏にも、神戸市にある先端医療センター病院でiPS細胞から作った目の網膜の組織を「加齢黄斑変性」の患者に移植する世界で初めての手術が行われる見通しです。
ぜひ次のステップに
臨床研究が了承されたことについて、加齢黄斑変性の患者でつくる「加齢黄斑変性友の会」の代表世話人の高橋英夫さんは「やっとスタート台に立ったという印象だ。まだ臨床研究なので、多くの人に届くというゴールまでは遠いが、患者にとっては一筋の明るい光が見えてきた。加齢黄斑変性の患者は、治療が難しいなかで、もっと見たい、見えるようになりたいという思いをずっと抱えて生活している。今回の研究で安全性を確認して、ぜひ次のステップに進んでほしい」と話していました。
大きな一歩だ
今回、了承された臨床研究と同じように、iPS細胞を使った目の病気の治療法を研究している大阪大学の研究者は「再生医療を後押しする大きな一歩だ」と受け止めています。
大阪大学大学院の西田幸二教授の研究グループは、けがや病気で傷ついたり濁ったりした患者の角膜の一部をiPS細胞を使って再生し、視力を回復させようという治療を研究しています。
これまで、こうした患者には角膜移植などが行われていますが、提供者が少なく、また拒絶反応により治療成績が悪いなどの課題がありました。
そこで、患者本人の細胞などから作ったiPS細胞で組織を再生し、移植する治療を計画しています。
西田教授は、目は、ほかの臓器などと比べて状態を観察するのが容易で、予期しない反応が起きた場合でも移植した部分を取り除きやすいことから、iPS細胞を使った治療に適していると言います。
そのうえで、同じ眼科の分野で臨床研究が認められたことについて、「患者が光を取り戻せるよう治療への道が開かれたもので、大きな期待を持っている。ほかの分野を含め、再生医療を後押しする大きな一歩で、医療全体に与える影響は大きい」と評価しています。
そして、研究している治療法については、「3年から4年後をめどに臨床研究を実施したい」と話しています。
成長戦略にも位置づけ
iPS細胞などを使って病気やけがで失われた体の機能を取り戻す再生医療は、今後、世界をリードする産業として期待され、安倍政権も経済の成長戦略の重要な柱と位置づけています。
京都大学の山中伸弥教授がiPS細胞を発見するなど、日本は、再生医療の基礎的な研究では世界でも有数の実績がある一方、治療への応用や医薬品など製品の開発では、欧米に後れを取っていると指摘されています。
このため、国は、iPS細胞を使った研究に対して、10年間で1100億円の支援を行うと表明するとともに、iPS細胞など再生医療の技術を生かした医薬品や医療機器の開発を迅速に進めるため、関連する規制などを見直すことにしています。
さらに、医療技術の開発を後押しするには、司令塔となる組織が必要だとしてアメリカのNIH=国立衛生研究所にならって、「日本版NIH」の実現を目指すとしています。
「慎重かつ迅速に審査していただいた」
厚生労働省の審査委員会が臨床研究の実施を了承したことについて、研究を行う理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーは「慎重かつ迅速に審査していただいたと考えている。
引き続き、慎重な議論をお願いするとともに、厚生労働省からの最終的な回答を待ちたい」というコメントを出しました。
(NHKニュース)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130626/k10015609021000.html

iPS細胞使った網膜再生の臨床研究を条件つきで了承へ 厚労省
厚生労働省は、世界初の「iPS細胞(人工多能性幹細胞)」を使って目の網膜を再生する臨床研究を、条件つきで了承することを決定した。
厚労省の荒木再生医療研究推進室長は「iPS細胞由来の細胞を用いた『加齢黄斑変性』に対する臨床研究につきましては、おおむね承認と」と述べた。
臨床研究の対象になったのは、加齢黄斑変性という目の難病で、年齢を重ねるとともに、目の網膜の一部が変化して視力が低下し、失明に至ることもある病気で、国内におよそ70万人の患者がいるとされている。
理化学研究所などは、iPS細胞を使って、この難病を治療する臨床研究の計画書を、2月、厚労省に提出していた。
厚労省は、3回目となる26日の審査で、条件つきながらも、臨床研究の実施を了承した。
7月にも正式承認され、2014年夏にも、世界初となる臨床実験が始まる見込み。
(FNNニュース)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00248753.html

iPS細胞、世界初の臨床研究へ
世界で初めてとなるiPS細胞(=人工多能性幹細胞)を使った臨床研究が、条件付きでおおむね承認された。
ヒトのiPS細胞から作った目の一部の細胞を人間の目に移植する手術について、厚生労働省の審査委員会は26日、研究目的で行うことを条件付きでおおむね承認した。この手術は、理化学研究所などが申請していたもので、物の大きさなどが識別できなくなる「加齢黄斑変性」という病気の治療を目指している。
理化学研究所などでは、来年にも6人の患者の目にiPS細胞から作った細胞を移植し、安全性を調べることから始める方針。
iPS細胞を使った臨床研究が行われれば世界でも初めてのことで、再生医療の実現に向けた第一歩といえる。
(日テレNEWS24)
http://news24.jp/articles/2013/06/26/07231195.html

「iPS細胞」の臨床を承認 来年夏にも治療開始か
厚生労働省の審査委員会は、「加齢黄斑変性」という目の病気をiPS細胞を使って治療する世界初の臨床研究を承認しました。
今回、承認された臨床研究は加齢黄斑変性という老化によって目の網膜の一部が傷つき、視力が低下していく病気を、患者の皮膚から作ったiPS細胞を使って治療するものです。2月に理化学研究所などが厚労省に審査を申請していました。厚労省の審査委員会はこれまで治療の安全性などについて議論をしてきましたが、26日に行われた3回目の審査で臨床研究の実施計画を妥当と判断しました。これを受けて、理化学研究所は患者を選ぶ作業などに入り、来年夏にもiPS細胞をヒトに使う世界初の治療が始まる見通しです。
(テレ朝news)
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000007798.html

iPS細胞“世界初”の臨床研究へ、国の審査委が承認
iPS細胞は体のさまざまな組織になる「万能細胞」として期待されていますが、今回、このiPS細胞を使った目の難病の治療の臨床研究の実施を厚労省の審査委員会が了承しました。正式決定されると、世界で初めて人への治療に応用されることになります。
「iPS細胞由来の細胞を用いた加齢黄斑変性に対する臨床研究については、おおむね承認」(厚生労働省・再生医療研究推進室 荒木裕人室長)
神戸市の理化学研究所などのチームが計画しているのは、iPS細胞を使った、目の難病、加齢黄斑変性の臨床研究です。この病気は、網膜が傷つき、視力の低下や失明を引き起こすもので、国内に推定70万人の患者がいます。
臨床研究では、患者の皮膚の細胞から作ったiPS細胞で、網膜の細胞シートを作ります。これを病気の網膜の代わりに移植して網膜の再生をはかります。
厚労省の厚生科学審議会・科学技術部会の審査委員会は26日、3回目の審査を行い、研究計画の安全性や倫理面での検討を行った結果、がん化の可能性を減らすなど、計画書の一部修正を条件に、この臨床研究の実施を了承しました。再生医療の専門家は、目が最初の臨床研究となった理由をこう説明します。
「(目の)網膜自身がシートのようなもの。そこに貼り付けるフィットした再生医療。比較的小さい範囲でいけるので、比較的少ない細胞で治療できる」(慶応義塾大学医学部 岡野栄之教授)
委員会の結論を受けて、理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーは「慎重かつ迅速に審査して頂いたと考えております。条件については詳細を確認した上で対応いたします」とのコメントを発表しました。
加齢黄斑変性の患者は、新しい治療方法に期待を寄せています。
「すごく期待している。本当に新しい治療法ができると、やはり希望が見えてきて、これからの治療も大変うれしい」(加齢黄斑変性の患者 斉藤歌子さん)
日本が再生医療をリードするための先駆けとして注目されている今回の研究。専門家は再生医療全体へ大きな意義があるといいます。
「人類で最初の例。どこまでやればいいか予想がつかない。iPS細胞を使った再生医療の大きなロールモデルとして、どこまで安全性など確認すれば次に進めるか、大きな手がかり、道しるべになる」(慶応義塾大学医学部 岡野栄之教授)
26日の結論は、7月中旬に開かれる科学技術部会で正式決定される見通しで、早ければ来年6月にも、iPS細胞から作った目の網膜を移植する手術が行われることになります。
(TBS News i)
http://news.tbs.co.jp/20130626/newseye/tbs_newseye5368220.html




網膜再生のiPS臨床承認先送り 厚労省審査委員会
iPS臨床研究、26日審議 世界初狙いペース加速」の続報です。

段階を踏んで着実に進めていかれると思いますので冷静に推移を見守っていきましょう。

iPS作製、初期化の逆戻りが壁に 京大・山中教授ら発表

iPS(人工多能性幹)細胞の効率的な作製のためには、初期化を逆戻りさせるメカニズムを排除することが重要なことを、京都大iPS細胞研究所の山中伸弥教授や高橋和利講師、田邊剛士研究員らが突き止め、米国科学アカデミー紀要で25日発表する。
iPS細胞の作製効率は非常に低く、山中教授が最初に見つけた四つの遺伝子(山中4因子)を導入する手法では0・2%にとどまる。山中教授らは遺伝子Lin28など2因子を加えた手法を確立、この6因子が初期化でどのように働くのか調べた。
山中4因子を人の皮膚細胞に入れて、初期化の指標となる遺伝子TRA1―60が働いているかどうかを見ると、約1週間後に約20%で発現し、初期化が始まったが、うち75%は元の皮膚細胞に逆戻りした。
一方、4因子にLin28を加えると、逆戻りするのは50%以下だった。
高橋講師は「体細胞に逆戻りするメカニズムを突き止めたい。Lin28以外にも逆戻りを抑える因子があるのではないか」と話している。
(京都新聞)
http://kyoto-np.co.jp/top/article/20130625000013

iPS細胞作製、細胞逆戻りが妨げに 山中教授ら発表
京都大の山中伸弥教授らは25日、人の皮膚の細胞などがiPS細胞に育つのを妨げているしくみの一端を解明したと発表した。細胞が変化する途中で75%以上の細胞が元の状態に逆戻りし、iPS細胞になれないという。iPS細胞の作製効率は0.2%程度と極めて低く、医療応用に向けて大幅に改善する手がかりになるとみている。
高橋和利講師らによる成果で、研究成果は米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載される。
研究グループは、皮膚細胞などがiPS細胞になり始めると「TRA―1―60」というたんぱく質が発生することを見つけた。このたんぱく質を目印としてiPS細胞の変化を観察した。
iPS細胞を作るのに必要な4つの遺伝子を導入すると、12~24%の細胞でiPS細胞になるための初期化という変化が始まっていた。しかし、その後75%以上の細胞は初期化の途中で元の細胞に逆戻りしてしまうことがわかった。
この逆戻りを「LIN28」という遺伝子が抑えることも明らかになった。iPS細胞への変化が続くので作製効率の向上が期待できるという。この遺伝子は海外の研究グループがiPS細胞の作製に使っているという。
皮膚細胞などからiPS細胞ができるしくみの詳細はまだ分かっていない。今回の研究では、iPS細胞への変化は起きていることから、化学物質や遺伝子で成長を促せば、大量のiPS細胞を効率よく作れる可能性がある。
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2505E_V20C13A6CR8000/

ヒトiPS細胞の作製阻害、初期化逆戻りが要因-京大
京都大学iPS細胞研究所の田辺剛士研究員らの研究グループは、ヒトiPS細胞の作製を阻害している要因が初期化の段階に逆戻りすることにあることを突きとめた。iPS細胞の作製効率の改善につながると期待される。
山中伸弥京大教授が開発したiPS細胞は「山中因子」と呼ばれる初期化4遺伝子を発現させて作る。研究グループは初期化段階の細胞で「TRA―1―60」という表面抗原の遺伝子が特異的に発現することを見いだした。これを指標に初期化の効率を調べたところ、細胞の初期化は遺伝子が導入された多くの細胞で始まっていたという。
ただ、初期化が完了した後、iPS細胞になる確率は約0・2%とわずかなことから、初期化以降の過程が障壁になっていると推測。そこでTRA―1―60の細胞を解析したところ、75%以上の細胞が初期化する前の状態に“逆戻り”してiPS細胞にはならないことが分かったという。
(日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1020130626eaaj.html?news-t0626

iPS作製、非効率の主因解明=細胞の75%超逆戻り-防ぐ遺伝子判明・山中教授ら
ヒトの細胞に遺伝子を入れて人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作る際、効率が極めて低いのはiPS細胞への変化が始まらないからではなく、途中で逆戻りする細胞が非常に多いことが主な原因と分かった。京都大の山中伸弥教授や高橋和利講師らが25日発表した。論文は米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。
変化が始まった細胞のうち、逆戻りする割合は75%以上もあった。この逆戻りを防いで作製効率を上げる遺伝子が「LIN28」であることも判明。この遺伝子は2007年、山中教授らと同時にヒトiPS細胞を作ったと発表したジュームズ・トムソン米ウィスコンシン大教授らが作製に使った遺伝子だった。
トムソン教授は1998年、ヒト受精卵から胚性幹細胞(ES細胞)を初めて作ったことで知られる。LIN28はES細胞で特に働いているが、詳しい働きは解明されていない。
iPS細胞を再生医療や輸血用の血液生産などに応用する上で、作製効率の向上が重要な課題になっている。山中教授らは「iPS細胞への成熟過程を促進させる遺伝子や化合物の探索で、さらなる効率の改善が期待される」と説明している。
(時事ドットコム)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201306/2013062501023




田邊さんお疲れ様です!

論文はこちら。

PNAS 2013 ; published ahead of print June 28, 2013, doi:10.1073/pnas.1310291110
Maturation, not initiation, is the major roadblock during reprogramming toward pluripotency from human fibroblasts
Koji Tanabe, Michiko Nakamura, Megumi Narita, Kazutoshi Takahashi, and Shinya Yamanaka
http://www.pnas.org/content/early/2013/06/27/1310291110.abstract

Pluripotency can be induced in somatic cells by forced expression of POU domain, class 5, transcription factor 1 (OCT3/4), sex determining region Y-box 2 (SOX2), Kruppel-like factor 4 (KLF4), myelocytomatosis oncogene (c-MYC) (OSKM). However, factor-mediated direct reprogramming is generally regarded as an inefficient and stochastic event. Contrary to this notion, we herein demonstrate that most human adult dermal fibroblasts initiated the reprogramming process on receiving the OSKM transgenes. Within 7 d, ∼20% of these transduced cells became positive for the TRA-1-60 antigen, one of the most specific markers of human pluripotent stem cells. However, only a small portion (∼1%) of these nascent reprogrammed cells resulted in colonies of induced pluripotent stem cells after replating. We found that many of the TRA-1-60–positive cells turned back to be negative again during the subsequent culture. Among the factors that have previously been reported to enhance direct reprogramming, LIN28, but not Nanog homeobox (NANOG), Cyclin D1, or p53 shRNA, significantly inhibited the reversion of reprogramming. These data demonstrate that maturation, and not initiation, is the limiting step during the direct reprogramming of human fibroblasts toward pluripotency and that each proreprogramming factor has a different mode of action.

iPS臨床研究、26日審議 世界初狙いペース加速

厚生労働省は20日までに、理化学研究所などのチームが計画している人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った網膜再生の臨床研究が妥当かどうかを審議する審査委員会を26日午後に開くことを決めた。妥当性が認められれば国での審議は実質的に終了。上部の部会での議論を経て厚労相の了承意見が出されれば、理研と先端医療センターのチームは研究を開始できる。
審議は3回目。審査委は通常2カ月に1回程度の頻度で開かれるが、今回は5月27日の2回目からほぼ1カ月での開催。厚労省は世界初のiPS臨床研究となることが期待されている事情を踏まえ、審議ペースを速めることにしたという。
(47NEWS)
http://www.47news.jp/CN/201306/CN2013062001001523.html




網膜再生のiPS臨床承認先送り 厚労省審査委員会」の続報です。

動物体内で人の臓器 集合胚の子宮移植を容認 政府の倫理専門調査会

政府の総合科学技術会議の生命倫理専門調査会は18日、動物の受精卵(胚)に人の細胞を混ぜた「動物性集合胚」を動物の子宮に移植し、動物の体内で人の臓器を作る研究を大筋で容認した。今夏にも見解にまとめる。使う人の細胞は、さまざまな組織になる人工多能性幹細胞(iPS細胞)などが想定される。失われた体の機能を回復させる再生医療には立体的な臓器を作る技術も必要とされ、動物の体を借りる方法はその一つになり得るとして研究が進むが、倫理的な課題もある。
クローン技術規制法と文部科学省の指針では現在、動物と人の要素を併せ持ち、両者の境界を揺るがすような個体の誕生を防ぐため、動物性集合胚の作製と体外での短期間の利用しか認めていない。見解では、動物性集合胚が、病気の仕組みの解明や新薬開発、幹細胞の性質を調べるなど幅広く役立つ可能性があるとして、研究目的を拡大する方向だ。
(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/science/news/130619/scn13061900130000-n1.htm

動物体内でヒト臓器、研究容認へ 移植用、倫理面で課題
ブタなどの体内で人間の膵臓(すいぞう)や肝臓を作る実験が動き出す――。動物を利用して人間の移植用臓器を作るための基礎研究を認める方針を18日、国が示した。iPS細胞(人工多能性幹細胞)などの技術を活用したものだが、人間と動物の両方の細胞を持った新たな動物を生み出すことにつながり、双方の境界をあいまいにさせるなど、人間の尊厳に関わる問題もはらむ。
対象になったのは、人間と動物の両方の細胞を持った「動物性集合胚(はい)」を作る研究。
例えば、ブタの膵臓ができないようにした受精卵を、胚に育て、人間のiPS細胞を入れて動物性集合胚を作る。これをブタの子宮に戻すと、人間の膵臓を持つ子ブタが生まれる可能性がある。ブタの臓器は人間とほぼ同じサイズで、人間の移植用臓器になりうる。
(朝日新聞)
http://apital.asahi.com/article/news/2013061900002.html

動物の体内で人の臓器作り容認 集合胚の子宮を移植
政府の総合科学技術会議の生命倫理専門調査会は18日、動物の受精卵(胚)に人の細胞を混ぜた「動物性集合胚」を動物の子宮に移植して、動物の体の中で人の臓器を作る研究を大筋で容認した。
混ぜる人の細胞には、さまざまな組織になる人工多能性幹細胞(iPS細胞)などを使う。体の失った機能を回復させる再生医療では立体的な臓器を作る技術も必要とされ、動物の体を借りる方法は、その一つになり得るとして研究が進んでいるが、倫理的な課題も多い。
調査会は今夏にも容認方針を見解としてまとめる。
(47NEWS)
http://www.47news.jp/CN/201306/CN2013061801002589.html

動物体内で人の臓器 政府の倫理専門調査会、集合胚の子宮移植を容認
政府の総合科学技術会議の生命倫理専門調査会は18日、動物の受精卵(胚)に人の細胞を混ぜた「動物性集合胚」を動物の子宮に移植し、動物の体内で人の臓器を作る研究を大筋で容認した。今夏にも見解にまとめる。
使う人の細胞は、さまざまな組織になる人工多能性幹細胞(iPS細胞)などが想定される。失われた体の機能を回復させる再生医療には立体的な臓器を作る技術も必要とされ、動物の体を借りる方法はその一つになり得るとして研究が進むが、倫理的な課題もある。
クローン技術規制法と文部科学省の指針では現在、動物と人の要素を併せ持ち、 両者の境界 を揺るがすような個体の誕生を防ぐため、動物性集合胚の作製と体外での短期間の利用しか認めていない。目的も臓器作製に関する基礎研究に限られている。
見解では、動物性集合胚が、病気の仕組みの解明や新薬開発、幹細胞の性質を調べるなど幅広く役立つ可能性があるとして、研究目的を拡大する方向。
ただ、子宮への移植には、人らしさの重要な要素となる脳神経、生殖にかかわる精子や卵子を動物に作らせないことを条件にするといった一定の制約を課す見通し。詳細な条件は今後、文科省で始まる指針改正に向けた議論の中で検討される。
動物を使った臓器作製に向けては、東京大チームが3年前、遺伝子操作で 膵臓 (すいぞう) を作れなくしたマウスの胚に種の違うラットのiPS細胞を注入して別のマウスに移植、ラットの膵臓を持つマウスを誕生させている。
この方法を発展させ、ブタの体内で人の膵臓など移植用の臓器が作れれば有用な医療技術になる可能性があることから、調査会は規制をどう緩めるべきか議論してきた。
(47NEWS)
http://www.47news.jp/47topics/e/242565.php




体内に腎臓や膵臓を再生 立体臓器づくりに道
iPS細胞で腎臓作製 東大が技術開発
iPS細胞使って血液できた マウス体内で幹細胞作製
文科省、ヒトiPS細胞の動物移植を承認 東大が実施へ
マウス体内でラットの膵臓=iPS細胞利用し作製-再生医療へ応用期待・東大
多能性幹細胞の異種間胚盤胞インジェクションによるマウス中でのラット膵臓の作製
ブタ体内でヒトの膵臓作成 東大などiPS細胞で研究
ブタ:体内で完全な膵臓を再生することに成功 東大と明大
iPS細胞:臓器作成など利用の倫理的問題点 議論本格化
膵臓再生、ブタ同士で成功=「体内でヒト臓器」へ前進期待―東大と明大」の続報です。


夢がある大変おもしろい研究なのですが、一般の方が感じる違和感、倫理問題をいかに解決するかが最終的には一番大きな問題になりそうですね。。