今回は、「体軸理論」を応用した、臨床報告をしたいと思います。今回のクライアントはタイトル通り、野球選手です。この選手は、両側ACL損傷の既往歴を持ち、術後約1年が経過しています。可動域などには問題はありませんが、走行時の右膝奥の痛み(関節内痛)に悩まされています。
痛みの再現性としては、右膝に屈伸痛はなく左膝に痛みを生じます。痛みの部位は、左膝内側及び膝窩に生じます。選手のトレーナーからは内側広筋をはじめ膝周囲の筋肉アップを目的としたトレーニングを行っています。
視診からも左膝筋肉のボリュームは右に比べ少なく、選手も気にしていました。また、これに付随して打撃時の左下肢への体重移動(左打者)が困難であると感じているようです。
ここでまず、TLによってこの選手の身体意識を診ていきます。特徴的な意識とすると左手に濃い意識(パーム)、右腕に約5センチの意識(アーダー)、左第2側軸(左足人差し指のラインのおおよそ土踏まずの位置)に濃い意識を感じることが出来ました。
これに関連する、動作を質問していき、ある程度その意識が及ぼす影響について話しました。それと今現在の関連性も一通り説明し、膝の痛みに対する治療を行いました。ここでの基本治療は運動指導のみです。そこで私が行った運動指導を列挙します。
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①四頭筋が入る前提としてハムストリングスが入ることの利点を伝え、それを意識するトレーニング(割膝)
②膝を使う前提として、股関節の使うトレーニング。(開側芯)
③これらを統合するための「体軸」を作るトレーニング。
最重要項目は、③の「体軸」で、①と②は③の一部と捉えます。この3つのトレーニングを指導し再度、痛みを確認すると痛みは無くなり、左足への体重指導もスムーズに行えました。
ここで重要なのは、膝の痛みの関連性と体重移動の出来ない欠点、またOpeをすることで生まれる膝への障害、現在の身体意識との相互関係を考え運動処方をすると言う事です。さらに重要なのが、1週間後にひかえた試合でのパフォーマンスアップに必要な運動指導とと長期的なパフォーマンスアップに必要な運動指導の相互関係を伝えることです。
むやみやたらに、トレーニングを伝えるのではなく、時間軸と身体意識の特性、現在の状況を踏まえて処方すると言う事です。これらを考える上で必要なのが「体軸理論」と言うことです。
今現在の自分と目標となる自分とを考えその目標に向かって、積み重ねるように上達しなくてはなりません。当然、今の自分から次のステップに行く間に関連性がなければ上達はおろか下手になる可能性すらあります。
この辺は次回に詳しくお話しするとして、今回必要だったことはクライアントの問題と現状を把握し、それを何処までどの程度アップするのか?その期間はどのくらいあるのか?と言うこと、全体を把握し局所も同時に把握することの重要性をお伝えしていきました。
最後までお読み頂ありがとうございます。次回は体軸理論=上達理論と言うことをテーマに書いていきたいと思います。
