読了記録

 

 

 

 

ブックキーパー 脳男

首藤瓜於

講談社文庫

 

 

 

脳男

脳男II 指し手の顔 上下』からの

待ちわびていた「脳男」の三作目

 

ひさかたぶりのこの

かたい読み心地

 

その感触を

懐かしく感じつつ

読み進んでいったが

 

前作同様

脳男=鈴木一郎は

裏で暗躍しているのみで

ほとんど表舞台には出てこず

 

代わりに今回

メインを張っているのは

 

いろいろと

その出自や来歴に謎があり

コスプレ的にその装いを変えて

登場してくる

若きエリート警視

鵜飼縣 うかいあがた(女性)

 

このキャラクターを立てて

今後、脳男と対峙させたいのかな

と思ったら

 

作者の今夏発売された最新刊が

この鵜飼縣 うかいあがた を主役に据えた

『アガタ』らしく

 

ふむー キョロキョロ

 

 

今作は、最後に

タイトルに繋がってくる

展開があり

 

なるほど、そういうことなのね

そしてそれは今後へと繋がっていくのね

とはなったのだけれど

(というわけで続くのです)

 

全体として、前作、前々作のような

謎や、こう、事件の裏側、その意図

といったような、わからないなにか

といった、ものやことがなく

 

流れのままに、そのなかでの

予想や想像の範囲を超えることなく

最後まで進んでいってしまったような

そんな感じだったので

 

なんだろう、こう

心踊る、といったら、内容的に

語弊があるのかもしれないけれども;

そういった感覚のところまでは

到達しなかった感じで

 

前作、前々作は

読み終わったあとすぐに

二巡目に入ったのだけれども

今作はそこまでは

引っ張られることがなく

 

うむー キョロキョロ

 

 

なぜだろう、と考えたけれど

 

もちろん

お話の構成や展開もあるとは

思うのだけれども

 

その一端に

ニューキャラクターである

鵜飼縣 うかいあがた に、そこまで

魅了が感じられなかったというか

 

たとえば、コスプレのように

ガラリと装いを変えて登場してくる

その理由には、言及がなく

 

これは最新作『アガタ』を読め

ということなのか

 

そもそも、出自や来歴にも

謎が多いので、それも含めて

次巻であきらかになるのか

 

と、その人物像が

読んでいるなかでは

定まりきらなかったことも

あるような、そんな気がして

 

 

ただ、この鵜飼縣 うかいあがた 

ハッカー行為もお手のもの、な

ネットに精通している

部下がいて

 

今回のことの発端も、その部下が

短期間に起きた

遠く離れた場所どうしながら

同じように拷問されたらしき

殺人事件を発見したことからはじまり

 

そこから

フィクサー的存在にたどり着き

その死による争い、快楽殺人者

警察の闇、と、繋がっていってー

という流れだったので

 

そういった

時代、時流に即した形の

駒がほしくて、もあっての

投入だったのかな、と

 

なにせ、レギュラーの茶屋刑事は

ネットやそもそもスマホにすら

疎いタイプだったりするので

 

 

そんなこんな、で

個人的にはちょっと

不完全燃焼状態だったりもして;

 

いや、これは期待し

待ちわびていた、ゆえ、も

多分にあるとは思うのだけれども キョロキョロ

 

 

ところで

前作から今作までの期間

14年

 

次作はいつ頃だろうか… キョロキョロ

 

いや、今夏に『アガタ』が

出ているようだから

それほど間が空かずに

脳男も投下されるかな…?

 

なにせ、ネットや情報ツールといった

デジタル関係、どんどんと

進歩していってしまうので

 

時期を逸すると(温めてしまったりすると)

内容的に、古くなってしまったり

通用しなくなってしまったり

することよなぁ… キョロキョロ

思ったりなんかして