9/26(木)

 

 

@上野

東京芸術大学大学美術館 にて

(※ 会期は既に終了しています)

 

 

 


円山応挙から近代京都画壇へ

https://okyokindai2019.exhibit.jp

 

 

 

前期()から、大幅な掛け替えがあるというので

楽しみにしていた後期を

会期ギリギリセーフで観に行ってきました

 

 

 

前回と同じく

興味のある、惹かれるところはじっくりと

その他はさらりと鑑賞したので

所要時間、1〜1時間半くらい

 

 

 

前期は、乙巻だった円山応挙の写生図巻は

 

 説明書きによると、写生(スケッチ)そのものではなく

 それをもとに清書したものなのだそう

 

掛け替えで、甲巻が展示されていたのですが

こちらも、ほぅっと、何度も嘆息してしまうような素敵さでした

( そして前期の乙巻よりも分量があったような気が… )

 

まさしく図鑑の絵のように

その形がそのままに捉えられて描かれているのだけれども

 

描き口はあっさりしていて

それほど精緻に( 細密画のように )描きこまれているわけではなく

それなのに、すごくリアルで、自然で

色の付け方、さらりとして見えるグラデーションの巧さなのか

あぁ、これが絵師の腕のなせる技( わざ )なのかなぁ、と思いました

 

前期の乙巻と同じく、対象を観察しているまなざし

その形を、おもしろく、愛でている感じが伝わってくる気がするのが

とても心地よかったです

 

 

 

 

 

前期から、掛け替えられても

やっぱりワンコ(笑)でうれしかった

 

 

竹内栖鳳「爐邊」

昭和10年(1935年)

 

 

 

炉端に寄ってきて暖をとっている

ワンコたち

 

さらりとした線に、にじんだ色づけ、それなのに

目にした瞬間にぐっと伝わってくる表情があるのが

なんとも魅力的で、たまらず

 

 

 

そして、このにじみの表現が

竹内栖鳳の味で、獲得した個性なんだなぁ、というのを

感じられたのも、今回の収穫でした

 

 

 

恐らく、まだ、その個性に到達する前の作品である

障壁画(屏風絵)

 

「雨霽( あまばれ ) 」明治40年(1907年)があり

 

私はそれにすっかり魅了されて

しばらくその前にいて、細部を観たり

全体を眺めたりしていたのですが

 

風雨で盛大に揺れ動いている葉の描写と

そこで雨やどりしている鳥たちの様々な姿態

 

そのどれもに、瞬間を捉えているんだろうなぁ、という

リアルさがありつつ、長沢芦雪まではいかないまでも、な

ユーモラスな空気をどことなく感じて

 

 こちらに視線をくれている個体からは

 「なにしてるかって? 雨やどりっすよ」みたいな

 そんな台詞が聞こえてきそうな感じで

 

とても好みで

 

 

 

その後に目にした同じタイトル(でも読み方は違った)の

屏風絵( 昭和3年 1928年 )では

にじみの表現がいかんなく発揮されていて

 

ひと目で、あ、竹内栖鳳の絵だな、とわかる感じで

あぁ、これが個性( もしくは画風? )の確立

ということなのかなぁ、と思いました

 

 

 

 

 

もうひとつの収穫は

もうひとり好みな絵師を見つけられたこと

 

幸野楳嶺(こうのばいれい)

 

「海魚図」という作品に

ズキュン、と射抜かれ

 

ネット検索してみたけれど

うまく見つけられず ……… 載せられなくて残念

 

そもそもの絵の巧さはもちろん

水の描き方、その構図が

斬新な気がして

見惚れてしまいました