もうひとりのお目当ては
須田悦弘(すだよしひろ)さん
以前に
千葉市美術館での展示で
初めてそのインスタレーションを
目にして以来
ずっとまた
あの空間を堪能したいなぁ
と思っていたのです
壁から生えている
《 ユリ 》
木からできているとは思えない
その薄さ、繊細さに
肌が粟立ちます
ユリの手前の通路の壁には
《 雑草 》のプレートが
かかっているのですが
はて、その作品はどこに…?
と見回していたら
やっぱりこんなところにありました
通路から見下ろせる壁?の端っこに
そうそう、この《 雑草 》は
舟越桂さんの作品の足元にも
ひっそりと生えていました
こういう展示の遊びが
ただ作品を見るよりも
何倍も楽しくて
かつ作品の魅力も
増し増しになるような気がします
《 バラ 》
落下の瞬間
かしら
切り取られた一瞬
一瞬が限りなく永遠に近い形で
留め置かれている不思議
真下から見上げれば
まさにバラ以外の
なにものでもなくて
精巧さに息を飲みます
《 朝顔 》は
アートラウンジの
ケースの中に咲いていました
蔓の細さと
木とは思えないなめらかさ
葉と花弁のあまりの薄さに
ゾクゾクします
《 露草 》は
美術情報室の本棚に並んでいる
日本美術全集の本と本の間
その奥にひっそりと
ここだけは撮影不可だったので
写真はありません
細い隙間なので
ひとりずつしか向きあうことができず
それがなんだか
こっそりと秘密を発見したかのような
そんな心持ちを呼び
くふくふと
楽しかったです