8/22(木)
@吉祥寺
ココロヲ・動かす・映画館◯ にて
リバイバル上映していた作品が気になって
観に行ってきました
マイ ビューティフル ガーデン
2016年のイギリス映画
監督・脚本:サイモン・アバウド
出演:ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ
トム・ウィルキンソン、アンドリュー・スコット
冒頭から
少しおとぎ話のような空気感で
現実と空想が時々混りあったり
観ていて、ふっと「アメリ」が浮かんできたけれど
いえ、でも、私はまだ「アメリ」は観たことがないので
なんとなくのイメージが似ている気がしたのかな
帰宅後に見た Wikipedia によると
監督は「アメリ」を意識してこの作品を制作したそうなので
あながち間違ってはいなかったのかも?
捨て子だった主人公のベラ
(ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ)は
度を越した几帳面さで、変わり者
例えば、曜日ごとに使う歯ブラシが決まっていて
それが鏡の前にきちんと並んでいたり(クローゼットの服も同様)で
秩序を好み、そのため、予測不能で無秩序な自然、特に植物が苦手で
庭が荒れ放題(←これが後々問題になってくる)
何度もしつこくちゃんと鍵が締まっているか確認し
そのせいで仕事に遅刻したりしていたので
ちょっと強迫性障害気味でもあるのかな?
それから
隣人である、偏屈で、横暴で、ひねくれているけれども
庭づくりをこよなく愛している老人 アルフィー
(トム・ウィルキンソン)
そんなアルフィーの家で雇われていたけれど
ベラがらみで一悶着あり、その場の応酬の勢いでクビになり
なぜかベラに雇われることになったヴァーノン
(アンドリュー・スコット)
この三人を中心に展開していく
ヒューマンドラマ
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以下、ネタバレを含む可能性があります
苦手な方はご注意ください
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個人的に「!」だったのは
ヴァーノン役のアンドリュー・スコット氏
この顔を見て、はっ、と、うれしさのあまり
思わず口を押さえてしまいました(笑)
( モ、モモ、モリアーティ!笑 )
この方、こういうちょっとコミカルな感じが
とてもお上手な気がして、観ていて終始、楽しかったです
そう言えば、生のお声を耳にするのは初めてだったけれど
あまり吹き替えとの違和感がなかったなぁ…
( やっぱりシャーロックの吹替キャスティング
よかったんだなぁ、と改めて )
そうそうこの↑
なんだ?囚人のご飯か?(笑)みたいな展開も楽しかったんですよね
表面上はやりあっていたり、ツンケンしていても
実は、相手のことを考えていたり、気にかけていたり
そういう見えないやさしさが、観えるようになっていて
特に後半、失恋した(実は違うのだけれども)ベラを
なぐさめようとするふたりが
なんだかお兄ちゃんとおじいちゃんみたいで
庭づくり問題もあって、関係ができ
時間を共有するようになった
それぞれ欠けたところのある凸凹の三人が
徐々にうちとけて、それにより
各々の時間もうまく回りだしたり
世界が広がったり、輝いたり
やっぱり人とのつながりって大切で
それから、違う世代間のつながり
上の世代から下の世代へと受け継がれる、というと
ちょっと大げさかもしれないけれど
伝える、伝わっていくことの大切さ
先に逝くものの、なにかを伝え残したい
覚えていてほしいという想い
対して、寂しさや孤独は
( 昨今のゴミ屋敷やご近所トラブル等のニュースを見ていても )
よくない作用をするんだよなぁ、ということを
改めて思いました
もちろん現実的に考えれば、そういい出会いばかりが
あるわけではないけれども
そこは現代のおとぎ話として
温かく笑えるシーンも豊富だったので
ほっこり、にっこり、楽しみました
庭づくりに関しては
アルフィーがベラに対して口にしていた
「秩序のある混沌」という台詞が
印象に残っています
秩序のある混沌…
混沌としているけれども
実は秩序があり、それによって
美しい庭になる、ということ、でいいのかな?
なんだかその他のことにも
当てはまりそうで
ついつい脳内でつぶやいてしまう
秩序のある混沌…