7/17(水)
@北千住
シネマ ブルースタジオ にて
一昨年だったか、に開催されていた
ピエール・エテックスの
レトロスペクティブ
気になっていたものの
たどり着けず、だったのですが
だいぶ遅れて とってもうれしい
北千住の シネマ ブルースタジオ さんが
かけてくれていたので、いそいそと
この日は
短編『破局』と
長編『恋する男』の二本立て
まずは
短編『破局』
1961年|フランス|12分
監督・脚本:ピエール・エテックス、ジャン=クロード・カリエール
出演:ピエール・エテックス
恋人から送られてきた
封書を開封したらば
手紙とともに、ご覧の通り ↑ の
まっぷたつの自分の写真が
同封されていて
まさにタイトルの通りの
「破局」な事態
それを受けて、の
返事を書こうとするものの…
というお話
モノクロの画面に
チャップリンやキートンを
彷彿とするような
サイレントコメディ的な展開
それから
なんだか音が可愛らしく?
付けられていて
インク壺にペン先を入れれば
「ちゃぽん」とか
誇張されている、というか
個人的には、ディズニーを
彷彿としてしまうような感じで
それは音だけじゃなく、たとえば
恋人の写真が入っている写真立てに
投げキッスをすれば
パタン、と写真立てが卒倒する
みたいな動きも同様で
なんだかその
若干ファンタジーみが
あるような空気感もまた
おもしろいなぁ、と思いながら
眺めていたらば、の
あっけないというか
えっ、な幕切れにびっくり
(嫌いじゃない)
でも思い返すと
恋人からの別離の手紙に
返事を書くという段で
いっこうに
なんだかわからないけれども
ペン先をペン軸に
装着しようとすれば
ペン先がなぜだか
ペン軸の中にすこんと入って
見えなくなっちゃったりとか
とにかく
手紙が書けないのですよ
あれこれあったのち
封をして、切手を貼ろうとするも
それもまた、なんだかんだ
うまくいかなかったりして
ののちの、あのオチ
表面上は
サイレントコメディな感じで
コミカルなんだけれども
これすべて、彼の心情
別離の手紙の返事
これ書いちゃったら
ほんとに破局になっちゃうじゃん
書きたくないよ!とか
未練とか、別れたくないとか
そういった気持ちが反映されて
なんだかんだ書けない事態が
繰り広げられているとしたらば
コミカルさと背中合わせの哀切に
なんとも言えない妙味が
それはオチもまた同様で
笑と哀が
見えるところと
見えないところとで
並走しているようなつくりが
巧いなぁ、と
続いて、長編へ