7/20(水)

 

 

@渋谷

ホワイトシネクイント にて

 

 

 

 

X エックス

 

 

2022年|アメリカ|105分|R15+

 

監督・脚本:タイ・ウェスト

音楽:タイラー・ベイツ、チェルシー・ウルフ

出演:ミア・ゴス、マーティン・ヘンダーソン、ブリタニー・スノウ、スコット・メスカディ、ジェナ・オルテガ、オーウェン・キャンベル、スティーヴン・ユーア 他

 

 

 

夏はなんだかホラー熱が高まる気がするのですが

先日観た『ブラック・フォン』が

期待していたのとはちょっと違うタイプだったので

個人的なホラー熱が満たされず

 

そして『ブラック・フォン』は

映画サイトの評価が高め(4点近い)

だったけれど

 

逆にこの『X エックス』は

私が映画を観に行く前に見たときは

映画サイトの評価が低め

(3点に満たないくらい)で

 

それもなんだか気になってしまい

 

突撃!してきてしまいました

 

 

 

舞台は、1979年のテキサス

 

ストリッパー兼女優の

マキシーン(ミア・ゴス)と

そのマネージャーであり、恋人である

プロデューサーのウェイン

(マーティン・ヘンダーソン)

 

マリリン・モンロー風?のブロンドの女優

ボビー(ブリタニー・スノウ)と

その恋人(ボビーによると、時々 笑)の

ベトナム帰還兵である男優のジャクソン

(スコット・メスカディ)

 

自主映画監督の学生

RJ(オーウェン・キャンベル)と

その彼女で、録音スタッフとして

撮影に参加する学生ロレイン

(ジェナ・オルテガ)

 

この3組のカップルが

一攫千金、もしくは

トップスターになる夢を叶える、等々

それぞれに野心を抱えて

ポルノ映画『農場の娘たち』を

撮影するためにやってきた田舎の農場

 

けれどそこは、史上最高齢の

殺人夫婦が棲む家だったー

 

というお話

 

 

 

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上記、そのままのお話なので

ネタバレもなにもないのかもしれませんが

念のため、以下、ネタバレを含みます

苦手な方はご注意ください

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前半戦は

老夫婦の怪しさを匂わせつつも

主に、ポルノ映画の撮影がメイン

なのですが

 

それぞれに野心を持って

嫌々ではなく、ノリノリで

ポルノ撮影にのぞんでいるので

空気が明るい、というか

あっけらかん、としているんですよね

 

終映後、誰かが「カラッとしてて」と

口にしていたのですが

まさにそんな感じ

 

ひとり、彼氏につきあって

しかたなく撮影に参加していた

ロレイン(ジェナ・オルテガ)の

「恋人じゃない相手とセックスしても平気なの?」

という質問に対して

 

「セックスは若いうちに楽しんでおかなくっちゃ」

というようなセリフもあったりして、奔放で

 

そしてこの流れで

ロレイン(ジェナ・オルテガ)の恋人であり

撮影もしている監督の

RJ(オーウェン・キャンベル)が

「映画だからね、現実とは別物だよ〜」

のようなセリフを言ってしまったが最後

 

そのノリノリの撮影

野心むんむんの空気にあてられてしまった

ロレイン(ジェナ・オルテガ)が

「私も出る!」と言い出してしまい

 

止める言葉を持たない

RJ(オーウェン・キャンベル)が

自身の恋人と男優のセックスシーンを撮るために

涙目になりながらカメラを構える

という展開に

 

彼にとっては笑いごとじゃないけれど

あまりの滑稽さに、クスクスしてしまい

 

その他にも

ポルノシーンの撮影が終わった男優

ジャクソン(スコット・メスカディ)が

スッポンポンで窓の前に仁王立ちしている

そのなんともおまぬけな後ろ姿だったり

 

あちこちに、クスクスシーンが

散りばめられていて

 

そういえば、後半戦は

殺人老夫婦が活躍(笑)のパートなのですが

そこでも

 

なんで、人を探しに外に出るのに

パンツ一丁(しかもピッタリしたタイプ)のまま

出ていくねん! とか

 

なんで、来訪者に対応するのに

スッポンポンで出てくるねん! とか

 

終始、どこか抜けているような

滑稽な空気が混ざっていて

 

 

加えて、殺人老夫婦

特に、ハワード(スティーヴン・ユーア)の

妻であるパールもまた滑稽で

 

衰えた肉体に

衰えない性欲

 

戦争によって

思うようにならなかった人生への

そして、かつての輝いていた

若く美しい自分への執着

 

そんな、いまはもう自分のもとにはない

「若さ」「美しさ」を

ポルノシーンの撮影も含め

来訪者たち3組のカップルが

これでもかと見せびらかすものだから

 

触発されて、嫉妬と性欲、そして

価値のある存在だと

誰かに求められたい欲が

メラメラと燃えあがり

そのまま殺人へ

 

 

そんな殺人シーンは

これまたグロくてスプラッター

 

刃物での滅多刺し×1、眼球への串刺し×1

銃殺×2、ワニの餌×1、轢殺×1

 

眼球への串刺しシーンは

あぁ、そんな、見るからに

おあつらえ向きの穴、のぞいたら…

というお約束の展開で

 

そして、そんなところに

おあつらえ向きの穴がある

(しかも武器の形に合った)

ということは

それは以前にも使われた

ということで

 

そう、連続殺人老夫婦、なのでした

 

 

そんな感じで、謎や

なんだかわからない、というような面が

ほとんどなかったので、私としては

あまりホラー的な怖さは感じず

 

結果として、これもまた

私が満たされたいホラー熱とは

ちょっとズレた感じではあったのですが

 

全体として、70年代のビジュアル

音楽やファッション

そのムードを味わえたり

 

私としては、新しい組み合わせだった

カラッとした空気感に

滑稽で悪趣味なクスクスに

スプラッターというミックス

 

音楽や音の使い方も少し独特な感じがして

おもしろかったり、で

 

楽しんでしまいました

 

 

そうそう、私が連想できたのは

2ヶ所だけだったのですが

 

斧で木製の扉を壊し

そこから顔を覗かせるところ

=『シャイニング』

 

息を吐く音を

背景音楽として用いているところと

真っ赤なライトで登場人物が照らされるところ

=『サスペリア』

 

他にもいろいろと、オマージュ的な

シーンや設定があるんだろうな〜

という感じがして

わかる人にはまた楽しいところ

ですよね

 

 

それから

殺人老夫婦の妻の方であるパール

マキシーンを演じていたミア・ゴスが

特殊メイクのひとり二役で

演じていたのだそうで

 

エンドロールのあとには

この映画の内容の前日譚である

パール(ミア・ゴス)の若かりし頃編の

予告があり

 

どうも、3部作の予定のようです キョロキョロ

 

 

さて、今度は

どんなミックスでくるのかな〜 キョロキョロ

と、ちょっと気になっちゃったりして