学びと成長について  ⑤人たらしという上級者 | LEDサインメーカーの域を超えろ!快適創造プロデューサー高倉博のブログ

学びと成長について  ⑤人たらしという上級者

学びと成長についての連載最終回は、

学ぶ姿勢もここまで極めればたいしたもの、というテーマで書きます。

 

 

 

稲盛和夫さんの盛和塾には僕も参加させていただき、

稲盛さんのお人柄とお話にじかに触れさせていただいていました。

教えていただいたことを挙げていったら、

このブログだけでは到底文字数が足りませんからきょうは一つだけ。

 

 

 

稲盛さんは僕たちに「人たらしたれ」とおっしゃいました。

「人たらし」。

「人」の部分が「女」とか「男」とかいう「たらし」とは違いますよ。

 

 

 

いや、違わないのかな、考えようによってはもっとタチが悪いのかも知れない。

「男たらし」や「女たらし」は近づかなければ済みますが、

「人たらし」には会ったとたんに惹き込まれてしまいますから。

惹き込まれたらさいご、もう逃げることはできません。

 

 

 

そんなことをいう僕自身、かなり「人たらし」の自覚があります。

たとえば先日、ある上場企業の経営者の方の講演を聴く機会がありました。

前にも書いたように、僕は例によって自分の課題を携えて参加したので、

アンテナにびんびんくるものを感じました。

 

 

 

講演後の懇親会では、僕はしっかりその方の隣に座りました。

こういうときに少しも遠慮せずにぐいぐいいくのが「人たらし」です。

そして自分の課題にスイッチを入れた状態で

 

「きょうのお話は僕のやりたいことに取り入れられると思うのですが、

   具体的にはこういうことですか」

 

というような質問をしました。

 

 

その方は

 

「そんなに深いところまで聞いてくださったんですね、ありがたいですねえ」

 

と喜んでくださり、

 

「そうなんですよ、あれは具体的にはこういうことですよ」

 

と答えてくださいました。

 

 

 

そこから話がはずみ、2時間の懇親会のあいだ、

僕が30分か40分その方の隣にいるという状況でした。

「また会っていただけませんか」と連絡先を伺って、先週またお会いしてきました。

凄腕でしょう。

これが「人たらし」の実力です。

 

 

 

人は誰かに話を聞いてもらいたいものです。

そして理解もして欲しい。

理解したらそれをフィードバックして欲しいし、

あなたの話が役に立ったと感謝してもらいたい。

これは、有名な人や業界のカリスマといわれるような人物でも変わりません。

 

 

 

そして、頂点に立てば立つほど、自分がいったことを言葉通りに理解されることや、

いきいきしたフィードバックをもらえることが減っていきます。

つまり、メジャーな人ほど孤独になってしまう。

「人たらし」はここにもつけ入ります。

普通の人が「え、なぜそんな人と知り合えたの」と驚くような人とも、

かるがると縁を結んでいくのです。

 

 

 

 

テレビのバラエティ番組などで、初心者のタレントが一流の先生について

あっという間にその芸を身につけるようなのをよく見ますよね。

あれはタレントの集中力や度胸もさることながら、

先生が一流であるということが第一条件なのです。

だから「人たらし」が狙うのも、つねに一流の人物。

 

 

 

もっとうまく話せるようになってから、この世界に慣れてから、

認めてもらえるような結果を出してから、と先送りにしていると大事なチャンスを逃します。

いつだって「いまの自分」しかいないのです。

いまの自分のすべてで体当たりして「たらし」ましょう。

ただし、礼儀と尊敬と感謝、そして素直な心は忘れないように。

 

 

 

一流の方々は素直さにとても敏感です。

素直さは、人が経験とひきかえにもっとも失いやすいものですから。

学び、経験を積んで、成長しても素直でありつづける「人たらし」。

僕の理想像でもあります。

 

 

 

5回にわたって、高倉博サマーレクチャーとかっこつけたい

「学びと成長について」の連載をお送りしました。

キイワードとしては、

 

学び、気づき、実践、報告、師匠、イエスマン、一歳児、人たらし。

 

折に触れて復習して、ぜひとも、自分のものとしてください。