10/18(水)

 

 

@池袋

シネ・リーブル にて

 

 

 

 

オオカミの家

 

 

2018年|チリ|74分

 

監督・脚本・美術・撮影・アニメーション:クリストバル・レオン、ホアキン・コシーニャ

声の出演:アマリア・カッサイ、ライナー・クラウゼ

 

 

 

チリに実在したカルト団体である

「コロニア・ディグニダ」を

モチーフにした作品

 

とのことだったので

 

観に行く前に Wikipedia

予習したところ

 

元ナチス党員で

ヒトラーを崇拝していた

キリスト教バプテスト派の指導者

パウル・シェーファーらが

設立したコミューンで

 

コミューン内には

家族という単位が存在せず

家族単位で入植したものたちは

バラバラに分けられ

話すことも禁じられ

 

入植者たちには

無償の長時間労働が強いられ

 

反抗的な者に対しては

暴力、薬物注射、電気ショック等の

拷問が行われ

 

加えて

絶対的権力を握っている

パウル・シェーファー

 

そもそもが

男児に対する性的虐待で

ドイツを追われていて

 

彼にとって

彼好みの幼い男児に対して

性的虐待し放題の楽園

だったようなのである

 

そして

Wikipedia の記述によると

 

パウル・シェーファーの

性的虐待を受け入れたものには

特権が与えられ

そうでないものは

電気ショックの拷問や食事抜き等

冷遇された、という

 

 

あれ、これって… キョロキョロ

 

 

さらには、このコロニー

チリの国軍(権力側)とも

強固な関係を結んでいて

 

ゆえに、40年近くもの長い間

異常な状態での運営が滞りなく

野放しにされていて

 

 

あれ、これって…… キョロキョロ

 

 

なんだかいまわが国でも

取り沙汰されている

某事務所問題と

ほぼほぼ、おんなじ

構造ではないかい………? キョロキョロ

 

 

と、妙なシンクロ具合に

ゾゾっとしつつ

 

 

 

この作品

そのモチーフをストレートに

外部からの目線で

取りあげているわけではなく

 

そのカルトコミューンの

宣伝映像、というていなのです

 

なので

コミューンを逃げ出した少女は

最終的には

 

オオカミ=コミューンサイドに

助けを求め、コミューンへと

戻っていくという流れになっていて

 

でもその描写には

 

そもそもコミューンサイドが

オオカミで

 

対するマリアと、そのマリアが

コミューンを逃げ出して

辿り着いた家にいた、子ブタ二匹

(マリアを含めれば三匹の子豚)

という図式になっていて

 

どう見てもオオカミが…

 

という状態なので

私には、ちょっと

ややっこしかったのです;

 

 

加えて、この映像表現が

なんとも斬新で

 

ストップモーション

なのだけれども

 

その名称から想像するのとは

ちょっと違っていて

 

冒頭は、立体ではなく

絵が動いていくのです

 

室内のていなのだけれども

その壁に描かれていく

調度に、少女

 

それらが

ストップモーションの技法で

動いていき

 

たとえば、その絵が

動いていくことによって

カメラはまったく

移動していないのだけれども

空間は移動していっているように

見えたりして、おもしろく

 

 

そのまま

絵が動いていく形で

進んでいくのかな、と思いきや

 

立体も登場

 

でもそれもまた斬新で

 

完成している造形が登場して

動いていくのではなく

 

それそのものを

つくっている段

 

素材で芯をつくって

それにテープを巻きつけて

洋服部分に色を塗って

目鼻を描いて、髪を載せて

 

と、そういった工程さえも

画面で繰り広げられるので

 

と言っても、もちろん

その作業をしている人(裏方)が

映ることはまったくないので

 

なんて言ったらいいのか

 

目の前で

人物が構築されては

変容していく様を

目にすることとなり

 

これがなんとも言えない

インパクトで

 

 

そんなあれこれの

アート的な視界

動きのおもしろさ等々を

追っていると

 

このお話自体を

理解し、追うことが

疎かになってしまったりして;

 

 

ラストシーンに添えられていた

ナレーション的台詞を考慮すると

 

おそらく

ブタ(子ブタ)というのは

コミューンに所属していない

人間のことなのかな、と

 

そして

コミューンを脱走した少女が

たどり着いた家にいた

子ブタ 二匹

 

マリアと生活していくことによって

やがて四つ足は手足となって

人間の姿となり

(この辺りの変容もまた

シュールでなんとも キョロキョロ

だったのですが)

 

この変容はもしや

少女自体の

コミューンからの洗脳

(所属外は皆ブタなのだ

というような)が

少し解けてきた描写

だったのかな、と思ったり

 

あとは、その人間の姿となった

子ブタ 二匹(ペドロとアナ)

 

少女の不注意で火事となったときに

顔が黒くなってしまうのですが

 

蜜を飲むと、あらびっくり

白い肌に、金髪碧眼に!

 

これは、黒い肌=黒人?

それが白肌の金髪碧眼に変わる

というのは

 

ナチス・ドイツの優生思想の

描写だったのかしらん キョロキョロ

 

 

と、そんな断片的にしか

キャッチできて

いないのだけれども

(それが合っているのかどうかも

そもそもわからないけれども;)

 

 

なにはともあれ

この目が離せなくなってしまった

アバンギャルドな世界

 

劇場で堪能できて

よかったです ニコニコ

 

 

 

キーワードは

 

・不穏

・悪夢

・アバンギャルド

・グロテスク

・アート

 

かな キョロキョロ