8/31(水)

 

 

@木場

109シネマズ にて

 

 

 

 

ブエノスアイレス

 

 

1997年|香港|96分

 

監督・脚本:ウォン・カーウァイ

撮影:クリストファー・ドイル

出演:レスリー・チャン、トニー・レオン、チャン・チェン 他

 

 

 

香港から

ちょうど地球の反対側に位置する

アルゼンチンに

 

やり直すための旅行にやってきた

ウィン(レスリー・チャン)と

ファイ(トニー・レオン)のカップル

 

けれど、名所である

「イグアスの滝」に向かっている途中で

道に迷って言いあいになり

そのままケンカ別れし

帰国するための旅費が足りない
ファイ(トニー・レオン)は
ブエノスアイレスのタンゴバーで

ドアマンとして働き

 

ウィン(レスリー・チャン)は

持ち前の気質を発揮して

適当な相手を見つけて

どうもヒモのような生活を

しているような…?

 

そんなある日

ファイ(トニー・レオン)が

暮らしているアパートに

 

両手をケガした

ウィン(レスリー・チャン)が

転がりこんできて…

 

という

くっついたり離れたりを

繰り返している

男ふたりを中心としたお話

 

 

カップルの片割れである

ウィンを演じているのが

レスリー・チャンで

 

さらば、わが愛 覇王別姫』で

初めて見て、魅了され

 

そして続く『花の影』で

やっぱり惹かれてしまったので

 

そのレスリー・チャン見たさに

飛びついてしまいました

 

 

初っ端から

ふたりのセックスシーンがあって

ドキマギしてしまったり

 

ファイ(トニー・レオン)の

白ブリーフいっちょの姿

(って、なんであんなに

マヌケに見えるんでしょう…)に

目のやり場に困ったりしつつ

 

こういう恋愛模様

国も性別も問わないんだなぁ、と

思いました

 

 

お互い好きあっているのだけれど

 

実際、いっしょにいると

楽しかったり、うれしかったり

幸せがあったりもするのだけれど

それと同様に、ケンカも、衝突もあって

 

特に、ウィン(レスリー・チャン)は

猫のようで、甘えてくるけれど

束縛されるのは嫌いで

気ままに、自由を謳歌したいタイプ

しかも、天然たらしのような

気質のようなので

 

ファイ(トニー・レオン)は

心配でしょうがなく

 

日中、仕事に出ている間

アパートにいるはずのウィンが

出ていってしまっていたりしないか、と

しょっちゅう仕事場から電話をかけていたり

(可愛いなぁ…)

 

でも、そうなってくると、だんだん

そのファイの心配による行動が

ウィンにとっては鬱陶しくなってきて

衝突

 

飛び出して行ってしまう、という

 

で、自由を満喫し、離れていると

今度は恋しくなって、また戻ってくる

という、その繰り返しな感じ

 

 

おめあてだった、レスリー・チャンは

どこか、破滅的というか

刹那的なところもあるような

猫系、小悪魔的な役がはまっていて

とてもよかったな〜

 

やっぱり、目がいいなぁ、と

思うのですが、3回目の駄目押しで

すっかりファンになってしまいました

 

 

そんなレスリー・チャン演じるウィンに

主に振り回される、相手役である

トニー・レオンが演じていたファイ

 

その振り回されること自体にも

幸せは含まれているのだと思うのですが

 

そんな関係性を表しているような

好きだったくだりがあって

 

両手をケガしているウィンの

散歩に同行したファイ

 

「寒いから帰ろう、どこまで行くんだ」

などとブツブツ言いながら

着ている上着をそのまま

頭の上まで引っ張り上げた状態で

ウィンの後を追っていくファイ

 

「いいから、ついてくればいいんだよ」

と楽しそうに先行していたウィンが

途中で突然「やっぱり寒い」と

くるりと踵を返し 笑

 

おまえは「アホか!」と叫ぶファイ

 

で、案の定、寒い中でかけたせいで

熱を出したファイが寝こんでいると

 

ウィン猫がやってくるわけです

 

「お腹空いたよ〜」

「もう2日(だったか)も食べてないよ〜」と

 

「おまえは冷血人間か!

病人に料理させる気か!!」

と怒鳴るファイ

 

でも次のシーンでは

毛布をかぶった状態で

フライパンをふるってるんですよね 笑

 

この口ではなんだかんだ言いながらも

甲斐甲斐しくウィンの世話を焼いている

ファイのキャラクターも

なんだか可愛くてなってきてしまい

 

 

と、そんな恋愛模様が

映し出されていくのですが

 

画面がなんだか

光と、色と、構図と、なのか

美しさと雰囲気があって

 

筋を追わなくても、移り変わっていく、

映し出されていく画を眺めているだけでも

それだけでもよく思えてしまうような

そんな感じがありました

 

これが、名前は何度か目にしたことのある

撮影担当のクリストファー・ドイルの画面

なのか〜、と

 

いままでも同氏の撮影作品を

観たことがあったかな、と

ブログを検索してみたら

 

チェン・カイコー監督

レスリー・チャン主演の『花の影

 

手塚眞監督

稲垣吾郎、二階堂ふみ 主演の

ばるぼら

 

オダギリジョー監督

柄本明 主演の『ある船頭の話

 

の3作品が引っかかり

 

確かに、それぞれに

特に色や光による美しさがあって

 

そして、それぞれに、どこか

現実ではないような

幻想的な空気があったなぁ

と思いだしました

 

 

そうそう、この映画の

ひとつのキーになっている場所である

「イグアスの滝」の映像は

夢幻の趣きで、圧巻でした

 

 

それから、原題が『春光乍洩』

(ネット情報によると

「春の光がおとずれたばかり」

というような意味らしく)

英題は『Happy Together』で

 

なんだか、映画を観た印象とは

ちょっと(いや、だいぶ?)

違うような気がして

 

邦題の『ブエノスアイレス』

そのチョイス、正解かも〜

と思ったりしました