体液に含まれる水分と電解質は、生命の維持に不可欠な働きをしています。その体液が脱水症で失われるとカラダにさまざまなトラブルが生じます。脱水症の症状は、水分が減ることによるものと電解質が減ることによるものの2つが複合したもの。まずカラダから水分が失われると、それだけ血液(血漿)の量が減り、血圧が下がります。すると肝臓や消化器といった臓器を巡る血液量が減り、必要な栄養素を配ったり、不要な老廃物を排泄したりする能力がダウン。脳の血流が減ると集中力が低下しますし、消化管の血流が減ると食欲不振が起こります。同時に電解質が失われると、体液が濃い部分を薄め、薄い部分を濃くしようとする浸透圧が維持できなくなります。この作用はナトリウムイオンが多くを担っています。カリウムイオンやカルシウムイオンが不足すると、神経や筋肉に悪い影響が出てきて、脚がつったり、しびれや脱力が起こったりします。
脱水症には3つのタイプがあります
①高張性脱水(体液の浸透圧が高くなるタイプ)②等張性脱水(体液の浸透圧が正常なタイプ)③低張性脱水(体液の浸透圧が低くなるタイプ)
脱水症は水分と電解質(主にナトリウム)が失われた状態ですが、水分と電解質のどちらがより多く失われるかで、3つのタイプに分かれます。電解質より水分が多く失われて体液がいつもより濃くなった状態が①高張性脱水で、汗をかいた時に喉が渇くのはこのタイプです。
汗をかくスピードが速いほど、汗中の電解質濃度は高くなりますので、より電解質が多く失われます。電解質と水分が体液と同じ割合で失われるのが②等張性脱水です。
下痢や嘔吐のように体液を一気に喪失してしまう時におこります。水分より電解質の方を多く失い、体液がうすくなった状態が③低張性脱水です。
大量に汗をかいて、電解質を多く失っているのに、電解質濃度の低い飲料や水・お茶などを大量に飲んだときなどにおこります。また高張性脱水で認められる、のどの渇きはあまり感じられません。
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