3/6(水)

 

 

@新宿

武蔵野館 にて

 

 

 

 

梟 -フクロウ-

 

 

2022年|韓国|118分

 

監督・脚本:アン・テジン

出演:リュ・ジョンヨル、ユ・ヘジン 他

 

 

 

この見るからに

スリリング、サスペンスフルな

広告ビジュアルからして

なんとも気になっていた作品

 

実はこの日、もう一本

気になっている作品があり

どちらにしようかギリギリまで

迷っていたのですが

 

たまたまこの週の月曜日に遭遇できた

仕事場の、行き会うと

映画の話をよくしたりする

Mさんからのコメント

「韓国映画はおもしろいよ」

にも背を押され、天秤は

こちらに傾いたのでした

 

 

朝鮮王朝時代の史実に残る

王の息子の怪死事件をもとに

 

その事件に巻きこまれ

奔走することとなる

盲目の鍼師を

主人公に配して描かれる

サスペンス・スリラー

 

 

私、実は、ちょっと

歴史ものとか

策謀からむ政治ものとか

苦手だったりして

 

途中で、あれ? えっと…?

と、こんがらがったり

登場人物の多さに、その関係性や

複雑な攻防の把握が

うまくできなくなってしまったり;で

 

でもこの作品は

そんな私でもちゃんと

ついていくことのできる

わかりやすさで お願い

 

なので、もしかすると

重厚な歴史サスペンスを求める方には

若干、軽めな印象になってしまったり

するのかな キョロキョロ なぞとも思いつつ

 

いやでもこのわかりやすさ

すっと伝わり、だからこそ

するっと惹きこまれていってしまう感じ

とても腕がいいのではないか、と

 

主人公の鍼師の、盲目だけれども

暗闇だと、夜目がきく梟のように

視ることができる、という設定も

存分に生かされ

 

そして、その主人公の近くには

顔立ち(というか、表情の

つくり方とか、たたずまい)からして

なんともひょうきんな

キャラクターがいたりして

 

クスッとしてしまう

コミカルシーンもちらほらと

 

地位や立場を超えた

人間どうしの、心の交流的な

ささやかな情あるシーンもあり

 

そうこうしているうちに

あれよあれよと緊迫した事態となり

 

そして、そののちも、二転三転

ある種、お決まりの展開

(あ、バレちゃう、バレちゃうよ〜、の

間一髪で、免れて、ほっ、だったり)

 

もう、すっかり、しっかり、と

翻弄されて

どうなってしまうの〜! 凝視 と

ハラハラし続け

 

そんなこんな、で、とにかく

エンタメとしてのバランスが

とてもよかった気がします

 

そうそう、やはり日本とは違う

衣装、髪型、装飾品、建物、等々

といった見どころもあり

 

 

視えないはずが

目撃してしまったもの

 

視えているはずなのに

見えておらず、自身の視界に

閉じこもってしまうもの

 

見えているけれども

自分の利のために

見えていないふりをするもの

 

 

癒しもすれば、毒ともなる

生かしも、殺しもする、鍼

のように

 

 この施術、そんなに効くなら

 私も打ってもらいたい〜 照れ

 と思ったりしつつ

 

人の感情や思惑、

正義、善悪、力関係もまた

時と場合によって、移り変わり

ひっくり返ったりもし

 

必要な目は、視える目、ではなく

時勢や状況を正確に見ることのできる

目、ということか

 

 

結末について

ここのところ、つらつら

してしまっていたのですが

 

史実をからめて

ということが、まずあって

だとは思うのだけれども

 

「盲目の鍼師」という

特徴的な人物

 

映画のメインストーリーである

騒動の渦中にいた人ならば

「盲目の鍼師」という属性で

おそらく、ピン、と

きてしまうであろう、と

思うのだけれども

 

それなのに

治療を任される、ということは

 

これは、依頼した側も

この結末(復讐が果たされること)を

密かに願っていた、もしくは

そうなることを見越して

利用することを考えていたのかな、と

思ったりなんかして

 

そして、その思惑を、彼自身も

巻きこまれた権力争いの

騒動を経て得た「見る目」を持ってして

解したうえでの行動だったのかな、とも

 

なにせ、劇中でも

しっかりと描かれていたけれども

累は、一族郎党に及ぶのだ

 

彼にとって、大切な弟に

それが及ぶような状況で

ことには及ばない気がして

 

これが、弟が亡くなっている

とかであれば

もうなにも失うものがない

それゆえの行動となって

また全然違う見え方に

なるのだけれども

 

弟、げんきになって

彼のそばにいたよね…?

 

とすると…? キョロキョロ

 

劇中では、夜を奔走していた彼が

それによって「見る目」を得て

暗躍する人(=梟)に

なったということ…?

 

なんて、その先も

勝手に想像しちゃったりなんかして

 

 

とにもかくにも

暗闇がキーであるこの作品

 

まさに暗闇である映画館で

ハラハラドキドキ

どうなっちゃうの〜〜〜 凝視

と、しっかりたっぷり味わえて

よかったでした 照れ