数字にこだわる
僕と数字との関係についてきょうは書こうと思います。
といっても算数や数学の話ではありませんよ。
学校を出てアパレル関係の会社に就職し、営業職として働いていた時代には、
当然ノルマを課せられて、日々数字を追いかけていました。
1998年、28歳で創業してからは、経営者として数字に追いかけられるようになりました。
看板用LEDを扱う看板業者として再創業して滑り出しはよかったのですが、
よすぎて足を取られ、黒字倒産という言葉にうなされました。
社員にとっての数字と経営者にとっての数字はまったく意味が違います。
経営者を苦しめてくるのも数字、喜ばせてくれるのも数字。
会社のために欲しいのが数字、社員のためにも欲しいのが数字なのです。
「看板ドック」の商品開発に着手してから、僕は数字にこだわることをやめていました。
「看板業界を安全第一の業界にする」という志のもと
「看板で悲しむ人や苦しむ人をゼロにする」という大義名分を掲げて走り出した
サステナブルサインのレガーロが、最初に挑んだのが「看板ドック」の開発です。
いわゆるゲームチェンジャーとなった僕たちでした。
職人の目視と感覚に頼っていた看板の点検に、
非破壊検査器という科学の目を持ち込んだことからして革命的だったわけです。
いわば看板の点検革命を起こすにあたって、数字のことを考えたらなにもできません。
そこは覚悟をもって臨みました。
僕が数字を考えなかったからこそ、協力者が現れ、理解してくれる人も増えていきました。
実験段階にはそれらの方々にほんとうにお世話になりました。
生まれたばかりの「看板ドック」を受けていただいただけでなく、
忌憚のないフィードバックをくださったおかげで、
試行錯誤の幅が広がり、製品の精度が上がっていったのです。
「看板ドック」に専用保険をつけるときは、いくつもの保険会社にあたりました。
僕と「看板ドック」を信じてくれたいまの保険会社さんにはほんとうに感謝しています。
「看板ドック」はサステナブルサインのレガーロだけの革命ではありませんでした。
協力してくださった方々にとっても、過去に経験のないまったく新しい案件という冒険だったのです。
そしていま「看板ドック」が「看板ラクスル」「看板リペア」「看板パワフル」と一連のサービスを備え、品質、価格、納期の三つの要件をクリアして、完璧な形になりました。
着手からは9年という時間を要しましたが、どの段階でも一歩も引くことなく、
前進を続けたことは、僕とサステナブルサインのレガーロの誇りです。
数字について、ようやくこだわることができるタイミングが訪れました。
この4月1日からは数字にこだわっています。
ここからは1円でも多く利益が上げられるように頑張ります。
いままで数字のことをいわないで育ててきた社員たちにも、いまは数字を意識するようにいっています。
とにかく数字を上げろ、結果を出せ、という叱咤ではありません。
数字という指標を共有して、そこに向かって全員で力を合わせていこうということです。
さっきも書いたように、僕たちを苦しめてくるのが数字なら、励ましてくれるのも数字です。
褒めてくれるのも数字ですし、社員たちとともに喜ぶ理由をくれるのも数字です。
数字はただの数字であって、そこに意味を与えるのは僕たちなのです。
だから僕が「数字にこだわる」というのは、数字が表す意味や状態にこだわる、ということです。
利益が1円上がると僕たちの仕事の価値が1円上がる。
現実的にはそういうことですが、1円上げるために僕たちがどれだけ頑張ったかということが大事です。
その1円の中身をみんなで正しく把握できるように、
社員たちとの連携をさらに深めていきたいと思っています。
数字にこだわるサステナブルサインのレガーロが始動しておりますので、
お客様方にもよろしくご理解のほど、お願いいたします。