5/31(金)

 

 

@新宿

武蔵野館

第四回カツベン映画祭 にて

 

 

 

 

弥次喜多 岡崎の猫退治

 

 

1937年|日本|14分

 

監督:吉村操

出演:大岡怪童、山吹徳二郎、大山デブ子 他

 

 

弾き語り弁士:山崎バニラ(大正琴&カスタネット)

 

 

待ってました!ニコニコ な

ご贔屓弁士さんである

山崎バニラさんの回

 

はじまる前の説明(前説?)によると

 

大都映画は、トーキー映画移行後も

無声映画をつくり続けたのだそうで

この作品も無声映画全盛時代より

少しあとの封切りなのだそう

 

その大都映画の看板トリオによる本作

 

『東海道中膝栗毛』=弥次喜多珍道中

の弥次さん喜多さんが

三大化け猫伝説の地

(そんな三大があるのね〜 キョロキョロ )

である、岡崎に出没する

化け猫退治を引き受けるも…!?

というコメディ作品

 

ご覧の通り ↑ 

弥次さん喜多さんの後ろに

現れたるのが、岡崎の化け猫で

そのまぁ見事なる着ぐるみ具合からして

クスクス ニコニコ なのであるが

 

それに関する、弁士さんからの

ツッコミ、というか、コメントも

見事にハマっていて、笑い倍増

 

そうしてはじまる一連の

ドタバタな顛末もまた楽しく

 

たとえば

お約束ともいえような展開

 

化け猫を追っかけていた、いや

化け猫から逃げていたんだったか? のはずが

いつの間にか、その走り回っている輪から

ひとり抜け出した化け猫が

傍らでくつろいで、一服休憩?していて

弥次さん喜多さんだけが相変わらず

わぁわぁと走り回っていたりして

( いったいなにから逃げてるねーん 笑い泣き )

 

等々で、まぁ、楽しかったです ニコニコ

 

しかも、弁士さんの語りが

ツボを押さえていて

 

たとえば、弥次さん喜多さん

 

 

左:弥次さん(大岡怪童)

右:喜多さん(山吹徳二郎)

 

と対照的な体躯のコンビなのですが

この弥次さん喜多さんの登場シーンで

喜多さんが目を見開いた

(まさに、目まんまる!な感じの)

なんともおかしみのある表情をしていて

まずクスっとしてしまったのですが

まさにそのタイミングで

 

「喜多さん、目ん玉、こぼれ落ちそう」

と、ちょっと真面目な口調での

コメントが入ったりして

おかしみ倍増 ニコニコ

 

そんな風に

サイレントゆえに必要になってくる

状況の説明や台詞を語るだけでなく

ちょっとしたコメントをさしはさむことで

笑いを増幅してくれる感じが

なんともたまらず 照れ

 

しかもそれだけじゃないんですよね

たとえば、トリオのひとりの

この方が画面に登場した際

(この映画のシーンは見つけられなかったので

これは別の映画のシーンですが)

 

 

「大山デブ子さん

大都映画の看板女優である」

 

という風に

映画に関連、付随することや

トリビア的なこと等も

添えてくれちゃったりなんかして

 

作品そのものだけでなく

周辺へも広げていってくれる感じが

またなんともたまらず 照れ で

 

さらには、この弁士

山崎バニラさん

弾き語りという妙技をお持ちで

 

画面に合わせて語るだけでも

こう、視線が画面と台本を行き来して

大変だろうと思うのだけれども

それをしながら

自ら演奏までもしてしまうのである

 

すごいーーー 凝視

としか言いようがなく

 

しかも、この日は

作品に合わせての、大正琴と

カスタネットの弾き語りで

雰囲気もまたばっちり

だったのでした ニコニコ

 

 

ちなみに、山崎バニラさんの

HPの記載()によると

『弥次喜多 岡崎の猫退治』を語るのは

9年ぶりなのだそうで

 

やはり9年もたつと

台詞も音楽も書き直さざるをえません。

 

とのことで、語りや音楽までもが

時代に則した「なまもの」で

 

弁士は、時代を超えて

映画と観客とを繋ぐ

そういった役割であるのだなぁ

ということを改めて実感

 

それからこの「なまもの」

同行の活弁初体験の友人が

「台詞をトチって言い直したりしても

ちゃんとお尻はあっていて」

と言っていたのですが

そう「なまもの」なので

トチることはあるし

それでもうまく帳尻合わせるのもまた

弁士さんの力量ですなぁ

 

 

 

 

そして、この作品もまた

月世界旅行』と同様に

14分と短いため、二本立て

いや、このあとに二本あるので

三本立てで

 

続きます〜 ニコニコ